いつでもいっしょにいるからね
おや
どうしたんだい
かわいそうに
そんなにないて
かおをまっかにさせて
ぽろんぽろんとなみだをこぼして
「もういやだ」
「はたらくのはいやだ」
どうしてそんなことをいうんだい
まいにちまいにち
いっしょうけんめい
あせみずたらして
がんばっているじゃないか
「もうつかれた」
それじゃあすこしやすんでいくといい
「ちょっとだけやすませて」
いいよいいよ
ちょっとといわず
きがすむまでやすめばいい
*
おや
おきたのかい
「おなかがすいた」
よおくねてたね
そりゃあおなかもすくだろうね
「ああでも」
「もうはたらきたくない」
「あさからばんまではたらいて」
「もうすっかりつかれたよ」
でもひとは
はたらかなければ
たべることはできないんだよ
「たべるためにはたらくのなら」
「わたしは」
「たべるためにいきているの?」
そうなのかな
そうなのかな
「たべることがだいじなことなの?」
たべなくてはいきていけないし
だいじなことなんじゃないかな
*
「ううんちがう」
「そうじゃない」
「わたしはたべるために」
「いきているんじゃない」
「だからわたしは」
「はたらくためにいきているんじゃない」
「わたしはなんのために」
「いきているのかな」
なぜだろうねえ
「はたらくのはもういやだ」
でもはたらかなければ
たべものをもらえず
しんでしまうよ
「もっとたのしいしごとなら」
「よかったのに」
そうだね
もっとたのしいしごとなら
よかったのにね
ぼくのように
ただつったっていればいい
そんなしごとなら
よかったのにね
「いちにちずっとはたらいて」
「つらいおもいをしてすごして」
「こんなまいにちが」
「しぬまでつづいて」
「それでわたしは」
「なにになれるの」
なににもならないんじゃないかな
なにをしようが
きみがきみであることは
かわらないんじゃないかな
ぼくがぼくであるように
きみはきみでいるのがいやなの?
べつのなにかになりたいの?
*
ぼくはきみがすきだよ
そのままのきみがすきだよ
つらいときは
いつでもここにくればいい
ぼくはずっとここにいる
このおかにぼくはずっといるよ
ぼくはきみのために
いいかおりのはなをさかせるよ
わさわさとはっぱをゆらしてあげるよ
どんなはなしでもだまってきくよ
だからどうか いきて
きみのために いきて
きみはほんとうにすてきだよ
ぼくはほんとうにきみがすきだよ
いつでもいっしょにいるからね
いつでもはなしをきいてあげるね