白い靄
この話しは7~8年位前の事、この時の私は親と一緒に生活するのが嫌で友達とルームシェアをしていた。それでも月に一度、実家へ帰ると言う親との約束を守りその日も夜遅かったが実家へ帰る最中だった。
「それにしても、この時間は車一台も通らないよなぁ」
そんな事を思いながら、あと数分で実家に着く所まで来てた時にソレは起こった。
「ん?何だこの白い靄みたいなのは」
よく分からない私は特に気にもせずそのまま靄の中へ車を走らせた。その靄は一瞬で終わったけどその直後、背中に今まで感じた事のない寒気がした。
「何、今の寒気は‥‥‥」
私は急いで実家に向かい、さっき起きた出来事を親に話した。話しを聞き終えた父親が私に
「あの場所なら白い靄見た事ある、人の形みたいなのしてた」
「は?何時の話し?」
「かなり昔の話し」
「‥‥‥そう」
「かなり昔、と言っても生まれる前位だから30年は経ったか? あの辺りはその昔、人が三人殺されて死んでる」
「え?」
何故、殺されたのか‥‥‥
最初は私の実家からほんの数メートル離れた所にある梅の木、そこで女性が痴漢に襲われそのまま殺された。
2つ目は、やはり実家から数メートル離れた所の十字路、先程の梅の木がある所から丁度対角線状に位置する。
そこでもやはり痴漢にあった女性が‥‥‥
夫婦で歩いていた時、奥さんが後ろから痴漢に襲われそうな所、痴漢に気付いた旦那が痴漢男から奥さんを守ろうとし痴漢男と揉み合った際、後頭部を強打して即死。残った奥さんも痴漢男に襲われた後殺害された。
私と父親が見た白い靄が出た場所、それは丁度この殺人事件があった場所だった。
あの時から今まで白い靄を見る事は無くなったものの、毎年何処かしらで死体が発見される。
今年も何処かで死体が見付かるかも‥‥‥
今回の話し、毎年死体が見付かると書いてあるが毎年では無いにしろ本当に死体が見付かってます。書くのはちょっと控えておきますね(^_^;)