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合宿での出来事

それは私が高校二年生の時の出来事



夏休みに入りすぐに部活の合宿が始まった。

私が通う学校は女子校で授業の一貫として茶道がある。

学校内では100畳ほどの和室が2部屋と顧問の先生が泊まれる個室が3部屋、それと一度に10人が入れる位のお風呂も完備されて居た。

その為、合宿はいつも学校内で行われていた。

勿論、私が所属する部も同じ事。


毎回、合宿になると幾つかの部が重なる為広い和室も狭く感じるがこの時は私達の部以外は何処も合宿を行っていなかった。

その為、部の練習も深夜まで続いた


「よし!そこまで、今日はこれで終了」


“有り難うございました”


私達は顧問の先生に挨拶をし各々が和室がある棟に移動する。

部員全員が和室に揃い布団を敷き始める、すると一人の部員が声を掛けてきた。

「部長、白川さんの様子がおかしいのですが‥‥‥」


振り向くと顔色の悪そうな白川さんがふらふらとした足取りで歩いていた。


「白川さん!」


部長が彼女に触れると体が熱く呼吸も荒かったので布団に寝かせた。


「救急箱ある?」

「あ、部室に置いてあるままです」

「誰か直ぐに取ってきて!」


深夜も回り誰も居ない校舎、そんな中に部室まで救急箱を取りに行こうとは誰も思わない。

何故、誰も行こうとしないのは入学当初から言われてきた怪談話しが気になるからだ。

私はどちらかと言うとあまり気にしないタイプだったので取りに行くと答えた。

すると三年生の部長が


「先輩が行くと言うのに貴女達一年生は誰も行かないの!?」


私は“無理に行かせなくてもいいのに”と思ったが先輩の言葉に拒否する事は出来ず黙っていた。


“皆、本当は行くのが怖いんだよな‥‥‥きっと”


「‥‥‥私、一緒に行きます」


少し大人しそうな子が声をあげ一緒に行く事に


「さっさと行って早く戻って来よう」

「はい」

私は後輩の子にそう声をかけた。


部室までは体育館を越え階段を降り、シャッターを2ヶ所開けないとたどり着かない。

因みにこの階段は他の場所と違ってここだけが黄色いペンキで塗られていた為私達は“黄色い階段”と名付けている。


取り敢えず私達は部室から救急箱を持ってくる。


そして和室まで戻って行くのだがシャッターと部室は鍵をかけなくてはならない、鍵は私が持っていたので順に鍵をかけていく。

最後となるシャッターの鍵を締めようとした時


“××××××”

「!! 今何か喋った?」

「いいえ、何も‥」

「え? さっき何か聞こえなかった?」

「ラジオの様な女性の声ですか」


すると


“××××××”


「「 !! 」」


「今のって‥‥‥」

「ですよね‥‥‥」


私達は慌ててその場から離れた。



和室に戻り先程の出来事を皆に話す。


「それ‥‥‥〇〇だよ」


そう、私達が聞いた声はその階段の所に現れるという幽霊。

今は体育館となっているその場所は元々プールがあった場所。

その昔、プールの授業中に虐めにあい自殺した女の子の幽霊。

その姿は黒髪で長髪、腰から下は体が無い

“黄色い階段”と名付けられた所を通ろうとした人を追い掛けてくると言われてた。


私達は深夜にその階段を通ったから声をかけてきたのだろうか?

学校側も何度かプールの建設の話しは上がったが結局今までプールを建設した事は一度も無かった‥‥‥

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