表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
FIVE SQUARE  作者: 藤森慶介
3/11

#3 勝負解禁編2

「いやー、いつ見てもカワイコちゃんだよねー、仁枝っちは」

三田は相変わらず手はキーボードを連打しながらも顔をニヘラとさせている。

「オヤジみたいなこと言ってないでしっかり作業してください。はい、俺の分終りました」

少年はそう言って書類を印刷し、三田に渡す。

「おおー、でけたか。安心しろ、俺様もあと368秒で完了するぜ!」

「素直に五分くらいと言ってください」

少年は相変わらずな三田に頭を抱えた。


「ところでアタック、仁枝っちって家が隣の幼なじみなんだろ? てゆーことはアレだ、毎日朝起こしに来てくれたり」

「しません」

「毎日、今日作りすぎちゃったのー、とかいってお弁当くれちゃってたり」

「しません」

「じゃあアレだ、夜アタックが勉強してたら窓が急に開いて仁枝っちが入ってきて、遊びにきちゃった、なーんてことも」

「し、ま、せ、ん! そもそも俺の部屋もヒトエちゃんの部屋も南向きだからそのシチュエーションあり得ないです!」

「あらま、ざーんねん」

三田は少年をからかいながらも書類のまとめに入っているようだった。

少年は仕方ないので三田の話に付き合ってやることにした。どうせ話してても作業スピード変わらないからこの人は、と。

「ま、部長にはヒトエちゃんは無理っすよ。なんたって2年の間では一番人気の娘ですから」

「うるへー! うるへー!」

三田は口をこれでもかというほど尖らせる。

「埼玉に住んでる古いダチがさ、パソ部って案外女子入るぜーってゆーから期待してたら結局ウチには二人しかいねーじゃねーかよ!」

「二人いればいい方なんじゃないですか?」

少年があきれ顔で言う。

「しかもその二人のうち一人は幽霊みたいな女でもう一人は幽霊部員ときたもんだ!」

幽霊みたいな女とは2年の夏目、幽霊部員とは同じく2年の与謝野のことだが、三田のその言葉に少年は首をかしげた。

「あのー部長、与謝野は男なんですけど」

「いーや認めん、あんなかーわいい顔しといて男子とは勿体無さすぎるわー!」

確かに与謝野は女子とみまごうほどの綺麗な顔立ちをしていたが、まさかこのバカは本気で与謝野を女だと思いこんでいるらしい。

「くっくっく、いつか暴いてみせる…、あの制服を脱いだら鼻血もののナイスバデーが」

「ないない、絶対ない。ああ見えて与謝野ってかなり喧嘩強いっすよ」「いやん、暴力反対」

暴力以上に危険なこと言ってる人に言われたくない、と少年は思った。

「あれ、それじゃ副部長の有島さんは?」

副部長で3年の有島こそれっきとした女子のはずだが。

「ああ、あんなゴリラでドンキーコングな奴は女子から除外」

「ひでえ。有島さんも美人じゃないですか」

「ちょっとぐらい顔良くたってあんな暴力者じゃだめー。奴こそ制服脱いだらぴくぴく動く胸筋と六つに割れた腹筋と鬼の顔の様な背筋が―」

その瞬間、教室のドアが派手に勢いよく開け放たれた。有島だった。

「三田くーん? 今、何の話をしていたのかなぁ…?」

顔は笑っているが目が笑っていない。そして、彼女の背後にはよく分からないがもの凄いオーラが燃え盛っているようだった。

有島は三田にゆらり、と近づく。

「ひ、ひいいいー!」三田が悲鳴を上げる。

有島は笑顔のまま、三田を無言で殴打し始める。

「痛い痛い痛い痛い、やーめーてー!」

少年は、殴られまくっている三田に言った。

「部長ー、もうすぐ368秒経ちますよー」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ネット小説ランキング>現代シリアス部門>「FIVE SQUARE」に投票 ネット小説の人気投票です。投票していただけると励みになります。(月1回)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ