表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
行灯の昼  作者: 蒲公英
唐には変な木が生えている
41/77

5

本気で自分を阿呆だと思ったのは、久しぶりだった。

女の子ってのは取っつき難い存在で、そこをどうにかこうにかクリアしなければ、近寄れないもんだと思ってた。

だから唯一緊張しない女である水元は、恋愛対象から外れてる筈だ。

にもかかわらず、俺は水元と一緒にいるのが楽しいし、プライベートでもっと親しくなりたいと思ってる。

今ですら仕事の人間関係より、ずいぶん近くなっているのに。


bunkamuraで目的の絵を見た後、水元が言う。

「このまま原宿まで歩いてお茶しない?好きなカフェがあるの」

カフェねえ。女の子って店の雰囲気がどうの、カップがどうのって調べるの、好きだよな。

水元の歩調に合わせて、ぶらぶらと歩く。

「俺さ、この辺の道、不案内なんだよね。どこ歩ってんのか、ぜんぜんわかんねえ」

「私は学生の頃、散々ウロウロしてたから」

その後、学生の頃何をしたかという話になって、同年代だと微妙にクロスしていて面白い。


「男子校から工学部だったからな。サークルも入ってなかったし、バイトは実入りの良いガテン系だった。今考えると、しみじみと寂しい青春だなあ」

「長谷部君らしいー」

「それ、褒めてないから」

にこにこしている水元が、方向を指差す。

「そこの通りの奥。ちょっと小道になってるから、穴場なの」


向かい合わせに落ち着いて、ビールのレモンジュース割なんか飲んでる。

ちょっとだけ冷たい風が吹いていて、半分デッキに出ているような席だと、冷え性の水元は肩が冷えるんじゃないかと気になった。

「席、交換しない?こっちの方が風があたらない」

照れくさそうな顔をした水元と、席を交換した。

「長谷部君って、ちゃんとそうやって気を遣える人なんだよね」

確認するみたいに、俺の顔を覗き込む。

その顔が、妙に可愛く見えた。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ