表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
行灯の昼  作者: 蒲公英
唐には変な木が生えている
39/77

3

「あー、今週はちょっと予定アリ」

5回目に誘った時、水元はあっさりとそう言った。

それに対してショックだったのが自分でも意外で、驚く。

なんとなく水元も、俺と同じように次にどこに行こうか楽しみにしてくれてる気がして、本当は自分だけが楽しんでるのかな、なんて。

だとしたら、下田さんと同じじゃないか。

下田さんだって、俺が楽しんでると思ってたかも知れないじゃないか。


なんだか俺、浮かれてたのかも知れない。

喋りやすくて、誰から見ても女で(俺は忘れてたけど)、一緒に外出しても違和感のない水元が、俺と一緒で楽しそうに見えてるから。

だけど、それが水元の「ケースバイケース」ってヤツで、俺に合わせてくれてるだけだったとしたら、俺だけが阿呆じゃないか。

それにしても、何の用事なんだろう。

見合い、とか?うわ、それも可能性はあるのか。

俺だって、実家から何回か言われたことはあるぞ。具体的な話にはならなかったけど。


……困る、のか?水元が決まった相手と会ったり、見合いしたりすると、困るのか俺は?

友達ならば、祝福してやって然るべきじゃないのか。

最初に結婚した時、祝儀持って結婚式に出たじゃないか。

二次会の幹事まで引き受けて、シャンパンタワー仕組んだりしてさ。

あの時は別に、困らなかったぞ。

まあ、今みたいに一緒に遊んだりはしてなかったけど。


なんだか考えるのが面倒だ。

大体、何の予定かなんて聞いてどうする。

その時はその時、ケースバイケースだ。

女とでも友達付き合いできると学習しただけで、良しとしなくては。

これからでも、そんな相手ができるかも知れない、その練習だ。

今更それを学習しても、使えるかどうかわかんないけど。

その週の週末、溜まった洗濯物を干しながら考えていたのは、そんなことだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ