過去現代未来
私たちが住んでいる太陽系の地球ではあるが、実はこの広い宇宙には全く似た惑星が存在し、姿形や知能など全く似通った、宇宙人がいないとも限らない。その上でこの物語はその惑星を通していろんな現場での争いの儚さなどを短い小説ではありますが私なりに書きました。
過去 現代 未来
ここは地球から1光年離れた惑星である。まるで地球に似たような星であるが、そこは地球では無いことを付け加えておく。この惑星にも四季と言うような物があり、季節はちょうどこの地域で春から夏に向かうところの梅雨であった。雨が降っては止みまた降るという、日に日に蒸し暑さが強くなっていた時期である。そこには大分小さいが一つの島国があった。それは王国で、その国の中心部には立派なお城があった。この日は極端に大雨で藁葺きの屋根は雨漏りをして城の中がびしょびしょにならない為に木製の大きなタライがあっちこっちに置かれていた。追い打ちを掛けるように、城内が何か騒がしい。と言うのも前国王が亡くなってからは、二人の人物が今後の政策、その他諸々などをめぐって争っていました。一人はこの国の新王に選ばれた、小柄ではあるが正義感が強いのは良いが何かと弱点の多い人物、もう一人は図体の大きくプライドが高くて何かと声のでかい2つ年下の二人の兄弟です。前王の遺言で王になれなかった弟は自分の考えが通らなかったとして怒り、邪魔でしかない王が寝ている隙を狙っていました。しかし王は運良くいつもの様に用を足すために起きていたのだった。タライに落ちる雨音が余計に尿意を刺激したのだった。近くで待機していた家来もすぐさま目を覚ました。弟はとうとう長い槍を持ち出して運悪く起きていた兄を威嚇しました。第一の弱点である闘争心が弱く争いが嫌いでその上気の弱い王はさすがに危険を感じて家来の助けを借りてこの城から脱出することにした。王の命令により他の家来たちはすかさず逃げていった。弟は他のものには興味がなく、王だけを狙いを定めて叫びながら二人を追いかける中、あっちこっちに置かれたタライが邪魔でタライの中に足を踏み入れたりした。おまけに彼の長い槍が時たま、襖や柱に引っ掛かったりもした。「今だ。」王はなぜか身軽でタライの間を器用に避けることが出来た。家来もどうにか王の後ろから動きを真似して超えることができた。二人は命辛々どうにか目的の部屋に辿り着くと、奥の壁を二人は両手で力一杯押した。すると静かに上部を軸として下の方が奥に回転をするように扉が開いた、すぐさま二人は中へ入ると扉も閉めずに秘密の通路から逃げることにした。「しまった」王を見失った弟は一生懸命に二階の部屋を隈なく探し回って、やっと彼らが入った部屋にたどり着いたが、秘密の扉には気付くことはなく、王らは当然居ませんでした。彼が来る前に扉は自然と閉まる様になっていたのだった。間一髪で王と家来は城の一階に降りると、やっと石で加工された結構重い秘密の床の蓋を少し持ち上げ、そして横にスライドさせて開けました。すると中は薄暗く頑丈で垂直に二五メートルぐらいの梯子があることが確認できました。「ここを降りるのか」しばらく王は動かず何か嫌がっているようであった。「王様早く」家来が言った。王はやっと梯子に足を掛けた。そしてゆっくりと降りた。そして家来が梯子を降り先程とは逆に元の方に寄せて最後は少し持ち上げてロックして石の蓋を閉めた。そして王と家来は急いで梯子を降りて行きました。「王様気をつけて」先に降りていく王に家来が言った。「わかっている」一方、探し疲れ果てた弟はやっと一階の王たちが逃げた石の方に来ましたがここでも逃げ道に気づく事はありませんでした。彼は怒りが頂点になり、長い槍を両手で前方に叩き付けるように放り投げるとそれは二つに折れ、気が変になったのか、とうとう城に火を付けて周りました。「みんな消えてなくなれー」と喚く弟だったが他の家来たちはみんな城から出ていて、残っているのは彼一人であった。やがて炎が広がり彼を囲むように近付いて来ると、さすがに暑くて耐えられなくなり、狂った大きな悲鳴を上げながら、とうとう自ら炎に飛び込んで焼け死んでしまいました。その後降り頻る雨の中でもお城は鎮火する事もなく無惨にも全焼してしまいました。もちろん王と家来はそんなことも知らずに一生懸命に彼が追ってこないかとビクビクしながら下に降りて逃げていました。やがて下に着くとそこはまるで別世界で綺麗な通路となっていました。今でいうコンクリート作りの四角いトンネルの様なものであった。なぜか明るく、天井も高く横幅も広く圧迫感は全然ありませんでした。しかし彼は第二の弱点である閉所恐怖症で以前から家来の勧めで脱出する通路の下見を嫌がっていて、今回が初めて来たのだった。それで先程のためらわずに居られなかったのであった。相変わらずに弟が死んだことも知らない二人は彼がいまだに追って来るかと思い、足速に通路を奥へ奥へと進んで行きました。結構進むとするとやがて通路が三つに枝分かれているではありませんか、その先は各通路とも急に暗くなっていてどうなっているか知ることが出来なかった。「何だ、こりゃ、おかしいですね王様、以前、前王と来た時はそんなものはまったくなく、一本道でしたよ。それにこんな立派な抜け穴ではありませんでしたよ。」「そうかまあいいや」すぐさま話し合った結果、右側の通路をとりあえず進むことにしました。「よし、行くぞ」二人がそこへ足を踏み入れるとやがて今まで天井も高く、明るくて綺麗だった通路が何だかゴツゴツした岩や凸凹になった地面、それに土や砂に変わってきました。「おかしいですね、間違えたようですね、これほど酷くはなかったのに」家来は何が何だかわからなくなった。もちろん初めて来る王にはそれが当たり前だとしか思わなかった。「しかしひどいな、城から脱出するのも大変だな。」「すみません王様」そう感じながら王は背後を振り向いた、すぐに家来もそうした。なんと、ものすごい暗闇で辺りは見えませんでした。「さっきまでは明るかったのに、これでは戻ることも大変だな、仕方ない。」そう明かりなどは準備していなかったのだ。二人は足元が悪くなってきた通路をどうにか進んで行くと、天井も結構低くなってきて上からも凸凹に変化してきました。「なんか息苦しくなったな、それに蒸し暑くなってきた。」そう第3の弱点であるパニック症状が出てきた。「王様大丈夫ですか」息が荒くなった王の様子に家来が心配した。「あっ、大丈夫だ」やっと、どうにか落ち着きを取り戻すと今度はなんか変な異臭までしてきました。「おっ、臭、」「これは汚物の匂いじゃないか。」そう、とうとうそこは完全な自然の壕に人工的に手を加えた壕にと変化していました。「あっ、もう駄目だ」匂いに刺激されて、王は両手で衣装を上げると岩壁に向かって用を足した。「ふー」やっと楽になった。「おい、お前らは誰だ。」突然目の前の曲がった角から男の人が現れました。それは二人とは違う、見たことのない服装をしていました。慌てて王はそれを閉まった。「おいお前何をしていた」男は王に言った。「別に」王は白を切った。そう第四の弱点は極度の頻尿なのであった。水分を摂りすぎると30分で催したくなり、長い時でも2時間持つか持たないか、そう致命的だったのである。それで外出するのが嫌だったのであった。家来はもちろんその事は知っており、なんとも思わなかった。いつもの事なのだ。「お前たちはなぜこんな派手な昔の格好をしてここにいるのだ。どこから来た。」そう彼には解るのであった。彼らが昔のお城などで着る派手な衣装をしていたからだ。幸か不幸か、その日は何かと疲れていて家来の勧めでもそのまま寝ていたのであった。突然の弟との一方的な喧嘩で着替える場合ではなかったのであった。多分二人は通路を通っているうちにあるはずも無い、しかし実際に起こった、今でいうタイムスリップをしたのであった。と言うことは、彼らが居た現代では無く、過去か、それとも、未来か。そう、その時代は彼らの時代から150年ほどの未来だったのである。そのことはまだ二人は想像もできず知らなかった。しかしその男の服装、それはその時代の彼らの言う軍服であり、男は何故か二人が何処から来たのかを否応無しに悟ったようだった。それと言うのも以前から何か噂があったようだった。他の誰かは知らない人を見たがいつの間にか消えていなくなったとか、「まさか現実に起こるとは、間違いない、嘘ではなかったという事か」彼は独り言を言った。しかし彼は直ぐに気を取り直し素早く刀を抜くと前にいる王に向けた。するとすぐさま護衛についていた家来がその人物に立ち向かおうとしたが、逆に王が左手で前に出るのを止め、家来からその腕で剣を受け取った。家来の力では太刀打ちできないと感じたのだ。こう見えても弟にも負けずに王は結構な腕であったが先ほども言った、闘争心が弱く争いが嫌であったが、しかし今は唯一の利点である、正義感が強くなったのだった。二人は刀先を合わせるとカチカチと音を立てた。そして戦いが始まった。お互い、いい勝負であったが、その軍服を着た男は素早く刀を振った、すると王の衣装がわずかばかり切れた。しかしそれ以来互角でとうとう決着は付かず疲れ果て、二人とも息を大きく吐いて動けなくなった。「隊長、もうそのくらいに」別の軍服を着た若者が間に入った。「何かと役に立たないでしょうか」「そうだな、いい腕をしている、よしお前ら二人を私の護衛につかそうと思うが、どうだ」「そのほうがいいと思います。」若者が言った。「私は殺し合いが好きではない」王が言った。「よし決めた、それでいいか」隊長が言った。王はうなずいた、そして家来もうなずいた。ということで王と家来はこの隊長と言う人の護衛にあたることになった。「よし二人とも私について来るのだ」そう言って4人は隊長らが来た方向へ歩いて行った。やがて彼らの前に結構濡れた二人の少女が現れた。「あっ、隊長、」二人は直立姿勢で立った。「どうだ、水は確保できたか、食料は、」隊長が言った。「すみません隊長、あまりにも爆撃が激しく戻ってきました。」「そうか仕方ない、その方がいい、亡くなってしまたら、水を汲んでくる人がいなくなるからな。ただでさえ人手が足りない、命は粗末にするな」そう外は久しぶりの大雨で壕から離れた所から隠してあった容器を回収しに行っていたのだった。しかしそれは急ぐあまりわずかしか残っていなかったのだった。そう言いながらも雨に濡れた怪我人が担架で運び込まれた。そして数人のずぶ濡れの兵隊はまた降り頻る雨の中へすぐ出て行った。もうすでに看病するのは二人の少女だけになってしまっていて手に負えなくなっていた。「この通りだよ」隊長は両手を上げた。「彼らには少し休んでもらいたいが、」王らは隊長から戦争になっていることを聞いた。「仕方ない、上からの命令なのだ」王たちは大変なことになっていることに同情した。「よし私たちも手伝うぞ」王が家来に言った。「助かる」すぐさま隊長は喜んだ。「ありがとうございます」二人の少女がお辞儀をした。そうして二人は互いに少女たちに付いて手伝った。「君は名前はなんと言うんだい」「あっ、すみません私はミチヨと言います。」「もう一人は」「彼女はヨウコと言います」「そうかそうか」やがてどうにか治療が落ち着くと、王と一緒にいるミチヨがもう一度水を汲みに行くと言うと、それを聞いた家来と一緒にいたもう一人の少女ヨウコが「いいえ私が行くわ」と言って素早く彼女より先に容器を取ると壕を出ていき、最初に言ったミチヨも後を追おうとしたが、隊長は素早く彼女の手首を掴むと首を横に振ってミチヨを止めた。それから長い時間が経ったが水を汲みに行ったヨウコが戻る事はなかった。何故彼女は戻らなかったのか、後になっての事だがそれは彼女が壕から出て斜面を登ったところの高台にあった城が完全に姿形もなくなっているのを見て泣崩れていたのだった。そこへ敵に見つかってしまい彼女は短刀を出して突っ込んで行き、悲しくも殺されたのだった。その後残った少女ミチヨは戦いが収まると哀れな彼女を見つけた。その腕にはナイフと左手には洗面器をしっかりと掴んでうつ伏せに倒れていた。ミチヨはかすかに開いた口に洗面器から両手でその水を飲ませた。そして自分もそれを飲んだ。「ヨウコ、ありがとう。」彼女はヨウコを肩に担いだ。しかし斜面から二人は滑り落ちた。そしてやっとの事で壕の入り口近くに埋葬したのだった。それから彼女は幸か不幸か後々捕虜になって、助かる運命となったのであった。ところで話は先ほどに戻るが隊長たちも疲れ果てて二人に言った。「とうとう食料もわずかになり飲み水も少なくなった。ヨウコは戻って来なかった。仕方ない、もう解散だ。私たちは最後まで戦うからお前たちはどうにか残りの負傷兵を見届けてくれないか。そしてそれが済んだら、君たちはここに居てはいけない。君たちの時代を作ってくれ、早く元来た道へ戻るんだ。」そう言うと隊長は部下の顔を見ると若者は頷き二人は弱々しく壕を出ていき、それっきり戻る事はなかった。残った少女ミチヨと二人はその後も怪我をした兵隊を看病したが食料もつき薬も切れてみんな亡くなってしまった。3人で壕の外に埋葬した。やっと肩の荷が降りたのだった。もう思い残す事もない、そして王は彼女に一緒に逃げるように進めた。初めは頷いていた彼女だったが、しかし彼女までも二人の隙を見て壕から出て行ったのだった。その彼女「ミチヨ」が先ほども言った生きる運命になったが残念ながら死んだ「ヨウコ」とはある誓いがあったのであった。必ず誰か一人は生き残りこの悲惨な体験を伝えようと、ヨウコはそんな事はできなかった。ミチヨまでも壕から出ていき、仕方なく二人は隊長が言った元来た道へ戻ることにした。「やはりここは未来の場所だったんだ」「隊長は私たちが過去の世界から来たとわかっていたんだ。」続けて王が言った。二人はやっと確信した。奥を見ると何故か今まで暗闇だった元来た通路が明るく照らされているではありませんか。まるで導いているように。二人は足早に泥濘んだ壕を進んで行った。すると今度は前方が二つに分かれていた。「あれ、おかしいですね王様、戻る時は一本道にならなければ」「来た時は三本通路で右を通ったから、帰りも右に行けば良いんでは」と言うことで二人はそうした。しかし何かおかしかった。今までにないとても綺麗な通路に変わって来たのだった。そこを進むと案の定、行き止まりで綺麗な梯子が立っていた。「よし登るぞ」一生懸命に登るとその先は当然閉まっていた。「王様私が開けましょうか」「いや大丈夫だ。」両手は梯子をしっかり掴み、頭と肩をついて両足を踏ん張って蓋を押し上げながら横に動かした。王が言った。少し開けた蓋の間から顔を出して彼はしばらくじっとした。「どうしたんですか王様」「おい何かおかしいぞここは何処なんだ。」王は蓋をゆっくり開けると外へ出て行った。「王様―」家来も急いで駆け登った。そして外を見た。「ここは何処なんだ」何かとてつもない豪華な多分、城に間違いない、その中にいたのだ。何もかもが新品であった。すると一人の若者が彼らを見て言った。「それじゃ祭りの準備はやがてです」そして彼はまた急いで何処かへ行った。王は城の外へ出ると家来もそれに続いた。なんとも綺麗なお城が聳え立っていた。その屋根は今でいう瓦葺であった。「なるほど」王は感心した。家来もその豪華な城を見て感激していた。青空に輝いていた。すると急に尿意を感じ何処か良い場所を探し回っていると下り坂へ降りて行った。「よし良い所だ。」王が下へ降りて両手で衣装を上げため息を吐きながら尿を足していると、突然声がした。一人の女が怒った。「ここで尿をしたらだめよ、ここは戦争遺跡よ、今からみんなに説明するのよ。あなた、今回選ばれた王様でしょ、そのくらいわきまえないと」そう彼女こそが生き残った15年後のミチヨであった。見学者の一人が言った。「何か小便臭いですね」そして彼女は言った。「いいえそれぐらいなんともないですよ。私たちがいた壕の中は汚物や死体の匂いで、それどころではありませんでした。」それから彼女は4、5人の見学者にこの壕の出来事を話した。「この壕の上でヨウコは亡くなったのです。私たち誰か生き残った人がこの現実を伝えようと。」それを聞いた王と家来は同時にミチヨの目を強く見た。しかし彼女も二人を見たが、なんの反応もなかった。仕方なく王と家来は城に戻ることにした。「王様あれは間違いなくミチヨですよ。」「そうだな、彼女は昔の私たちの記憶はどうやら消えているみたいだな。」そうして彼らは例の部屋へ戻ってきた。すると別の王の衣装を着てもう一人は王妃か、二人がきた。「あなたたちはなぜ私たちと同じ衣装で、」それを聴いて彼らは思わず例の蓋を開けて逃げていった。そこへミチヨと見学者がやって来て彼女は王たちが中へ入るのを目撃した。王らは急ぐあまり蓋を閉める余裕など無かった。「王様」ミチヨは彼らを追いかけるために階段を降りて行った。そして3人は再び15年ぶりに再開することができた。「やっぱり貴方たちはあの時の」「おー、覚えているのか」そして再び別れの時が来た。何かトンネルの前方に扉が見えた。「それじゃお別れだ」「元気でね」家来が扉を開けた。3人は手をふて、王と家来は中へ消えていった。ミチヨはなぜか元気だった。「さあ私も頑張るわ」彼女は力一杯に階段を登った。一方王と家来は寂しがりながら通路を数メートル歩いて後ろを見た。扉は消えていて少しずつ暗くなっていった。彼らも少しずつ元気を取り戻して力一杯歩いて行った。そして今度は間違いなく階段を登った。そして例のように蓋をずらすと二人は外へでた。降り頻る雨の中お城は跡形もなく焼けていて跡もなかった。しかし王は叫んだ。「容姿、今度は雨漏りのしない立派な城を作るぞ」だいぶ後に城は瓦葺の立派な城になった。王は家来と共にいつものように石の蓋に手を合わせた。




