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BABY BOMB!!  作者: 未芹


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現在 東波学園 転校生


「亜美ちゃん!見たよー!!」

 おはよーを言うよりも先に飛んできたのは七瀬。手には亜美がモデルとして出ている雑誌PUREGIRL。

今月号は七瀬の推しも載っていて大興奮のようだが、当然撮影は別日なので会ったりはしていない。

「あ!NEW LINEのタクヤくんかぁ。会った事ないよぉ、ごめんね七瀬ちゃん」

これもホント。

手のひらを合わせてごめんの仕草をしておく。

「なんかあったら教えてね!」

 推し命の七瀬らしく用が終わればそそくさと仲間の元へと戻って行く。合流した数人のかばんには、それぞれの自慢の推しグッズが、掛けた分の愛と同じだけ重そうにぶら下がっていた。


 この春、高2になったのを機に転校して来たこの学園は、かなりお金のかかる私立校として有名だ。

 私の転校理由は、これまでいた学校が芸能活動禁止だったからという表向き事情だが、特に芸能コースがある訳でもない。

他に芸事をする為に入って来たのは数人で、海外留学中のバレエでの一芸組。囲碁だか将棋だったかの院生でプロを目指している人達。箏の大きな大会で優勝しコンサートを開いているレベルの者もいる。

 だが華やかな芸能界という括りで連想する場所にいるのは、今期はその末端にいる私だけようだ。

 だから転校後、暫くは少し騒ぎになっていた。

 私自身はそれ程有名ではないけれど、専属モデルをしているPUREGIRLが人気雑誌で、旬の芸能人も多く載る為よく話題になるのだ。

 さすがに最近は、教室を覗きに来る生徒も減って落ち着いて来てはいる。


 私立東波学園(しりつとうはがくえん)

芸能活動に緩いものの、力を入れているのは運動部。

特に野球部とサッカー部は全国大会の上位常連校である。

 郊外にあるこのマンモス校の敷地を覆っているネットは少し変わっていてミラーレスになっている。

 広い敷地を占めている運動部の練習風景が盗撮されるのを防ぐ為らしい。

銀色のミラーレスネットに掲げられている横断幕の「常勝!!東波学園!!」の文字が熱い。

 それ程大事にされている花形が運動部員という事で、芸能活動をしている亜美の存在は他の学校よりは目立たなくて良いのかもしれない。


「藤城!今日転校生が来るってよ。」

隣の席の滝谷(たきや)が話しかけて来た。

 転校生って藤城以来だよな。こんな変な時期の転校って珍しいな、そうブツブツ言ってるが、確かに。

 今日は7月1日。

日にちのキリは良いが、こんな夏休み前の中途半端な時期の転校なんて聞いた事がない。

大体今週は期末テストだ。大変だろうなぁ。

呑気に滝谷の相手をしていたら、担任が男子生徒を連れて教室に入って来た。

 あれが、転校生。

...えーっと。

教室がちょっと騒めく。予想と違った感じで。

 東波学園は裕福な家庭の子女が多い。

だからか自己肯定感増し増しで自己主張の強い子が多いとは思う。

目立ってお洒落だったり、勝気そうだったり、見るからにハイブランドで身を固めている風な子もそうだけど、もしくは何かの全国一位クラスの一芸があったり。

 大抵の子が何かしら目立つのだ。が、この転校生は。


 黒髪、黒縁眼鏡。私より小柄かな。(ちなみに私は170cm以上ある。)

見るからに大人しそうなのはともかく終始俯いたまま。

 単にシャイなのかと思ったが既に張られたバリアが見えるよ。

誰とも関わる気、薄そうだもんな.....

 だが。身体は揺れていない。体幹は良いのかも。

これでスポーツ枠だったらビックリなんだけどー!

何の競技よ、けん玉か?!ダーツやヨーヨーの世界一だったりして!

 個人競技でひとり黙々と何かしてるというなら、似合ってる気もする。 まぁ、団体には向かないのは一目でわかる。

 とにかく表情が読めない。うん。実際顔が見えなかった。


 担任の原田が黒板に名前を書いた。


"安堂 尋"


「あんどうひろだ。1学期ももうすぐ終わりのこの時期だが、みんな色々教えてやってくれ。」

席は、と。

廊下側の1番後ろ、藤城、転校生センパイだから面倒みてやってくれ!

って私の後ろ?

 確かに1番後ろだった私の席の更に後ろに、朝から新しい机が用意されていた。

「えぇー、私?」

 先生、そういうのは委員長とかじゃないんですか⁈思わず立ち上がって言った私の横を転校生が通り、無言で後ろの席に座った。

「いや、大森は試験前に頼むと機嫌が悪いんだ」原田先生が苦笑いして、委員長の大森は腕組みしたまま当たり前だって顔してる。

まぁ学年首席だからね、解るけどさ。

 仕方ない。

後ろを向いて「私、藤城亜美。次の移動教室案内するね」

そう言った私の顔も見ずにおざなりに頷いた、こいつはー。

机の上に置いたままのかばんで顔も見せやしない。

 そういえばまだ一回も声聞いてないんですけど。

いやいや、女子が苦手なのかも。落ち着け落ち着け。

 モヤモヤを無理矢理収めて、取り敢えずLHRが終わった。

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