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ラブ・ガーディアンズ 〜ヤンデレ女子達はサッカーで連係したり1人の男子を取り合う!  作者: イーグル


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インターハイ東京予選決勝 恋風VS円帝7

 攻めのパターンを変えた後半戦、恋風が押されていた前半の時よりも円帝のゴールへ攻め込んでる。


 ただ、肝心の1点までは届いていない。


 エースの狼憐先輩には燐火さんが徹底マークして離れず、ミドルレンジからのシュートは大葉さんに阻まれて、鉄壁の要塞と化した円帝ゴールを簡単には割れていないままだ。


「何処かでビッグチャンスでも生まれないと……」


 例えばGKと一対一になる形とか絶好のゴールを奪えるチャンスだけど、あの鉄壁を誇る円帝DFに対してそんな決定的場面になるのは不可能に近い。


 余程揺さぶりをかけないと円帝のマークは振り切れないと思う。


「これ、延長戦かなぁ……?」


「うちがゴール割られなきゃ、そうなるよね。PKまで行く可能性もあるよこれ……」


 控え選手達がヒソヒソと話す内容が、近くに居る僕の耳にも入ってきた。


 今の状況を考えれば延長戦、PK戦の可能性もあり得る。


 けど試合が長引けば層の薄い僕達恋風は不利、向こうは控えに多くの優秀な選手達がいるから、体力の差で負ける可能性が高くなってしまう。


 頑張ってる控え選手の皆には悪いけど、今の恋風スタメンと結構実力差があるからね……。


『円帝、ゴール前またチャンス! 右斜めから護才が侵入していった!』


 って、不味い!


 エースの護才さんに渡ってドリブルで侵入してくる!


 確か護才さんは、あの位置からのシュートを一番得意なんだ。


 恋風に最大のピンチが来てしまう──。


『守矢が寄せて来る! 倒れた護才、笛が鳴った!』


 咲月先輩が戻って来て守ったかと思ったら、護才さんが倒れて笛が鳴って僕は凄く嫌な予感がした。


「恋風ファール! PK!」


 嫌な予感が的中してしまう、護才さんが倒れたのはエリア内で咲月先輩はファールの反則をしてしまう。


 これには咲月先輩、納得行かなそうで今のはファールじゃないと言いながら狼憐先輩に止められる。


『恋風、此処に来て痛恨のファール! これは大ピンチとなって逆に円帝は最大のチャンスだ!』


 絶体絶命だけど、まだ失点すると決まった訳じゃない。


 最後の砦である守華先輩が守ってくれれば……!


「止められるよ守華さんー!」


 僕は精一杯の声援を送っていった。



 芹華Side


 恵の突破が此処で実ったらしく、円帝はPKを得られて今日最大のチャンスを迎える。


 若干わざとらしさがあったのは置いとくとして。


「ファールしてないって!」


「やめろ咲月!」


 向こうのキャプテンは納得いってなさそうで、どうやら恵のマリーシアにやられたらしい。


 そこに同情はしても容赦はしないが。


「芹華、蹴ってよ」


 するとファールを誘った張本人がPKのキッカーを私に譲ってきた。


「お前が得たPKだろう。良いのか?」


「あたしが蹴ったら「こいつ元気じゃん」とかでSNS叩き食らうのとか嫌だもん。それに芹華ならPKの成功率が1番高いでしょ? あのアメリカ帰りな凄いキーパーも流石にPK無理だろうし」


 相変わらず計算高い女だ……。


 少し気に食わんが良いだろう、此処で恵と口論しても何も進まない。


 お望み通り私が蹴って試合を決めてやる。


『このPK、どうやら蹴るのはキャプテンの守神芹華自ら行くようです』


『彼女はPKを高校で外していませんからね。確実に1点を狙いに来ましたか』


 私はボールをセットし、目の前の相手と対峙した。


 正直言えば、今まで対峙したGKの中で威圧感が最も感じられる。


 練習で男のGKと向き合った事もあったが、彼女はそれよりも大きく見えてしまう。


「止められるよ守華さんー!」


 その時、小平君の声が耳に入ってくる。


 あれが私に向けられたのではなく、向かい合うGKの女へ向けられたのだと知れば、私の中で激しい感情が溢れ出しそうになってしまう。


 彼は私の、なのに目の前の女が小平君の声援を独占して、嫉妬の炎が燃え盛っていく。


 前回負けた悔しさなど、もはやどうでも良い。


 彼の声援を浴びる女は私が蹴散らしてやる!


『さぁ、PK! 円帝が決めるか恋風が止めるか!?』


 私は助走を取ってボールへ迫り、右足で蹴った。


 感触は良い。


 地を這うように右下の隅ギリギリへ飛び、キーパーには最も取り難い嫌なコース。


 速度も出ているから止めようが無いだろう。


 バシィンッ


「!?」


 そんな私の予想を裏切るかのように、そこに最初から来るのが分かっていたのか、大花は同じコースに飛んでキャッチしていた。


 読まれた、だと……!?


 直後に彼女はビッグセーブの余韻に浸る事もなく、すぐに起き上がってダッシュすると共にボールを蹴り出す。



 守華Side


 あたしの勘が大当たり!


 根拠は無かったけど、守神芹華は右のキックが最も得意。


 これは妹ちゃんから聞いた情報で、大事に決めて来るなら右足の得意なコースで来るかなって思ったんだよね。


 そしたら飛んで来たし、そりゃガシッて掴むっきゃないでしょ!


 んで、今なら隙をつけるかなと思って前へ送れば、狼憐先輩が受け取って単独の中央突破へ入る。


 こんな事は流石の女王も予測なんか出来なかったみたいで、対応が遅れていた。


 あのガラ悪い金髪DFがマンツーマンで付いてるから、狼憐先輩は彼女と向き合って一対一のデュエル。


 すると左右のインサイドでボールを転がすのが見えて、縦に抜き去る。


 あれはダブルタッチと呼ばれるサッカーのフェイントの1つで、狼憐先輩が使う所は今初めて見たと思う。


 金髪DFを突破して1試合に1度しかないかもしれない、最大のビッグチャンス。


 向こうのGK大葉が飛び出して来たけど狼憐先輩は冷静だった。


 185cmの長身を活かして前に出れば、キッカーにプレッシャーを与えられる上にシュートコースも塞がれちゃうけど、上を越えるループを蹴っていく。


 大葉は必死に戻ってバックジャンプで飛びつくけど、僅かに及ばなくて無人の円帝ゴールへボールは吸い込まれるように入る。


 このゴールが決まった瞬間、スタンドが今日一番の盛り上がりを見せると共にあたし達恋風はゴールの喜びに叫んだ。

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