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ラブ・ガーディアンズ 〜ヤンデレ女子達はサッカーで連係したり1人の男子を取り合う!  作者: イーグル


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インターハイ 東京予選準決勝

 東京予選の準決勝とベスト4まで来れば会場の盛り上がりは大きく、お客さんが何時も以上に沢山入ってるのが見えた。


 恋風の男子の方で敗退したせいか、勝ち進んでいる女子への期待が上がっている事が分かる。


 僕は先に準決勝のフィールドを一通り見てから、恋風のロッカールームへ向かう。


 勿論ちゃんと彼女達の着替えが終わったのを確認してから。



「準決勝の相手は空川(そらかわ)学園、男子が東京の名門校として知られてると同時に女子サッカーもレベルが高く、全国大会出場に後一歩という所まで最近は迫ってる強豪です」


 今回は真理華さんに頼らず僕が調べて、情報を皆へ伝えていく。


 東京の名門校と言えば桜王、真島とかが有名だけど、今年は確か創部から数年しか経ってない高校が勝ち進んでるって話題になってたっけ。


「サイドのスピードが速いですけど、それを囮にした中央突破も狙って来るみたいなので、DFは充分に気をつけた方が良いです」


「……1本も抜かせない……」


 月夜先輩は前回の試合から調子良さそうだし、頼もしい。


 今回も頑張って活躍してほしいな。


「サイドだったらうちらも負けないよねー?」


「逆にサイドで圧倒しちゃうよー!」


 双子の莉音先輩と花音先輩がサイドの攻防戦で自信を見せて、こちらも頼もしく感じた。


「任せろ。どんな相手だろうが、ゴールは取ってくる」


 胸を張って言いきる狼憐先輩も格好良く見えるし、流石エースだ。


「今日も絶対ゴールはさせないからねー!」


 守華さんの守るゴールは此処まで1点も取られてなくて、連続無失点記録を続けている。


 不動の守護神として絶対いなきゃいけない存在。


「よし、決勝進出の為に頑張って行きますかー!」


 咲月先輩は今日も皆を引っ張り、明るく掛け声をやってからアップへ向かう。


 ☆


「この試合に勝てば決勝で、もう一つの準決勝だと同じ時間に円帝の試合もあるんだなぁ……」


 選手達が試合の準備を進めてる間、僕はもう一つの準決勝のカードをスマホでチェック。


 恋風と空川の準決勝とは別会場で、円帝女学院と壁代(かべしろ)高校の試合が行われる。


 100%とは言いきれないけど高い確率で円帝が勝ち上がって来るかも、そうなれば練習試合以来の再戦だ。


 あの時は芹華さんとかベンチスタートだったけど、公式戦の予選決勝ならスタメンから出場するはず。


 つまり今度は最初から本気の円帝と戦う。


 それには今行われる空川との試合で勝たなきゃいけない。


「この試合に勝てば円帝ですね」


 急に女子の話しかける声が聞こえて顔を上げると、真理華さんが僕の前に立っているのが見えた。


「いや、まだ分かんないから。壁代とか此処まで失点僅か1で勝ち上がって来た、堅守速攻型の強豪校だからね」


 壁代と戦う可能性もあるので、向こうの情報も勿論調べてある。


「……身内贔屓かもしれませんが私からすれば母と姉が此処で散る未来が見えません」


 同じ家族だから監督のお母さんと選手のお姉さんが、どれくらい凄いのか間近で沢山見てきてるせいかな。


 真理華さんは絶対に円帝が来ると言いきっていた。


「母は名将で姉は天才と言われる程に優れた選手です。容易くは負けません」


「そうなんだ、そんなお母さんとお姉さんの学校にどうして行かなかったの?」


 母と姉の凄さを分かっている真理華さんへ、僕は何故同じ円帝に通うんじゃなくて恋風へ通う事を選んだのか問い掛ける。


 聞いちゃいけないデリケートな問題かもしれない、でも自分の中の好奇心に勝てなかった。


「別に重い理由とかはありません。ただ……言われるんです。活躍しても守神叶の娘、守神芹華の妹だと」


「あ……」


 僕には縁が無かったけど、それは凄い家族を持ったが故の苦労かもしれない。


 注目はされても真理華さん自身を見てくれないからと。


「あの人達と同じでは言われ続けるだけで終わる、それが嫌だと……私のつまらない意地です」


「そうなんだ……お母さんとか円帝じゃない学校を選んだ時喧嘩とかにならなかった?」


「いえ、私の行きたい学校を尊重してくれました。「自分の人生なんだから自分で決めて歩きなさい」と」


 良いお母さんだなぁ……話を聞いてて涙腺がちょっとヤバくなってきたかも……。


「試合、出られると良いね」


「はい」


 もし本当に円帝が勝ち上がって恋風もこの試合に勝ったら、それで真理華さんが試合に出られる事になれば、親子と姉妹の対決が実現する。



 真理華Side


 今日も私はスタメンになる事なくベンチスタート。


 だからと言って悪い事じゃない。


 神兎君と問題なく合法的に話せるから、私としては悪くないどころか凄く都合が良くて美味しい展開だ。


 ベンチで過ごせて彼の側で同じ1年として、色々話せる機会がある今のうちに神兎君と交流をもっと深めておきたい所。


「左から来てる! あっ!」


 準決勝を戦っている先輩達は苦戦しているようで、相手のサイドチェンジに振り回されているのが見えた。


 ボールは支配されて恋風の陣内でプレーしてる時間帯が長く感じられる。


 それでも護影先輩が忍び寄るような守備で守ったり、大花先輩が安定したセービングで得点を許さないおかげで、0ー0のまま試合は進んでいた。


「結構対策されてるかなこれ……」


 私の隣にいる神兎君は相手が相当調べ上げてるなと呟き、そこには同意見。


 確かに空川学園は東京の名門校だけど、下調べ無しで今勢いのある恋風を此処まで苦しめるのは中々出来ないはず。


 つまり研究されている確率が高い。


 だとするなら得点の要となっている守山先輩、双子の阿佐護先輩達が今日の攻撃で歯車が合わない事も納得出来る。


 前半は空川優勢のまま終了して、先輩達がベンチに戻ってきた。


「ちょっとこれ、流れが悪いなぁ……どうにか変えていかないと」


 言ったら悪いけど我が校の監督は居るだけで戦術とかは考えられない。


 だから作戦等は自分達で考えるようにするのが恋風スタイルという。


「後半、大鳥先輩に代えて真理華さん投入というのは?」


 すると神兎君が私の出場を推してくれて、部員達が彼に注目した。


「見た感じだと空川って結構こっちの事を研究してきたのが伝わるので、まだ出てない真理華さんなら向こうも戸惑ってしまうかなって……後、そろそろ高校の試合経験をさせるべきと思いました……」


 彼は自分の意見を言った後に出しゃばって申し訳無さそうな様子、それが私からすれば小動物のようで愛らし過ぎる。


 多くの人達が見ていなかったら、確実に抱き締めて可愛がりたい。


「なるほど、確かに実力的に即戦力だし……真理華。結構厳しい環境での高校サッカーデビュー戦になっちゃうけど行ける?」


「はい、大丈夫です」


 高校の試合時間に合わせて事前にスタミナ強化のトレーニングは重ねて来た。


 実家で自主練もしており、準備は既に整っている。


 彼と話せなくなるのが名残惜しいけど、此処で敗退して神兎君を悲しませたくないし、決勝では母と姉が待っているはず。


 空川学園には踏み台になってもらおう。

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