サッカーデート
突然サッカーボールが飛んで来てビックリした!それをキャッチした守華先輩にも驚かされたけど!
急に何だろうと思っていたら声がして、目を向けるとサッカーのユニフォームっぽい服を着た子供達がいる。
「これ、君達のボールー?」
「はーい!」
守華さんが取ったボールを子供達へ見せると、彼らは自分達のだと主張するように元気良く返事をしていた。
とにかく陸に戻ってボートを返してから、子供達にもボールを返しに行こう。
☆
「はい、あんまり湖の近くでやっちゃ駄目だよー?」
僕達は彼らの元へボールを届けに現れ、守華さんが代表して子供達に返していた。
「ありがとうごさいます!」
「お姉さんキャッチ上手いですね。ひょっとしてサッカーのGKやってるんですか?」
「うん、やってるよ女子サッカーで公式戦戦ってるから」
子供達はボールをキャッチした守華さんに興味があるみたいで、守華さんはサッカーのGKをやってる事を伝える。
「という事はサッカー部? 君も?」
「あ、ええと……マネージャーだけどね僕は」
視線が一緒に居る僕にも向けられて、サッカー部なのか聞かれればマネージャーだと答えておく。
というか「君」かぁ……身長とか彼らと似たようなぐらいで、同じ小学生に思われてそう。
高校生なのに……。
「あー、君達。このお兄さん見た目ちっちゃいけど実は高校生で年上だからねー?」
「ええー」
「見えないよー」
「この前のお兄さんといい、高校生って背の低い人が多いのー?」
守華さんがフォローしてくれて僕が皆より年上のお兄さんと言ったけど、全員が信じられないって感じだった。
「でも彼、サッカー上手いんだよー。キックのテクニックとか凄いんだから」
「へぇ〜」
守華さん、ハードル上げて来るなぁ〜。
「じゃあさ、僕達と一緒にサッカーやろうよ。コートあっちにあるからさ」
サッカー少年達は僕が上手いのか見たいんだ。
幸い僕も守華さんも動きやすい格好だから、サッカーは行ける。
守華さんも乗り気みたいだし、行こうか。
☆
「っと」
「わぁっ」
僕と守華さんは子供達とサッカーのミニゲームを行い、僕は小学生を相手にドリブルのワンフェイントで躱し、ボールをキープする。
彼らは小学生ぐらいだけど結構プレースピードが速い方で動きが良い。
それでも流石に同じ体格で年下には負けられないよ、高校生としてはね。
「とっとっと、結構やるねー」
守華さんはGKではなくフィールドプレーヤーとして、巧みな足技を見せるとボールをキープ。
やっぱり現役で日々鍛えてるからお手の物だ。
「お姉さんも小さいお兄さんも上手いなー」
僕には小さいと付くんだね、良いけど……子供は正直だなぁ。
とりあえずミニゲームでいくつか技やキックを見て、僕や守華さんは子供達に凄いと認められたようだ。
予想外の所でサッカーをやる事が出来て、世の中何が起こるか分かんないね。
「ねぇねぇ、同じ高校生って事は2人ってもしかして付き合ったりしてるの?」
「え……!?」
急に思いもよらない事を言われて、僕は固まってしまう。
「んー、とりあえず仲は良いよ♪」
「わっ……!?」
守華さんは僕の肩を組んでくると仲の良さを明るい顔でアピールしていた。
「わ〜」
「ラブラブ〜」
「いいね〜」
「ちょ、君達……!?」
僕はこの状況に慌ててしまう。
守華さん、子供達の前で何をしてんの〜!?
とりあえず僕達は彼らと軽くサッカーをしてから、皆がお昼で解散となった後は再び僕と守華さんは公園内を歩く。
「もう、守華さんってば……子供達が勘違いしたらどうするんですか……」
「そん時はそん時でしょー」
並んで歩く守華さんは誤解されても全然良いのか、笑っていた。
「それとも勘違いされるのって神兎君は嫌?」
「全然嫌じゃないです! むしろ嬉しいというか光栄な方で……!」
僕は守華さんから、そういう関係に見られるのが嫌なのかと誤解をされたので全力で否定。
それが後になって恥ずかしくなり、顔が赤くなって何も言えなくなる。
「へへ、あたしも嬉しいかなー。そう見られるのって」
ギュッ
そう言うと守華さんの左手が僕の右手を握って、2人で手を繋いだ状態に。
「え、守華先輩……!?」
「そういう感じで行ってみて良いじゃん、公園同士でこうやって歩いてさ♪」
恋人ごっこみたいな感じかな……?
でも守華さん楽しそうだし、まるで本当にデートみたいな気分になってくる。
した事は無いけど多分こんな感じだよね恋人同士って。
もう少しこの時間が続けば良いな、と願いながら僕は公園内を歩く。
僕と守華さんの繋がれた手は、しっかり繋いだままだ。
守華Side
子供達から神兎君とあたし、そういう仲に見られてるんだ〜!
つまりそれベストカップルって事で良いよね?恋人確定で将来過ごして結婚まで突っ走れるって事で良い?
自然な流れで神兎君と手を繋いでるし、彼の手はちっちゃくて柔らかく暖かかった。
繋いだ彼の手をずっと離したくない。
このまま繋ぎ続けて彼と過ごし続ける時間が最高過ぎる!
もうデート万歳、公園万歳、子供達ナイスアシストでMVPをあげたいよ!
こういう感じになったから、あの女達との差は相当開いただろうし、余裕な感じを見せていた男前先輩にも負けないから。
教えてくれたお姉ちゃんには感謝するけど、それとこれとは話が別。
神兎君はお姉ちゃん相手でもぜ〜ったい渡さないんだからね!!
神兎と守華は見知らぬ町をデート感覚で楽しみ、時間までに2人はゲームセンターやカラオケにファミレスと巡って1日を過ごす。
翌日、物凄い晴れやかな笑顔で部活をする守護神に神兎を狙うライバル達は、何かあったなと彼が関わる事に関して勘の鋭さを働かせる。
影で相変わらず争奪戦が行われながら、インターハイの東京予選の準決勝が迫っていた……。




