同級生の交流
今日はインターハイ東京予選の3回戦が始まる為、恋風女子サッカー部は会場に勢揃いしていた。
僕は何時も通りロッカールームで、アップ前の選手達へ情報を伝える。
「3回戦の相手は旗本高校。此処まで2戦連続で1ー0と、2試合連続無失点で勝ち上がってる守備の優れたチームで全員攻撃、全員守備を目指すサッカースタイルで戦い、攻守の切り替えが速いです」
「数的優位で負けないようにしないとね」
「というか今日も情報感謝だよ神兎君♪」
僕の調べた情報を伝えた後、咲月先輩が気を引き締める隣で守華先輩が僕を見て、片目を閉じてのウインクにドキッとしてしまう。
「いえ、ま……マネージャーとして当然の事ですから……!」
顔が熱くなりながらも、僕はそう言って仕事に向かった。
「小平君、何時も君が情報収集してるんですか?」
「え? うん、そうだよ。他の皆は練習で忙しかったり試合の疲れとかあるから、そういうのは僕がやって負担を軽くしないと」
チームがフィールドでアップをしていて、僕が何時も通り飲み物やタオルの準備を進める時、真理華さんが話しかけてくる。
彼女は今日の試合でスタメンにはならずベンチスタート。
まずは公式戦でのチーム全体の動きを改めて見てもらう為だ。
「マネージャーは小平君だけです。君の負担が大きいのでは?」
「大丈夫だよ、サッカー経験者で体力には自信あるからね」
心配されたのか真理華さんから僕の仕事量が多い事を言われるけど、僕自身は辛いと思ってないから平気。
「元々このサッカー部って、この前まで廃部寸前だったし人が多く集まってないから、マネージャーやる人があまりいないけど結構皆が手伝ってくれるんだ」
部活の練習で疲れてるにも関わらず、部員達(特に5人)が手伝ってくれてるから、マネージャー1人な僕もどうにかこなせてるんだと思う。
そうじゃなかったら、もう少し辛かったかもしれないかな。
「そうですか、部員の皆さんが……」
真理華さんは僕の言葉を聞いてから、考えるような仕草を見せる。
「ては、小平君の負担を軽くする為に私も手伝います。情報収集なら得意なので」
かけてる眼鏡をクイッと上げながら、真理華さんは僕の仕事を手伝うと言い出す。
「いや、そんな……皆がやってるからって無理に真理華さんまで真似する必要はないからね?」
「問題ありません。私が自分から手伝いたい、調べたいので。駄目と言われても勝手に調べますが?」
意外と頑固で押しが強いかも!?
僕が駄目と言っても本当に情報収集を勝手にやりそうだからなぁ……だとしたら許可した方が良いのかもね。
「分かったよ、頼らせてもらうね」
「お任せください」
礼儀正しく頭を下げられると、僕もつい頭を下げてしまう。
守華Side
さっきからベンチの方で、神兎君と新人の1年が結構話し込んでいるのが見える。
同じ1年だから話しやすいってだけだよね?特別な関係とか、そういうのは無いよね?
守神真理華とか言ったか……あの円帝の監督と司令塔と家族で、何か育ちの良さそうなお嬢様って雰囲気がするなぁ。
というか話す時間長いし、1年女子は中々離れようとしない。
それどころか一緒に準備を手伝っている。
うん、あれは何か強力なライバルになりそう!
それに何となくだけど、あの子も危険な感じするから注意しておかないとね。
というか控えの立場を利用して、神兎君とイチャつかないでしょうねぇ……!?
あたしは込み上げられてくる怒りを力に変えて、目の前の相手と向き合う事にする。
サッカープレーヤーとして試合に集中しないと!
旗本高校は前半から攻撃的に攻めていったが、張り切っている守華が飛び出してボールをキャッチしたりと、相手からすれば迫力あるプレーで守ってくる。
攻撃を通さず攻めあぐねてきた相手に守華のロングキックから中盤をすっ飛ばし、前線の狼憐に届くと男子サッカーの速攻を思わせるカウンターが炸裂。
狼憐の単独突破から右足によるゴールと、3試合連続ゴールを達成した。
その後も莉音、花音の阿佐護姉妹が決めて3ー0で勝利し、大型新人の守神真理華は温存されたまま準々決勝に進出する。
恋風3ー0旗本
狼憐
莉音
花音
マン・オブ・ザ・マッチ
守矢咲月




