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ラブ・ガーディアンズ 〜ヤンデレ女子達はサッカーで連係したり1人の男子を取り合う!  作者: イーグル


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28/30

女子に囲まれた状態で夕飯

「で、偶然会っちゃってさぁ〜。どうせなら皆で行こうってなってこうなったんだよね〜」


「そうそう、あたしらだけのはずだったのに。偶然って怖いなぁ〜」


 僕の家は今、リビングで5人の女子達が来ていて甘く華やかな香りが広がっていく。


 莉音先輩、花音先輩から事情を聞けば偶然会って僕の家に行くと聞けば、そのままくっついて来たらしい。


 来るなら言ってくれれば良いのに、ドッキリとかサプライズを狙ったのかな。


「神兎君の家、結構広くて片付いてるよねー。男子は部屋を散らかしがちって聞いてるけど」


「ちゃんとしていて良いな。俺の所より綺麗だぞ」


「あはは……」


 リビングにある椅子やソファーに腰掛ける守華先輩、狼憐先輩に言われて僕は苦笑いを見せるしかない。


 女子が部屋に来ると聞いたから、家に帰ってすぐ掃除機を起動させたり部屋を片付けたりした……なんて言えないよね。


「というかどうしよう? こんないるんじゃ、あたし達の持って来た料理全然足りないよ」


「うん、6人じゃ秒で終わっちゃうだろうし」


 双子の先輩が持ってきてくれたのは、ご飯やミートボールといったお弁当にも入っていた美味しそうな物ばかり。


 それをタッパーに入れて持ってきてくれたんだ。


 確かに高校生6人もいたら物足りない。


「じゃ、あたし自分のはマッハイートで頼んじゃうよ。気にしないでー♪」


「なら俺もそうするか」


「……私も……」


 すると3人は一斉にスマホのアプリを使って出前を取っていく。


 マッハイートは早めに食べ物を届けてくれる便利な出前アプリで、僕も活用している。


 夕飯はこの5人で一緒に食べる事が確定みたいだ。


「(でも、此処だと1人で何時も食べてたから……こういう賑やかなのも良いかな)」


 最後に親と一緒に食事を共にしたのは年末辺りで、後は家で1人の食事ばかり。


 新鮮な光景を前に僕は少し楽しくなってくる。


 ☆


「最近の日本、こういうお笑いの人が来てるんだなぁ。シュートスナイパーとか全然分かんないけど」


「俺もそんな見ないから詳しくない」


「……トップメンズの曲は好き」


「ああ〜、良いですね! 派手なダンスもあって注目の男性アイドルですし、女子の間で人気急上昇してますから!」


「リーダーの赤羽っていうのが特に──」


 僕は今、皆に囲まれながら夕飯を食べている。


 ミートボールや白米をお裾分けしてもらうだけじゃなく、守華先輩のピザやポテト、狼憐先輩の焼肉弁当、月夜先輩のカレーまで分けてもらい、気づけば僕の食事は凄く豪華になっていた。


 皆が話してる話題は何となく知ってるぐらいで、食べながら相槌を打つ。


 というか今さらだけど、僕の家で5人の女子に囲まれて一緒にご飯って凄い事だよね……!?


「あはは、結構面白いじゃん! 顔とかタイプじゃないけど〜」


 守華先輩は家のテレビを見ながらピザやポテトをつまんでいる。


 私服は半袖の青いシャツに緑のショートパンツと、春の今にしては薄着だった。


「そうか? イマイチな気がする」


 既にお弁当を食べ終えて、守華先輩とテレビを見ている狼憐先輩。


 私服は黒い上着に白いシャツにジーンズと、格好良く着こなしている。


「……ライブは1回行った事ある……」


 月夜先輩はカレーを食べながら小声で呟くように話す。


 私服は黒いワンピースで、なんとなく月夜先輩に似合ってる気がした。


「彼、元々はサッカーやってたけどねー」


「あ〜、全国まで行ったけど負けちゃったんだっけかぁ」


 莉音先輩と花音先輩は男性アイドルの話題で盛り上がっていた。


 私服は2人ともパーカーとスカートで、莉音先輩が緑と白で花音先輩が黄色とピンクで色分けはされている。


 それぞれ普段の格好と違って魅力的に見えて、その彼女達に囲まれてるとなった時、僕の胸は高鳴っていく。


 変な事考えちゃ駄目だ……!普通に夕飯食べて交流をする目的地だから……!


「は〜、結構広いし暖かいから、あたし余裕で眠れそうかも〜」


「えー、守華が寝たら担いで帰るのめっちゃしんどいんだけど」


「いいよ? あたし泊まるから置いてってくれても」


 何気ない守華先輩と莉音先輩の会話を聞いて、僕は「え?」となった。


 聞き間違いじゃなきゃ、今泊まるとか言わなかったっけ……!?


「え、そ、それは……」


 流石に女子が男の部屋へ泊まるのは色々不味いと思う。


 そもそも明日普通に学校あるし、お泊まりセットみたいなの持ってないよね!?


「……駄目?」


「っ……!」


 お願いされるような目で見つめられ、僕の顔は熱くなると共に胸がドキッとしてしまう。


 可愛くて綺麗で、駄目と断ろうとしても言葉が出て来ない。


 代わりにすんなりと出た言葉が──。


「……お泊りして良いです……」


「やったー♪神兎君ってば優しい〜♪」


「え、そうならあたしも泊まる!」


「あたしも勿論!」


「それなら俺も一泊世話になる」


「私も……泊まりたい……」


 守華先輩に許可を出した後、続けて4人が僕の家に泊まりたいと言い出して来た。


 何でぇ!?


「え、ええと……皆さんが大丈夫なら……」


 戸惑いながらも僕は良いと言う。


 守華先輩に許可を出したのに他は駄目っていうのは不公平だし、それでトラブルになるかもしれない。


 そう自分に言い聞かせるしか僕にはなかった。


「よーし、お泊まりセットなら大丈夫! 此処からあたしん家まで近いし、すぐ戻ってくるね!」


「俺も幸い距離は離れてないし、早めに戻れる」


「あたし達も速攻準備整えて戻るし!」


「待っててねー!」


「徒歩2分……!」


 5人は一斉に一旦お泊まりセットを取りに行く為、家を出て行った。


 先程まで騒がしかったリビングに、嵐が過ぎ去ったような静けさが訪れる。


「ど……どうしよ……!?」


 僕は困惑したまま彼女達が戻るのを待つしかない。


 ☆


「守華、あんた抜け駆けは絶対許さないからね!?」


「自分だけ泊まりとかさせないし!」


「あんな1人だけのチャンス、逃す訳ないじゃん! 大人しく帰ってくれれば良かったのに……!」


 マンションのエレベーター内で5人の女子が乗って1階へ向かう時、双子の姉妹と守華が言い合う。


 神兎の前では争う心を隠して仲の良さを演じ、不安にさせないよう努めていた。


 強過ぎる彼への気持ちが、それを可能とさせる。


「全く、急に泊まるとか言い出した時は驚いたぞ。……おかげでこっちも神兎の家で一晩世話になる事となったけどな」


 軽く溜息をつきつつ、狼憐は内心で神兎の家に泊まれると心躍るばかり。


「……速攻で帰ってくる……」


 月夜は真っ先に自分が戻って来て、1分1秒でも長く神兎と2人きりでいたいと静かに企む。


 5人の歪んだ想いが渦巻くエレベーターは彼女達を地上へ運んでいった。

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