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狂戟  作者: フェルナンド
3/7

【3話 地の獄と災禍】

これは数十年も以前の歴史である,当時東側の国では戦争が勃発していた,銃剣火器,ガス核兵器,

使えるものすべてを使った意地の張り合いである。


当時傭兵のおじさんが傭兵業を営む以前,国に

徴兵されて間もない頃だった,その頃のおじさんにはお腹に孕った奥さんがいた。


「言ってくるよ愛しのジュリー,チュ」


傭兵のおじさはそう言って奥さんにキスをした。


「愛してるは,生きて帰って来てねエリオット,

パパ帰って来てね〜ってきっとこの子も言ってるわよ」


「あはは,そうだね,,,必ず戦争が終わったら直行する,だから子供は,頼んだよジュリー」


「,,,えぇ」


こうしてエリオット[傭兵のおじさん]は軍の基地に向かった。


「整れーーーつ!番ごーーーう!」


「1!」

「2!」

「3!」

「4!」

「5!」


,,,全員が数え終わる。


「1号OK,2号OK,3号OK,,,40号OK,組みは皆揃い総勢4万人揃いました,指揮を」


するとグラサンを掛けた偉そうな奴がメガホンを構えスイッチを入れる。


「え〜これより戦闘訓練を開始する」


「これからお前らは実績と得意教科で我々が選定させて貰った役割と階級に就いて貰う」


こうしてエリオットは,歩兵部隊の1員として

教官の訓練を受けることと成る。


その訓練内容は非常に過去なものであった。


「お前らの親はクズだな!お前らみたいなクズを

産んだんだからなぁ!」


悪質な暴言を吐かれ鞭で叩かれるのだ,言われたことを率直に行い続ける,ただそれだけだがその

やることが過酷なのだ。


「オラオラしっかり這いつくばえ泥水啜ってでも進め!」


「サーイエッサー!」

「サーイエッサー!」

「サーイエッサー!」


網の下を這い進んだり足元の悪い山道を1時間以内に山頂に辿り着き基地に戻ったり,基礎鍛錬ではスクワット,腹筋,背筋,腕立て伏せなど自重トレーニングすべて1000回行い10セット

ループして一人でも怠れば初めからやり直す。


一蓮托生と連帯責任は集団の負の繋がりを強めた,技術訓練では実践CQCで模擬白兵戦を行いナイフや銃などに対応する技術やナイフや銃を扱う術を学ぶ。


「はぁ!」


「ぐは⁉︎」


エリオットは対戦相手を地に叩きつけた。


「重心移動を読む,瞬間的な手首の制御,微妙な距離感の調整,基礎的なものだがここも重要なものだ」


「あぁ,ありがとうエリオット」


雨風を凌ぎ,どんな環境や天候でもより合理的かつ完璧に任務を実行出来るようにどんな悪天候でも訓練を行い,重りを付けながら訓練を行ったりした。


「ジュリー,,,愛息子,早く会いたいよ」


そこから沢山の任務が与えられ,号で向かい,

自国の民を助け,仲間と絆を深め協力の重要性を

真髄に刻んだ。


幾年も戦争に向けて鍛えられ半ば命を落とす者を出しながら過酷な訓練を終えた総勢2万人の

精鋭が揃った。


「これより宣戦布告をする!配置につけ!」


「ゴクリ」


ロケットペンダントに入るウェディングドレスの妻の写真を見る。


「待っていておくれジュリー」


決意を完全に固めたエリオットは銃を強く握り締めた。


「我々アスカトラに栄光あれ!突撃ぃぃぃ!!!」


総司令が命を叫んだ。


「うぉぉぉ!」


その日は雪が降っていた。


「あぁぁぁ!」


綺麗な雪景色は時間と共に真っ赤に染まった,多量の血飛沫に底なしの闇を見た。


バン!バンバン!控えは土を掘り袋を配置した簡易的なシェルターで武器を磨き飯を作る。


「が⁉︎」


エリオットの心臓部と頭に銃弾が当たる。


「ガハ!」


防弾チョッキとヘルメットを貫通していた。


その瞬間,走馬灯が見えた。


「マザー,ファザー,ブラザー,,,幼馴染のジェリー,,,」


一瞬にして自分の人生が集約していた,,,。


それから7時間後,一時休戦となり,自陣地に仲間の死体が運び込まれる,死体安置所にエリオットは運ばれた,,,だが。


「は!,,,」


エリオットは目を覚ます。


「うわぁ⁉︎死体が⁉︎ってエリオット,生きていたのか!」


「こ,これは」


心臓に当たっていたと思われていた弾丸はペンダントに止められていた。


頭を狙撃されて脳の一部が飛散してはいたが

数%,まだ支障の出ないレベルではあった。


「エリオット?おーい,エリオット」


「負けること死ぬことなど許されない,俺は生きて家族の元に帰るのだぁ!」


「うわぁ⁉︎」


すると銃を持ち剣を背負ったそこには,狂気を

纏う男がそこにはいた。


「ガァァァ!」


「ギャァァァ⁉︎」


兵器や機関銃を掻い潜り腕がもげようが敵に

喰らい付き,四つの大隊を単独で殺戮し尽くした

男がいた。


「ギャァァァ」


「ウガァァァ」


武器が壊れたなら相手から奪えば良い,床から拾えば良い,ないなら噛み付いて殺すだけだと,今に至るまで斬りすぎて剣は粉々に,銃はベコベコに,捨てては広いないなら噛み殺してきた。


「あのお方は,,,一体」


その狂烈[イカレ]ている神懸り的な様,荒れ狂い,猛るその姿見を見て,フェンス越しにこちらを観るしか出来ない。


当時デセンドラに支配されていた植民地の者等が闘争の化身,《大凶暴狂乱/ベルセルク》っと,北欧神話に登場する異能の戦士の名を冠して

呼び,奴隷解放と同時にエリオットは神格化されていた。


こうして戦争で活躍したエリオットには沢山の勲章が授与され,22年の戦争に終止符を打った

英雄として教科書に名前を綴られた。


正史,アスカトラ国家と植民地,対するデセンドラ帝国との戦争は22年間続いた,その間デセンドラは生存者は約2800人,アスカトラは約3000人弱と言う人数にまで減っていた。


「早く,早く!」


そそくさと色々済ませて有名なケーキと


白や紫,青色の花言葉を持つ花を選ぶと尊敬,感謝,永遠の愛といった意味が込められていると

見て,素敵な意味や愛を込めた100の花で構成

された花束を抱えて家に向かった。


だがしかしこれが最愛の家族と最初で最後に

成るとは思いもしなかった。


「ジュリー!」


「あなた!」


迎えに来た妻と成人を迎えている息子の顔を見る。


「父さん」


「息子か,,,大きくなったな」


3人は泣きながらハグをした,グラァァット何か地響きに近い擦るような俺がする。


「なんだ⁉︎」


危機を察知したエリオットは息子と妻を庇うようにして伏せる,そして。


「危なーい!」


戦争中に被害を受けて建て壊し予定であった民家から屋根がぶち折れて降って来たのだ。


質量と体積から推定して約1300kgはあるだろう屋根と二階床の質量に押し潰されながらなんとか家族を生かそうと耐えようと頑張る。


「あが⁉︎っっっガァァァ!」


気が抜けていたのだ,,,。


「大丈夫かジュ,,,りぃ」


目の前にはぐしゃぐしゃの息子と妻の姿であった,それもそうだろう,戦争で鍛えられた鋼の肉体と強い意志があって全身全霊を出してやっと

退かせるほどの質量,耐え切れるはずは無かったのだ。


「誰か救急車!救急車ぁぁぁ!いや,俺が運んだほうがはやい!」


こうして少しずつ冷たく成る二人の身体を抱えて全身全霊で一番近くの病院に駆け込んだ。


,,,数時間が経過して判断された。


「お二人はもう」


頭を撃ち抜かれたってこうはならない,鋼のメンタルは簡単にぼろぼろに打ち壊された。


「アァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァガァァァ!」


バゴーン!拳で病院の壁をぶち抜く。


「落ち着いてくださいエリオットさん!」


「ガァァァ!,,,」


何かを悟ったように落ち着いく。


「?」


「,,,」


虚な目をして俯いた彼はゆっくりとどこかに

歩き出した,壊れかけのエリオットは自身の家に帰りジュリーや息子のものを見つめていた。


「親としてやれたこと何もながっだ!何故だ!」


バンバン!デスクを叩く。


「どうして,なんだよ,,,」


頭を突っ伏して目からは雫がこぼれ落ちていた

,,,頭を揺らしすぎた彼は壊れてしまった。


「貢献,技術,貢献,技術,,,後継」


こうして彼は傭兵として新たに組織を設立することと成るのだ。


「あら,ありがとうねぇ」


「,,,」


「(なんだか無口で不気味な子ねぇ)」


各地を転々とし仲間を作りながら人を助けて才能を持つ人を探し続けた,,,諦めかけていた。


「誰もいない,か」


そうして最後に辿り着いた場所が日本であった, 傭兵業も殆ど手を付けず,元と言うべき傭兵だった。


家族の後を追おうとあまり一目に映らぬ死に場所を求めていた。


「,,,」


そして眺めのいい場所で出会った子供こそが,,,

結城[捨て子]であった。

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