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F4 P1を目指して。  作者: 銀乃矢
F110CUP編
6/44

第5話「試験」

翌週…

「安住社長、どこにいるんだろう。」

工場の前で待ち合わせをすることになっていたが、一向に来ない。


「おーい、大野くーん!」

「あ!社長!」


なんと社長はクルマを載せる積載車を運転してきた。

そして、すでにその荷台にはF4のマシンが載せられていた。


「ささ、乗って乗って。筑波まで行くよ」

「お願いします」



高速道路に入る。


「他のメカニックたちはみんな先に筑波に向かっているから大丈夫だよ。」

「そうなんですね。社長が迎えに来た時、社長しかいなかったからどうしたんだろうって、思ってたんですよ。」





「大野くんは、レースで何を目指したいんだ?」

「僕は、レースしたことないんですけど、いずれはスーパーGTに行きたいって思っています。」

「おぉ!スーパーGT!俺も一回考えたんだよ。出られないかなぁって。」

「そうなんですか!」

「ただ、F4より金がかかりすぎて諦めたけどね。」


「もしかして、チームとして出ようとしたんですか?」

「そう。車両の購入まで話は進んだんだけどね。さすがに採算がとれないって、会計担当に止められたよ。」

「でも、諦めきれなくて、なにか可能性はないか、って探していたら参戦コストが低いF4を見つけたんだ。」

「低いって言っても、1000万でしたっけ?1年間出るのに必要なの。」

「いや、ちょっと物価高とかもあって2000万くらいになってきてる。」

「ひゃ〜。」



しばらく談笑していると、筑波サーキットが見えてきた。

「さぁて、ついたよ。」


パドックに入ると、先に来ていたメカニックたちが誘導してくれる。



すぐにマシンを降ろし始める。


「このあと、9時から走行枠がオープンになる。それまでは私がこのマシンについて色々教えていこう。ステアリングとかスイッチたくさんついてるからな。」






諸々の説明が終わる。


「さぁ、あと少しで走行開始だ。今日の目標は1分…そうだな…1分5秒くらいだな。」

「速くないですか?僕、このクルマ、今日が初めてなんですよ?」

「平気、平気。俺も最初心配だったけど、意外と行けたから。」

「じゃあ、その言葉信じますよ?」


「あぁ、きっとクリアできる。」



そうして、瀬成は初めて、F4で走り出した。

その姿は少しぎこちなかったが。



「ハンドル重っ!ブレーペダルも重すぎ!」

フォーミュラカーは必要最低限の装備以外は取り外されている。

特に、運転をアシストするパワステ、ABSなどは取り外されている。


「でも…この走らせ方、楽しい!」


彼はF4の走らせ方を見つけ、楽しんでいるようだった。



「…社長、彼、本当に才能あるかもしれないですよ。」

そう言って安住にストップウォッチを差し出す。

「…!?」


そこに表示されていたのは


「58秒…295…」


そう、瀬成はいきなり、筑波サーキットで1分切りを達成してみせたのだ。

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