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F4 P1を目指して。  作者: 銀乃矢
FIA-F4編
41/44

第37話「P1」

ファイナルラップ。


「これが最後の1周。だからってなにか意識するわけでもない。」


ただ着実に90号車をフィニッシュラインまで運ぶ。



最終コーナーを抜けるとフィニッシュラインまでまっしぐら。



白黒のチェック柄の旗が振られているのが見えた。



その旗の下を90号車が1番に通過する。



「やったぁー!1位だ!1位だ!」


「瀬成、ついに上がってくれた。表彰台の一番高いところ…」


2台はランデブーでウィニングランをする。



そして、トップのマシンは他のマシンたちとは別の場所に誘導される。


そこには1と書かれたボードが置かれていた。


「この前に止めれば良いのかな?」


瀬成はブレーキを踏むタイミングがここでずれる。


「あ」

声が出る。

1のボードを軽く飛ばす。


ただ、この様子を見て一同笑顔になっていた。

いつもの瀬成みたいだ。


コックピットから出てきた瀬成はその場に立ち上がって1を指で表しながら、ヘルメットのバイザーを開け、最高の笑顔の目元を見せていた。



その時、別の場所に誘導されていた蓮真が駆けつける。


「瀬成、やったな」

「蓮真先輩!ついに1位取れました!」

「ほんとに、1位でゴールしてくれて嬉しいよ」

「1位の場所から見える景色、楽しんでくれ」




表彰式が始まる。


3位から順に呼ばれていく。


そして、僕の名前が呼ばれる。


最高の笑顔で表彰台の1位のところに上がる。




3人にトロフィーが手渡される。


そして、FIA-F4に来てから初めてのスパークリングファイトが始まる。


3人がボトルを手に持ち、勢いよく振る。


すると、中の炭酸が吹き出す。


2位の蓮真と3位の選手は瀬成に思いっきり炭酸をかける。

「だぁ〜!冷たいっす!」

「まだまだ〜」


秋めいてきた空の下、瀬成は目指してきた1位を手にした。


そして、それを見る蓮真はどこか寂しそうだった。

実は蓮真、ここまで表彰台に上がることはあったが今シーズン中優勝することは一度もなかったのだ。


そのため、F4復帰の年、瀬成が先に優勝したのを見て少し悔しかった。


でも、蓮真にはその先に期待していた。




怒涛の1年が終わる。


憧れてきた世界に飛び込んだ瀬成。

一度は挫折を味わった世界に戻ってきた蓮真。


2人とも、2人なりに1年を戦ってきた。


その結果がこのもてぎでのリザルトだろう。



FIA-F4最終戦モビリティリゾートもてぎ

90号車 大野瀬成 優勝(初)

91号車 織田蓮真 2位



瀬成にとっては2度目のF4シーズンが始まることも決まった。


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