第26話「抑制」
鈴鹿戦。
蓮真は持ち前の実力で4番手グリッドを確保。
しかし、対照的に瀬成は大ゴケし、20番手と下位に沈む形になった。
決勝、グリッドに38台のF4が集まる。
レーススタート。
スタート直後、3番手の颯が4番手の蓮真に対して軽く幅寄せ。
蓮真のオーバーテイクラインを潰す。
「チッ…なんだよ1番さん。そりゃねぇぜ…」
これで蓮真は1つ順位を下げる。
瀬成は後方からの追い上げを狙っていた。
「後方にいるのは言い方悪いけどタイムが良くなかった選手たち…早期決着で上位行くぞ。」
スイスイと追い上げていく90号車。
レース関係者たちは瀬成の追い上げに注目していた。
しかし、瀬成の前に立ちはだかるのはVisionの2台。
17号車、アシュリー・ジャクソンと24号車竹内葵。
「さぁ、来たわよ。」
「こっからはミーティング通り…」
2台が連携して瀬成を抑え込みにかかる。
「おわわ…すごい連携…驚いちゃった…」
「でも、蓮真先輩に教えてもらったフェイントモーションを使えば…」
アウト側にいる竹内の後ろにつく。
すると、彼のミラーには僕の姿が映る。
そのため、自然と後ろに気がそれる。
「今だ!」
自分の乗る90号車を一気にイン側に動かす。
その動きに反応した竹内は思わずイン側にラインを変更する。
しかし、すぐ隣にアシュリーがいるため、逃げ場がない。
結果、竹内は減速せざるを得ない。
そして、いきなりラインを変更してきた竹内を対処するためにアシュリーも減速をする。
その隙に一気にアウト側から2台を大外刈りのごとくオーバーテイク。
一気に2つ順位を上げた。
「よし!」
首位争いも白熱していた。
「くっ…1番のやつ、意外とやるな…場数は向こうの方が踏んでるか…でも、場数踏んでいないなりにやり方はあるんだよ…」
普通はオーバーテイクが起こらない逆バンクコーナー。
「ここまででタイヤの限界はわかった。なら…」
勢いよく1号車のアウト側にマシンを振る。
そのまま、1号車をパスし、91号車が首位へ浮上。
しかし、130Rで再び1号車が91号車をオーバーテイク。
蓮真は2位に陥落。
チェッカーフラッグが振られる。
1位で通過したのは1号車、石井颯。
2位に織田蓮真。
そこから少し離れて瀬成が16位でフィニッシュ。
「織田、また表彰台だ!お前は本当にすごいぞ!来年はもしかしたらスーパーGTとか行けるかもな!」
「ありがとうございます。」
「そして、瀬成。お前は20位からよく順位を上げた。鈴鹿という難易度の高いコースでのこのパフォーマンスはとても高評価だ。」
「ありがとうございます」
チームが撤収作業を始めたころ、瀬成は蓮真に声をかけられる。
「お前の実力を向上させるために今月末、富士スピードウェイでプライベートテストを行う。お前をもっと高いレベルに連れて行ってやる。」
「…はい」




