第2話「入社」
僕の名前は大野瀬成。
今月からある会社でバイトさせてもらうことになった。
「ここかな。」
瀬成は歩みを止める。
そこには門があり、看板がかかっていた。
そこには、安住食品と書かれていた。
中に入り、事務所に向かう。
「あの〜、すみません、今日からお世話になる大野ですが〜…」
「あ!大野さん!いらっしゃい、こっちおいで。」
事務員の人が対応してくれた。
「えっと、大野さんは食品梱包部門だね。だったらこっちだ。」
工場の中を歩くと、一つ後から建ったような小屋があった。
「あの、あの小屋ってなんですか?」
事務員が少し、驚く。
「…!?あ、あれは社長が使うトラクターが入ってるんだよ。社長、農業好きだから。」
なんか動揺してるような…
「さぁ、ここが今日から大野さんが働く梱包部門だよ。」
「ありがとうございます。」
工場の中に入ると食品衛生用の白衣などを着た社員たちが段ボールに製品を入れ、冷凍室に運び込んでいた。
「じゃあ、これを着て、さっそく仕事をしてもらおうかな。」
食品衛生用の白衣、マスク、帽子を渡される。
「はい」
着替えを終え、作業場に戻ってくる。
「瀬成さんに今日やってもらいたいのは、このコンベアを流れてくる製品を段ボールに入れてもらうもので、4個ずつ箱に入れてください。」
「わかりました。」
コンベアを流れてくる製品をどんどん箱に詰めていく。
初仕事というのは時間が流れるのが早いものだ。
「瀬成さん、お昼休みだよ。」
「あ、はい。」
昼休みに入り、工場の外で持ってきた弁当を食べる。
すると、突然けたたましいエンジン音が聞こえてきた。