第24話「襲来」
「17番のクセを掴んだなら、それを使って…」
大野はアシュリーのリアに張り付くように追いかける。
「しつこいわ、この90番…」
アシュリーも大野が乗る90号車の存在がプレッシャーになっていた。
「17番の走りが少し乱れてきた。少しずつ効いてきてる。」
17号車がコーナーに入るたびにロックアップし、タイヤからスモークが上がる。
ダンロップコーナーに2台が差し掛かる。
目の前を走る17号車がシケイン1つ目でスピンアウト。
「ラッキー。やっぱプレッシャーかかってた。これで一つ順位あがった。」
トップ3争い。
スタート直後にミスをし、順位を落とした颯が再び蓮真に襲いかかる。
「織田、お前を俺は倒す!」
左右にマシンを振り、織田を牽制してくる。
「いいぞー。その勢い、面白い。久しぶりにいいバトルできそうだ。」
ホームストレート、時速約200km/hの世界へ。
2台はサイドバイサイド。
2台の間は数センチほど。ほとんど接触している。
そのままに1コーナーへ。
イン側を走る蓮真が3位を守る。
2台はまだサイドバイサイドのままコカコーラコーナーへ。
その時、蓮真の91号車のタイヤと颯の1号車のタイヤが接触する。
はじき出された颯はそのままバリアに激突。
マシンは大破。
「あーあ、あんなに熱くなっちゃうから…」
これにより、大破した颯のマシンの回収のためにセーフティーカーが出動になった。
2周の先導の後、レース再開。
蓮真に次に襲いかかるのは24号車、國村或人。
「次はVisionのアイスボーイですかい。」
國村或人。別名アイスボーイ。
その由来はバトルでも熱くならず、冷静に決着をつけるため。
「F110CUPは退屈だったしな。こんだけの敵がいて俺は幸せだよ」
蓮真は対決を楽しんでいた。
蓮真はバトルで戦闘本能が掻き立てられるが、それでもどこか冷静な部分があるため、今まで速さを見せてきた。
しかし、石井颯には冷静になるということが足りていなかった。
結果、車間距離を見誤り、クラッシュという結果につながった。
「前のあのマシンは噂のAZUMI racing…どんなものか見せてもらいましょう…」
國村が一気に蓮真に襲いかかる。
「こいつ、意外と落ち着いているのに速いッ…でも、時には、アグレッシブなところも必要だぜ…」
すでに國村の後ろには5位のマシンが接近していた。
レース中、バトルをしていると必然的にレースペースは落ちる。
そのため、レーサーたちは早期の決着を狙うのだ。
しかし、冷静すぎる國村はリスクをとらない。
そのため、いつも優勝に届いていなかった。
「…91。僕の負けだ…。」
國村は5位のマシンにあっさりオーバーテイクされてしまった。




