第22話「ライバル」
富士スピードウェイホテル。
同じ部屋で蓮真と瀬成は過ごしていた。
「すっかり、日が落ちましたね。」
「もう真っ暗だな。」
テラスから富士スピードウェイを眺め、蓮真はゆっくりコーヒーを飲んでいた。
僕の方にもコーヒーの香りがふわっと来る。
「そういえば、瀬成。明日からライバルになるチームを伝えておくよ。こっちに来て。」
「あ、はい。」
すると、テーブルに4枚の画像が並べられる。
「同じカラーリングのF4?」
「この4台が俺達のライバルになるチームだ。」
「4台!?多くないですか?TOYOTAみたいじゃないですか」
「プライベートチームとしては多いな。大体プライベートチームでも2台くらいだな。」
ここで言うプライベートチームとは、自動車メーカーから支援を受けず、活動を行うチームのことだ。
「チーム名はVision motor sportsだ。F4の中では強豪チーム。それと、上位、中団、下位、どこにでもいることからその集団の指標になっている。」
「じゃあ、僕にとっても指標になるってことですか。」
「そうだな。あいつらが一つの指標になるから、それに合わせて走ってみてくれ。」
「わかりました。」




