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F4 P1を目指して。  作者: 銀乃矢
FIA-F4編
25/44

第21話「F4開幕」

5月、富士スピードウェイ。


「すっげぇ!僕、パドックに入ってる!」

パドックとは、レース車両を運ぶトレーラーや、ドライバーたちが待機する場所だ。


「ほらー、瀬成、置いてくぞー」

「待ってくださーい!」


F4は少し離れたところにあるテントで整備を行っている。


「これがAZUMI racingの新カラーリング…水色がきれい…」

「私が好きな色だからな。」

「前、僕が乗っていたF110はメタリックブルーでしたよね。」

「そうだな。」

「あれも好きな色なんですか?」

「あれは、俺の奥さんが好きなんだよ。当時は俺が乗っていたしな。奥さんの好きな色のマシンで走ってるのを見てほしかったんだ。」

「そうなんですね。」



「これ、車重重くなってそうですね。」

そう呟くのはマシンをまじまじと眺める蓮真。

「あぁ、安全装備とかFIAの新しいレギュレーションに合わせて改良した結果ちょっと重くなったそうだ。でも、その分、エンジンもパワーが上がってるそうだ。」

「じゃあ、僕が乗っていたF110よりはストレートとかも速くなるってことですか?」

「セッティング次第になるかもしれないが、まあ、そういうことにはなるな。」




30分後、予選開始10分前。

2名のドライバーがレーシングスーツに身を包み、ヘルメットを被り、戦闘態勢になる。

「いいか、ふたりとも。今日の目標はクルマを壊さずに持って帰ってくることだ。」

「「はい」」

「よし、行って来い。」

安住が2人の背中を叩く。


2人がマシンに乗り込む。


エンジンをかけ、テントを離れる。


「大丈夫。富士はシミュレーターで何百周もした。大丈夫、大丈夫。」



「久しぶりだな。F4。あれからもう3年くらいは経つのか。まだ、腕が錆びてないといいんだが…」


2台が1列に並んでピットレーンを進んでいく。


「ここでピットレーンリミッターを切るっと…」

ステアリングのPITのスイッチを押すとリミッターが外れる。


「うおっ。F110より確かに加速力がある…」




AZUMI racingの2台は好調に走り出した。



2台が計測ラップに入る。

「この周から計測。タイム差とか、順位は都度、サインボードでメカニックさんたちが教えてくれる。」



「瀬成、大丈夫かな。一応、後ろから様子も見てみよう。」



1コーナーを抜け、コカ・コーラコーナーに向かう。

「ここは、5速から4速、もしくはそのままブレーキを少しかけるだけ…」


しっかりと安定してコーナーに進入する。

シミュレーターの成果はあるようだ。





予選が終わり、翌日の決勝開幕を待つだけとなった。


順位は以下の通りだ。

90号車 大野 8位

91号車 織田 5位


関係者はこの結果に驚いていたが、一部からは気に入られていない結果だった。

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