第18話「渡欧」
参戦資金が少なくなった俺は海外に活路を見出し、ヨーロッパに渡った。
「これからよろしくお願いします。」
「こちらこそよろしくお願いします。今年1年楽しみにしているよ。」
ヨーロッパのレベルの高さを開幕戦から味わった。
「こんなバトルもありかよ。」
日本とレーススタイルが違い、初戦から苦労した。
初戦は21台中19位。
最初だから、まだやれることはある。そうみんな言ってくれた。
でも、日が経つにつれ、チーム内での自分の立場は危うくなってきた。
シリーズ第5戦で一度だけ5位に入り、ポイントを獲得することができた。
ただ、俺の居場所はなくなりつつあった。
マシンも粗悪品に乗らされ、ご飯もほかより悪いものが渡され。
勝負からは遠ざかっている気分だった。
最終戦では、今年1年のまとめとして結果が求められたが、他車と接触し、リタイアとなった。
その後、俺に告げられたのは…
「レンマ、お前には今年いっぱいで離脱してもらう。」
「…わかりました。お世話になりました。」
俺は欧州の舞台からも離れることになった。
そうして、本格的に資金もなくなった俺はF4はおろか、レースの世界から離れることになった。
それで今は安住食品でメカニック兼従業員として働いている。
結果、欧州に行ってよかったのかもしれない。
今はレースに出たいという思いはない。
そう思っていたんだがな…




