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第17話「撤退」
あれから時は流れ、残り3戦となった。
「え…?チームを撤退させる?」
「もう、資金的に辛いんだ。うちのメインスポンサーももう契約を切るって言い出してな。」
「で、でも、最終戦までは戦えますよね…?」
チーム代表は首を横に振る。
「も…もうレース出られないんですか?」
「本当に申し訳ない。」
残り3戦を残して、IPモータースポーツは撤退という道を選んだ。
俺はすぐに来年のシートを探した。
F4のチームには総当りだった。
特にデビューを支えたBear's racingにはアピールし続けた。
しかし、すでに契約は決定済み。
どこのチームもそうだった。
上位カテゴリーのF3などの可能性も模索したが、資金的に参戦は不可能。
そして、俺は欧州に渡ることを決意する。




