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世界が変革した日

「ねぇ、もしもだよ?私と世界どちらか選ばなければいけないって言われたらどっちを選ぶ?」


並んで歩く幼馴染の彼女にふとそんなことを言われた。

正直規模が大きすぎて全く想像がつかなかった。

だから少し笑いながら茶化すように返答した。


「なにそれ、スケールでかすぎない?」

「えーでもさ、明日何が起きるかなんて誰にもわかならくない?」

「明日は普通に学校だし天気予報では晴れでしょ?」

「もーそんなこと言ってるんじゃないの!それこそ急に大きな地震が起きて世界が混乱に陥るかもしれないし、津波が発生してたくさんの人がなくなるかもしれないんだよ?」

「それは確かにわからないけど……。」

「でしょ?そしたら最初の質問も少しは現実味を帯びてこない?」

「いや、全く。」

「もーなんでさ!!全く、みー君はロマンがないなぁ。」


そういって彼女は不貞腐れたように頬を膨らませる。


「それはごめん、でもさ想像つかないものはつかないんだから仕方ないだろ。」

「はぁ、そこは想像云々よりも迷わず私って答えて欲しかったんだけどなぁ。」

「そんな照れくさいこと言えるわけないだろ。」

「えぇー明日で付き合って3年だよ?そろそろデレてくれてもいいと思うんだけど。」

「そんな日はそうそう訪れないよ。」

「けちー!」

「はいはい。」


今日もこうして他愛もない話をして僕と彼女は帰路につく。

これは中学卒業前にお互いの気持ちを伝えあい付き合うことになった僕ら

平凡な男子高校生——七瀬水月(ななせみつき)

平凡な女子高校生——篠田舞華(しのだまいか)

の非日常が現実となった世界に抗う物語。







世界変革まであと——6時間。






それから5時間———



僕は今スマホを片手にベッドの上で本を読んでいた。

お風呂とご飯を済ませて課題も終わらせると、見計らったかのように舞華から電話がかかってきたのだ。

それからというもの2時間程は話に付き合っていたのだった。


『ねえねえ、今日はなんだか眠くないんだけどもうちょっと話せない?』

「明日の学校どうするんだよ。そろそろ寝ないとまた授業中に寝て怒られるぞ。」

『えー、ほんとみー君はケチだなぁ。()()()()()()寂しい私の気持ちに寄り添ってくれてもいいと思うんだけどなぁ。』

「……ったく、もう少しだけだぞ?」

『わーい!みー君大好き!』

「はいはい。」


彼女は現在一人暮らしをしている。

家族の残した家にただ一人住み続けているのだ。

両親と兄は揃って海外へ移住したのだが、彼女はどうしてもここに残ると駄々をこねて一人暮らしの許しを得たのだ。

……本音を言うと彼女は加速の皆でここに残りたかったそうだ。

普段は全くそういったことは言わないのだが、彼女がどうしようもなく寂しがっている時はいつも決まって自分の身の上を盾にしてくる。

正直卑怯だとは思わなくもないが、あまり気にしない。

これも惚れた弱みというやつなのだろうか。

こんなこと思っても、絶対に口には出さない。

彼女が調子に乗ると本当に厄介なのは身に染みてわかっているからだ。


そうして話していると時計は秒針を刻み、間もなく12時を指し示す。


「そろそろ日を跨ぐし寝ようか。」

『えーもう少しだけ!あと5分!!』

「だめ、そういってずるずる引きずるのは目に見えてるんだからさ。」

『むーケチ!』

「こうしてぎりぎりまで付き合ってくれた彼氏にいうことかねぇ。」

『うそうそ、ごめん。ありがとうね!』

「全く、調子のいいんだから。」

『えへへ……それじゃ』

「うん、おやす―」


真夜中に12時の鐘が鳴り響く。


『え、何この鐘の音……』

「何かのサイレン、って割には聞きなれてる曲だけど……。」


外を見ると道行く人は周りを見渡し、暗くなっていた家の明かりがどんどん点いていくのが目に見えてわかる。


「これは、何かおかしい?」

『ね、ねえみー君なんか身体がおかしいよっ!?』

「舞華、どうしたんだ!?」

『たす、けて―』

「舞華っ舞華!!」


そうして長時間繋いでいた通話が切断される。

僕はどうしようもない不安に駆られて急いでコートを羽織り、玄関へと向かう。


「水月、どうしたの?」

「なんか舞華が大変らしいから今から様子見てくる。」

「こんな夜遅くに危なくない!?」

「わかってる。でも行かないと。母さん達は絶対に外に出ないでよ。——行ってきます。」

「ちょっと水月、待ちなさい!?」


母さんの制止を振り切り、僕は夜道を駆けていく。

彼女の家は僕の家からそこまで離れていない。

せいぜい走って5分ほどの距離だ。

間もなくして彼女の家に辿り着く。

渡されていた合鍵を使って家へと入っていく。


「舞華、どこだ!?」

「みー、君?」

「舞、華その姿は……。」


彼女の部屋まで行くと宙に浮いた液晶画面を見ながらうずくまっている人影を見つけた。

それが舞華であることにはすぐに気が付いた。

しかしその背中には―


「あはは、私どうも人間じゃなくなったみたい……。」


涙を浮かべてこちらを見る彼女には蝙蝠のような翼が生えていたのだった。





☆★☆★☆★☆★☆★


篠田舞華≪シノダマイカ≫

性別:女

種族:???➡人間

職業:未設定

Lv:1

特性:なし


HP:???➡500

MP:???➡100

STR:???➡60

INT:???➡300

DEF:???➡100

AGI:???➡200


SKILL:擬装(ステータスを➡のように偽る。)、???、???

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