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人間が怖い吸血鬼  作者: り~どら
新しい世界編
10/11

立ち向かう

遅くなって申し訳ないです…

インターネットの回線が狂ってて色々環境とかを整えてたんです…


短いのは次の展開と区切るためです


今回は戦闘場面で色々あるので三人称視点みたいな感じで書きました

楽しんで読んでくれると幸いです(^▽^)

ムイラは今、なぜか冷静でいられる。

でも、人間に対して凄く狂っていると感じていて、怒りも凄くある。いや、もしかしたらその感情が恐怖を抑えつけているのかもしれない。

それに、シアナがほとんど全部のヘイトを貰い受けているから、というのもあるのだろう。


でも本質は人間に対して最大級の恐怖を覚えている。人間を視認したとき、その人間がこっちを見るかもしれない。目が合って、あの恐い眼が自分を見るかもしれない。それが怖くて氷の壁の中で下を向いている。


シアナは、あの門番と睨み合っている。もちろん周りの観察もしながらだ。密かに何かを準備しているかもしれないし、暗殺のようなことをするかもしれない。警戒は怠らないし、油断もしない。


「はぁ?なんだ、かかってこないのか?だったらこっちから行かせてもらうぞ?」


門番は、攻撃を仕掛けてこないシアナに落胆したが、シアナに攻撃を開始する。居合わせていた僧侶は咄嗟に後ろに下がる。


「っ!」


その門番は剣を構えた瞬間、シアナの目の前まで距離を詰めた。大柄で素早そうには見えなかったのだが、その予想以上のスピードにシアナは驚いた。


「(重いっ!)」


咄嗟にシアナは剣を構えたが、相当な威力の切り掛かりに、退くしかなかった。

氷で作られた剣には大きく罅が入っていた。

剣を創り変えて次の展開に備える。やはり素早いようで、剣を創り変えたらもうそいつは近くにいた。後ろに下がることでそいつの剣を避ける。

氷の壁を貼り、前からの攻撃を遮断して後ろに下がりながら氷の刃を大量に発生させる。そして門番に向かってそれを投げつける。ほとんどを投げて、残った5本を要所で使う用に残しておく。


大柄なのもあって、避け切ることはできなかったようだ。肩に一本刺さり、腕には擦り傷が付いている。


「そうこなくっちゃ」


刺さった氷の刃を抜いて、投げつけてくる。シアナは、体の軸はそのままに、体を傾けることで無駄な動き無く素早く避けたのだが、相当なスピードで投げられたことで、シアナの銀髪を大きく揺らすほどの風が巻き起こった。


氷の壁は一撃で破壊され、シアナの後ろにはもう門番がいた。門番の剣だけは絶対に避けたいシアナは、剣の攻撃を残していた氷の刃を犠牲に軌道をずらして避けれたが、強力な蹴りを諸に受ける。


「うっ…」


そのまま木に激突し、シアナは地面に膝をつき、剣を杖代わりにする。門番はそこに追撃を仕掛けてくる。

追撃してくるだろうと思ったシアナは痛みを我慢してそこから逃げて、ムイラのところに戻る。


「(何かの魔力の流れを感じる…もしかしたら超強力な魔法を打つつもりかもしれない)」


シアナは付近の魔力の流れがおかしいことに気づき、その原因を探したいが、門番との戦闘で手一杯だ。


「もうお前らは終わりなんだよ」


門番は嘲笑しながらそう言う。

だが、シアナは諦めない。諦めてしまったら、待つのは死のみだから。


小さな氷の塊をあたりに出現させる。ムイラを守っていた氷の壁すらその小さな氷の塊に変えた。

それを周辺に拡散させると、何かをする前に始末しようとして来た門番が動き出す。

氷の塊を避けることを想定して、来るだろう場所に氷の剣を突き出す。


「!?」

「お前のような魔族が、頭を使った戦法を…使うとは、な…」


氷の剣は門番の心臓を貫いた。


森の奥に居たらしい僧侶が驚いた顔で出てくる。


「まさか…あの者が負けるとは…」

「聖属性の加護を与えたのにも関わらず、魔族に負けるなど…」


この僧侶は全く魔族のことを分かっていない。魔族は魔族でも、ムイラのような闇属性の魔族には聖属性は有効打だが、シアナのような闇属性でない魔族にはあまり意味がない。


魔族は全員悪魔のような心を持つ者ではない。なんだったら悪魔のような魔族の方が珍しいくらいだ。


「シアナさん…大丈夫なの…?」


ムイラが心配の声色でシアナに問いかける。


「魔力も結構使ったし、体も痛いけど、なんだか大丈夫だよ」


シアナはムイラの方を見ずに答える。

ムイラは木漏れ日で少し体が溶けて来ている。だが、その痛みを忘れるほど人間に対して恐怖を感じている。


氷の塊を僧侶の方に集めて氷の塊から氷の光線を放出する。

氷の塊の数は相当な数ある。つまり氷の光線も相当な数あり、それを僧侶の方に放出されたのだ。流石に僧侶は避けられないだろうし、防げないだろう。


実際、僧侶は体の大半を貫かれ見るに堪えない姿になっている。


そこにもう一人の門番が来る。


「おい、こんなに酷い死に方あるかよ」

「お前ら、やっぱり最悪な奴らだな」


「正当防衛だよ、襲って来たのはあんたらの方じゃないか」


結局は殺し合うだろう状態の中では無駄とも思えるやりとりをすると、門番の方が、醜く見えるほど表情を歪ませ、怒りをわかりやすく露わにする。


「お前らは生きているべきではない」


これはただの感情の一方通行だ。

だが、人間の感情というものは想像以上の力を発揮するものだ。シアナはそれを今から体感することになる。

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