1番美味しくしてくれる調味料とは?
「4点!5点!6点!6点!5点!合計26点!」
「クソ〜悔しい!俺もまだまだ修行が足りない!」
「次のもの!」
「これは、オークの肉を使った、スペアリブでございます」
会場中に広がる美味しそうな匂いが届いた
「うむ、肉はちゃんと柔らかくなっておるな」
「うーむ!肉を切ったら!この肉汁素晴らしい」
「美味い!」
そして、審判が点数を上げた
「6点!6点!7点!5点!4点!合計28点だ!」
そしてどんどん点数を渡されて今の所最高点数は38点
そして、次はシンヤの番だ
会場の役員がシンヤを、呼んだ
「シンヤ選手料理の準備を」
「ん、」
シンヤは立ち上がりキッチンに立った
さて、何を作ろうかな。米、肉はオークの肉にしよう。審判の奴らもそろそろ腹が膨れて来てるだろう。ここはお腹に軽い料理がいいな。
なら、さっき最後に作ったリゾットにしようか。
シンヤはオーク肉ブロックを取り出し。これは昨日から塩と胡椒もみこみ、熟成したものだ。本来ならまだ熟成させた方が良いがこれはしょうがない。
フライパンを取り出しコンロに温めた、温めたフライパンにオイルをしき切り取ったベーコンを炒めた。牛乳を入れて時間が経ったらそこにチーズを入れて溶かす。ご飯を入れて30〜40秒程火を止めた。再びを火をつけて長めに煮た、塩胡椒を軽く振ってここに隠し味をいれた。
もう一度火を止めて卵を溶き入れる。何故火を止めるかと言うと火を付けたまま卵を入れると、卵がすぐに固まってしまうからだ。
最後にお皿に盛り付けて、粉チーズを入れたら完成だ。
うん、この料理は簡単に出来るしそれから美味い!
そして、シンヤの料理は5人に運ばれた。
「ほーう、リゾットかここで軽めの食事にしてくれるとは、私達食べる側も考えてくれるのはありがたいな」
「カルボナーラ風リゾットですね!私チーズには目がないんですよ」
「さて、いただきますか!」
5人はシンヤの料理を口に運んだ
「ほーう、このオーク肉は最高に美味しいな」
「他は何も変哲ない材料なのに、あの茶色の汁ですね?」
「正解だ、酒、みりん、しょう油、塩、最後に昆布を混ぜたものだ」
「昆布?」
女の審判は意外な材料を使っていると知り驚いていた
「昆布を軽く切り梅干しを一つ潰してそれに塩を少々加える、茹でれば完成だ」
「なるほど、それなお陰でここまで美味しく出来るとはな」
「うむ!決めた」
審判達は点数を上げた
「8点!9点!8点!7点!9点!合計41点!!最高点出ました!!!」
「よし」
シンヤは軽くガッツポーズを取った
「最後にシュルル選手です!」
「これは?!!ドラゴンのステーキだと?!」
「いえ、ただのドラゴンではありませんよ?上級ドラゴン、ブラックドラゴンの肉でございます。」
「ブラックドラゴンだと!最もドラゴンの中で脂がある肉それに加えて上級だと?!」
「それにソースは、キングオニオン、レインボーガーリック、ドワーフが最も好む最高級のお酒、一年で3粒しか取れないと言う幻大豆で作った醤油にコカトリスで取った鶏ガラスープ、そして一滴だけで何メートル先も甘い香りが届くみりんだ。」
「どれも、最高級の材料だ!これはすぐに頂きたい!」
「うおっ!ちょこっとナイフを刺しただけで肉汁がここまで出てくるとは!」
5人はシュルルの料理を食べた
「このソースだけでもいけるわ!」
「肉が柔らかすぎる!何だこれは!」
「ソースと肉がちゃんと絡み合ってて美味い」
「何これやばい〜〜」
「.............」
4人はシュルルの料理をすぐに食べ終えた。5人目のお爺さんはゆっくりと食べてやっと完食した。
「さて!採点に行きましょう!」
審判は1人ずつ点数を上げた
「10点!10点!10点!10点!」
ここで、シュルルは勝ちを確定したと思い最高の笑みでシンヤを見ていた!
「はははははは!シンヤ君!マナフィール様は私の物のようだな!自分の弱さを憎め!」
「何が可笑しい?マナはお前の物?勝手に物扱いしてんじゃねーよ。」
「負けたんだぞ?!現実が認められないか!それはしょうがないな!」
「負けた?誰が?」
シンヤが負けて無いと言い、シュルルは点数を再び確認した
「0点?なんで?..おい!ジジィ!なんで0点なんだよ?!」
「分からなか?この大会は最高の料理人が料理を振る舞い競う大会だ。お前はただ材料だけ勝負をしている、肉は最高級だがただ焼いだだけ」
「だが!ソースは!」
「お前はただ、軽く玉ねぎとニンニクを切り材料を合わせて煮詰めただけだろ?醤油とかはお前が作った訳じゃ無いだろ?」
「それがどうした?!美味しいかったんだろ?!なら!」
「馬鹿野郎!!料理人を舐めるな!どんな最高級の食材を使おうとただ混ぜただけの料理なら、一般的な材料だけで頑張って作った料理の方が何十倍も美味いわ!!」
爺さんが立ち上がりシュルルに怒鳴り始めた。そして、マナは会場に上がりシンヤとシュルルの料理を食べた。
「うん!どちらも美味いね、このステーキ柔らかくて肉汁もすごい!」
「マナフィール様!私の料理の凄さを分かってくれたんですね」
シュルルはマナが自分の料理を褒めた事に嬉しい様だ
「でも、それだけ。美味しいけどお兄ちゃんの方が物凄く美味しい」
「なっ?!何故ですか!そんなどこでもある材料が!」
「お兄ちゃんの隠し味がこの料理を美味しくさせてくれるの」
「たかが昆布だけが!そんな料理を美味しく出来るはずないだろ!お前ただ俺と結婚したくないからって勝手な事言うな」
いや、お前がな
一同はそう思ってたが、マナは首を横に振った
「ううん、違うよ。確かに昆布も隠し味だけど、それの事を言ってる訳じゃないの。お兄ちゃんの料理を美味しくしてくれる隠し味はいつも愛情なの」
シュルルは隠し味の正体を聞き、呆けたようにキョトンと口を半開きにしている。
「愛情?そんなの味に何も影響しないだろ」
「するよ!めっちゃするの、料理にとって味を決めてくれるのは調味料だよね、何年で一つしか取れない調味料や危険な場所にある調味料よりも美味しくしてくれる調味料。それは、その人が...作った人が食べる側を想った料理。愛情がこの世で料理を美味しくさせてくれる1番の調味料だよ」
審判の爺さんはマナの言葉を聞き笑い出した
「ホッホッホッ、マナフィール様の言う通りだ。愛情こそが1番の調理だ、ワシは今まで高級店で沢山食べておったが人生1番美味かった料理はいつも母親の料理だったな」
長くなりそうなので前半後半分けます




