カノン対ミリシア
2本目
「あら?もしかして全滅?いや、1人は生きてるようね。まさか、貴方達ここまでやるとはね。ほらほら、どんどん遅くなっているわよ?」
「うるさい、まだ私は強くなる」
強くならないと、また1人になる。
カノンはミリシアの腕に傷をつけた
「あら!この私に傷を付けるなんてやるわね、ブラッドソード」
ミリシアの傷の先から血で出来た凶々しい剣が出来上がった。
「さぁ!来なさい。弱い人間さん」
私は強くならなくちゃ行けない、弱ければ大切な人達を守れない、失ってしまう。
ミリシアの剣先を、カノンに向けた。
「もう、負けたくない。大切な物を失くしたくない。強くなる、貴方を倒す」
「強くなるねぇ、魔族でもない貴方が私達魔族より強くなれるのかね?」
「あまり人族を舐めないで」
カノンはミリシアに舞うように槍で薙ぎ払いの連撃を繰り返した。だが、ミリシアにはその攻撃が遅くて全て避けられる。
「ふふ、貴方もう諦めさい。もうそろそろ飽きて来たよ?」
あの時のように諦めたらまた、失う。もう失いたくない。
だが、カノンはそれでも攻撃を辞めない。相手を倒すまで攻撃を辞めなかった。
「あああ、うざい!!その目がうざい。あいつと似たような目が!負け組の癖に諦めなかったその目が!!!」
過去の魔界
「ねぇ、あんたなんでまだ前に進もうと思うのよ?みんなからには魔力のない落ちこぼれと言われ。魔王の娘として恥ずかしいわね。」
「む?ミリシアか、なんだ?まだ我に文句があるのじゃ?そろそろほっといて欲しいのじゃ。我はまだまだ強くなりたいのじゃ」
「はぁ?何?もしかして魔力なしで強くなろうとしてるの?ばっかじゃないの?」
「なら、人族の英雄達の中に魔力なしで勇者と共に張り合えた人物がいるのじゃよ?そやつは己の拳一本で我ら魔族を蹴散らした。なら、我も魔力が無くてもまだ戦えないとは言えないのじゃ」
「そんなの、ただ勇者が弱らした敵を横から奪っただけじゃないの?魔力なしで魔族に勝つなんてそんなの嘘に決まってるんじゃないの!!」
「はぁ〜なんでお主ら魔族は自分が最強の種族と勘違いしてるのじゃ?」
「勘違いじゃない!!私達魔族が最強なの!!!そのあんたは魔王の娘なのに!!魔力がほとんどない?魔族としての恥!!最強の尊重の魔王、その娘が見下されるなんて!そんなの私達もバカにされるのと同じなのよ?!」
「はぁ、勝手に見下してるのお主らじゃ?我は一度もお主らより弱いとは思ってないのじゃが?」
「は?もしかして私に勝てると思うの?魔力のない貴方が?」
「そうと言ってるのじゃ、我の父上は我の事を信じている。魔力が無くても我には父上の愛情と強さを教えてくれた。」
「は?魔王様が魔力のない落ちこぼれに愛情を?アハハ、いいよ来なさい貴方のその虚言だった事を教えてあげるわよ」
だが、その日ミリシアは手も足出ずにルティナに負けた。それ以来からルティナの様な目をした物を憎むようになった。
「はぁはぁ、まだ、まだ」
「もう!いい!!遊びは終わり貴方を殺す!」
パキッ!
ミリシアの剣でカノンの槍が折れた音がした。
「もう武器は無いわよ?もう大人しく死んでちょうだい」
「はぁ、まだ戦える」
カノンは拳で殴ろうとしたがミリシアには避けるほどでもなかった。効かないほどカノンは弱っていた。それでもカノンはまだ戦い続ける。
私はこんなに弱いの?やだ、やだ!負けたくない、もう負けたくないまた、また死んじゃう私の目の前で死んじゃう。
「なんで、武器もないのに勝率もないのになんで?ああああ、憎いその目が憎い。死ね!!!」
ミリシアの剣先がカノンの喉元に突き刺そうとした。
ああ、死ぬのかな。ごめんなさい、街のみんな、お母さん、お父さん、死にたくないよ..........助けて、シンヤ。もう、1人は辛いよ。
その剣はカノンに届かなかった。
「カノン、おつかれもう休んでもいいぞ?」
カノンの目の前に心の中で助けを求めた彼が目の前に
「カノン?おお?何、泣いてるのか?遅れてごめんな、怖い思いさせてしまって」
彼は私を抱きしめてくれた。暖かい...今だけでいい、今だけこの温もりを
カノンはシンヤを、強く抱きしめた
「カノンごめんがちょっと離してくれ、あいつを殺せないだろ?」
ダメ、行っちゃダメ。私をまた1人にしないでよ
「おい、てめーら私の前で「黙れ」つっ、」
シンヤはミリシアに殺気を放った
「カノン悪いけどもう行くよ?」
「彼女は強いダメ、行っちゃダメ逃げよ?誰も死なせたくない、もう1人になりたくないよ」
「安心しろ俺は死なないよ、1人なんてさせない。」
ああ、ダメこの感情だけはダメ。また失ったらもう私は立ち直れなくなる。
「分かった」
「わり〜な、うちのカノンをよくいじめてくれた様だな?正直相当イラッと来てるんだよ?」
シンヤとミリシアの戦いが始まる




