鴉対リバース大海賊団 5
「おらぁ!!」
「死ねぇ!!」
「カバッ!」
「よくも!」
「ウゴッ!」
四方から襲ってくる海賊達と次々と、ルティナは殴りや蹴りで次々と撃退して行った。
流石に数が多くて、気絶しなかった者は再び立ち上がり襲ってくる者でキリがなかった。
「ティナ〜、殺した方が早いと思うよ?相手も殺してくるし、殺されても文句は言えないよ?」
「確かにリンの言う通りじゃな...」
ルティナは生捕りではなく殺す事に変更した。
「魔王の娘と聞いて呆れるんじゃが、我は案外人型を殺すのが少し苦手なんじゃ。あまり殺したくないと殺傷能力が高いのは大体禁手にしてるのじゃ」
そう言ってルティナは深く深呼吸をして、空気の吸い方を変えた。
「禁手技第四手『生天水流派』」
ルティナは只々立っていた。今がチャンスと海賊達が一斉に攻撃すると、ルティナの姿が消えたと思ったら流れる様に海賊の集団の攻撃を受け流し反撃を繰り返して居た。
「攻撃があたらねぇ!」
「消えたと思ったら、次の奴がやられてるぞ」
「ワハハ、まだ我は暴れたりないのじゃ!」
「このままだと、ティナに負けちゃう」
ルティナの戦いを見てこのままだと分けると感じて、リンはもう一つ腰に刺して居た銀色の剣を抜き始める。
「確か...聖剣フラスティンかな?」
カジノの国ラストカネスに倉庫から奪った銀色の剣は後にアイが調べた所、聖剣フラスティンだと教えて貰った。
「さぁ!この2つの聖剣で暴れまわるよ!」
リンは両手剣2本を二刀流の様に扱った。あっちはそろそろ終わりそうとシンヤは次にアリア対リバースの方に視線を移した。
「はぁはぁ、嬢ちゃんにしゃなかなかやるな」
「そう、敵を褒めるなんて随分余裕ね?」
「あははは!ああ、そうさ!まだ俺は力を隠してるからな。身体強化!!」
リバースは身体強化を使い超スピードで回転の勢いを使いながら、アリアに脇腹に向けて大剣を薙ぎ払った。
「馬鹿か!」
アリアが避けずにそのままメイスで受け止めようとした事にニヤリと勝ちを確信した。
「おわりだぁ!!」
バキン!!
「なぁっ!!...に...」
本気の自分の一撃を片手で受け止めた事にリバースは目を見開いて驚いている。
「ええ、確かに終わりね。『雷鳴天下』骨の髄まで散れ」
「やべ!!俺を守れ!!」
ビリリバァァン!!!
天から雷が降った。
何かリバースは喋っていたが、雷鳴の音が大きくて聞き取れてなかった。煙が薄くなると2体の大型モンスターがリバースを守っているのだ。
「ティナ、あれは?」
「ほーう、金獅子と銀獅子じゃな。あの2体が手を組んでるって相当珍しい事じゃ」
黄金のライオンと銀色のライオンが立っている...いや、顔はライオンの様だが、体は二足歩行をしてるのでゴリラに近い見た目だ。
「あれ?強い?」
「...そうじゃな、強いぞ?」
シンヤの問いにルティナはニヤリと笑った。
「だが、ナイトメアよりは強いと思うが、ゴッドメアよりは弱いのじゃ」
金と銀の獅子は強い分類に入るが、シンヤ達に取ってゴッドメア戦、邪神教戦、七つの大罪戦と比べればあまり強くない。
災害級と言われていたので、ワクワクしていたが来たのは豪華なゴリラだった事に少しがっかりしていた。
「まさか、こいつらを出す事になるとは思わなかったぞ」
「貴方、何故その2体を使役出来てるのですか?見た所使い魔師には見えないですが?」
「あははは、こいつらが生まれた時から育てたのが俺だからな!俺を親だと思って言う事聞くんだよ」
「そうですか...」
「もう、こいつらが出ればお前らは終わりだ」
「アリア、もう良いよ。帰ろう」
スッとアリアの後ろに現れたシンヤの顔が2匹の獅子に眼中に無いと言わんばかりな表情が気に食わなかった。
「お前、こいつらの脅威を知らねぇな?」
「...本当警戒してた俺が馬鹿だったよ。災害級と言われてたから、期待もしてたしどんなモンスターなのかと警戒もしてた。だが出てかなはゴリラ?ふざけんな、本当とんだ期待外れだよ」
「その傲慢な態度いつまで続くのかな?金、銀やれ」




