鴉対リバース大海賊団 4
アイは先にドローンで港の人達に事情を伝え、拉致られた人達は沈んでいる海賊船から部品を海賊して港に自動運転で向かわせた。
途中、他の海賊に襲われない様にステレスモードと敵対追撃モードを設定したのだ。
「んで?何でお前は残ってるの?」
「は?ダメなの?」
フレデリカは何故か船に残りたいと駄々をこね、フレシカもお姉ちゃんが残ると申し訳無さそうな顔で立って居た。
「うん、ダメだろ。今から海賊の所に行くんだぞ?危険だよ」
「シン兄も行くんだら、一緒じゃない?」
「一緒じゃいない、お前らは弱いんだ。もしも俺達が見てない所に何かあったらどうするんだ?」
「自分の身は自分で守れるわよ。それに、フレシカは死んでも守り通す」
「そうか...はぁ、敵が出た時は船から出るなよ」
そもそも帰る船も出航した事だし、今から2人だけ返すのも危険だと判断し、シンヤ達と一緒に居た方が安全だと判断した。
「船長!そろそろ島に着きますぜ!」
「そのまま突進で良いよ〜」
「アイアイサー!アイ殿!最高スピードを頼むぞ!」
「了解です」
「フレシカ、フレデリカ。危険だからこっちに来い」
「「え?」」
シンヤはフレシカとフレデリカを担いだ。
アイは最大スピードで、島を囲んである丸太の壁に激突させたのだ。
〜〜〜〜〜〜〜
「はぁ?俺らに喧嘩売った馬鹿が居るって?」
2メートル近くあるスキンヘッドに髑髏の刺青のリバースは両隣の女の肩に腕を通し、偉そうに座っている。部下からの報告にギロリと睨みつけた。
「その、馬鹿からノコノコと逃げてきたのか?」
「あいつらはたった3人で...」
「言い訳してんじゃねぇよ」
持ってた酒瓶を部下の頭に投げつけた。
「クソが、俺らに歯向かう馬鹿を探し出しぶち殺せ!!俺が一番嫌いな事は舐められる事なんだよ!」
ドッガガァァァッッン!!!
すると、外から大きな爆発音が聞こえ。リバースが居た部屋が大きく揺れたのだ。
リバースは何事だと大慌てで、外に出るとそこには壁をぶち抜いた黒船が一つあったのだ。
船の中かは、白髪と赤髪と金髪の男女が降りてきた。
「てめぇら!こんな事してただじゃすませねぇぞ!何者だぁ!!」
「はいはいどうも。俺達は冒険者だよ〜。無駄な抵抗をやめて普通に捕まってくれると嬉しうな」
「私たちは海賊の者だ!!」
「冒険者だよ...」
シンヤは冒険者となのったのに、横から仁王立ちでどうしても海賊と名乗りたがるナナリアだった。
「こんな事して許させると思うなよ」
「ああ、それは良いですよ。先程似てるセリフほざいてましたから、せめて違うセリフを言って下さいよ」
アリアは面倒臭そうにメイスを持って手首をクルクルと回して居た。
「良く見たらお前ら2人良い女じゃねぇか。犬の様に吠えて俺の女になると宣言したら、許しても構わないぞ?」
「犬ってどう鳴くのですか?」
「は?そりゃ、ワンワン...」
見事に引っかかったリバースにニヤッと不気味な笑みを溢したのだ。
「ふふ、良く吠える犬ですね。お手は出来るのかしら?」
「...テメェ、俺を舐めてるのか?」
「舐める?私は貴方の様に犬ではないので人をペロペロと舐めませんよ?」
アリアの強烈な煽りにシンヤとナナリアは後ろでこいつにだけ口喧嘩はしないと心の中で誓った。
血相を変えたリバースは自分と同じぐらいの大きさの大剣を握った。
「テメェだけはぶち殺す。このキャプテンリバース様を馬鹿にした事を後悔させてやるよ」
「自分で様で呼んでるのね...」
リバースは超スピードでアリアに突進するか様に一直線で向かって行った。
手をピタリと止めてメイスの先を空に向けた。
「おらぁ!!死ね金髪女」
メイスを振り下ろすと同時にリバースは大剣を横に薙ぎ払った。アリアに当たる前に大剣を離しアリアのメイスを避けて、パンチで立ったまま横にスライドの様に飛んで行った。
アリアは大剣をいきなり離した事に少し動揺をしたが、すぐに気を取り戻し腕で防御したのだ。
「あら?海賊と思ってましたが、貴方中々腕前はあるみたいですね」
「俺を舐めるなよ」
「おい、おっさん。アリアとやる前に災害級とやらのモンスターを俺に相手させてくれ」
リバースの背後にスッとシンヤが現れた事に驚き、シンヤに大剣で攻撃してから飛び込む様に距離を取った。
シンヤはいつの間にか抜いた刀で軽く防いでいた。
「いつの間に...」
「SSランク冒険者が負けた3体のモンスターをどこに居るんだ?」
「キャプテンリバース!!」
「今助けます!」
部下達もゾロゾロと集まって来た。
シンヤはお前らに用がないと舌打ちをして刀で攻撃しようとすると、目の前でルティナとリンが船から飛び降りて来た。
「私が寝てる間暴れられなかったからね。ここで暴れさせて貰うよ!」
「リンよ、どっちが多く倒したか勝負しないか?掛けるものは今夜のデザートで話を打たないか?」
「良いねー、その話乗った!」
ルティナとリンはケラケラと笑いながら、ルティナは首をポキポキと鳴らし、リンは肩をぐるぐると回した。
「骨がある奴が居ると助かるのじゃ」
「私をワクワクさせてね」
リンとルティナは海賊の集団のど真ん中に突っ込んでしまった。雑魚はあの2人に任せて、災害級とやらのモンスターが出て来るまで、アリアとリバースの戦いを観察した。
いつの間にか、ナナリアの姿が見えなくなり念話で確認するとアジトに潜り込んで財宝を奪って居ると高笑いしながら言っている。




