名づけ!
「名前、どうする?」
船に名前がないとやる気が出ないとナナリアが言うものだから、仕方なく名前を付ける事になった。
船の名前は、いつも使ってる馬車と同じする予定だと決めた。何か良い案がないかとみんなに訊ねる。
「猫!」
「メイ?いきなりどうしたんだい?」
「猫号はどうよ!」
「せめて鴉にしろよ、俺ら猫と関係ないぞ?俺はメイが数少ない常識枠だと思っていたが、違った様だ」
それにダサい、何猫号って名乗るのが恥ずかしいんですけど。
敵が船の名前を聞いて猫号ですって答えたら場が凍るだろ?サラかよ。...そもそも、敵が俺たちの正体より船の名前を聞いたりはしないのか
「シンちゃんと愉快な仲間達」
「クロカは変わらないね。次」
シンヤは前にもクロカに突っ込んだので、今回はスルーした。
そもそも、シンちゃんと愉快な仲間達号って何だよ!言いにくいし、名前が仲間すぎるわ!
「シンと嫁ー「はい却下、次」、せめて最後まで言わせてよ!」
リンは最後まで言わせてくれなかった事に、頬を膨らませてプンスカと怒っていた。
マナが食い...っと喋ろうとした瞬間、何を言うのかと予想して口を塞いで黙らせた。
「あ、ティナも喋らなくて良いから。もう、何言うか予想できるし」
「んな!酷いぞ!せめて、言わせてくれのじゃ!」
「んじゃー、言ってみろよ?」
「小「小僧なんちゃらとか無しだからね?」...」
「いや、黙るなよ。」
「はいはい!ブラックボード号はどうですか?!」
「黒い船か...悪くないな」
「は?黒い鳥ですよ?何を言ってるのですか?」
ルナが馬鹿じゃないですかと言わんばかりの目で、見てきたのだった。
「...鳥はアルゴ語ではバードな?」
「...え?そうなのですか?」
ルナは事実確認として、アリアの方を向くと常識な事を間違えた事に呆れた表情で頷いていた。
自分の馬鹿さに、恥ずかしくなり顔を赤くして俯いてしまったのだ。
「旦那様、破壊殺号はどう?」
「カノン、物騒だから」
「なら、みんなの頭文字をとってするのはどうだ?」
「キース、お前もか...」
キースはまともな答えを期待していたが、アリアと同じ考えだった事に一つの希望が失われてしまった。
残りはアイやサラ、アテナやヒナタ、そしてナナリアの5人を期待している。レヴィは何でも良いと考えるそぶりしもしないし、スーはよく分からないと、他の事をしだしている。
「黒号で良いだろう」
サラは適当に答えた、アテナは名前を考える事が苦手と何も思いつかなかったのだ。
シンヤは一番期待してると、目をキラキラしながらアイを見た。
「サウザンド・サ○ー号はいかがでしょうか?」
「響きは良いな。どうゆう意味だ?」
「アイ!それはアウト!」
「ダメです!」
何故かヒナタとアテナはアイが考えたであろう、船の名前を猛烈に却下しようとしている。意味は知らないがシンヤは気に入っていたのに。
「何故、私には聞くそぶりすらしないんですか?」
「アリアは前回の考えるとまともな答えが出てこないからな」
「シンヤ君もですよね?!なら、シンヤ君の考えを教えてください」
「レッツ・ラ・号」
「は?前よりひどくなってるじゃないですか。ふざけてるのですか?」
「ごめん」
アリアにシンヤが考えた、ゴミ見たいな名前に可哀想な目で見つめられてしまった。
「ゴミですね」
「ごめんって言ってるじゃん」
そこまで言わなくても...
だが、シンヤも自分で言って本当に酷いなと感じていたのだった。
「そもそも、何故貴方達は号を付けたがるの?」
ナナリアの質問に確かにと頷いた。船の名前と言えば何ちゃら号と想像するが、そもそも馬車の事を考えると号を付けなくても良いじゃないかと気付いた。
「そうだな、船長達の話を聞いて。私の考えは、新世界に誘う物はどうだ?」
ナナリアの提案に、みんなは良いなと頷いて船の名前及び馬車の名前が決まった様だ。冗談の様な鴉が愛用する乗り物の名前は、新世界に誘う物と決定した。
まさか、この名前が歴史の本に載るぐらい有名になるとはこの時のシンヤ達には知る由もなかったのだ。
「新世界に誘う物の進路を決めるものは、風でもない!帆の向きでもない!己の運命だ!全て運命に突き進むべし。では、出航だぁ!!」
バンッ!
ナナリアが海賊銃を天に打ち上げたと共に、帆が下がり始めた。
帆は風に乗って、前へと動き出したのだ。
アルゴ語→英語
モンドルリン語→日本語って、事ですね




