職人魂
「ふむ、良い船じゃないか。船を作った職人は余程良い腕をしておる」
「ありがとうございます」
「むむ?もしや、貴方が作ったのかね?」
「はい」
「はーう、この船の中には実力者揃いでもあり、良い腕前の職人がまで居るのか。対した海賊だな」
「冒険者パーティだよ?」
シンヤのツッコミをスルーして、船の壁を触ったり間取りを見渡していた。
「其方はアイ殿と言ったな。私に設計図があるのなら見せてくれないか?」
「直ちに」
アイはアイテムボックスから、設計図をナナリアに渡した。
ナナリアはアイが描いた設計図を集中して見渡し、変えて欲しい所や無くして欲しい所、ここにこれを加えて欲しいものと相談していた。
アイが想像出来なかったことを、良い方向に改善した事に職人魂として感心していた。
「成る程。ご提案ありがとうございます」
「ワハハ、そう畏まらなくても良い。貴方達の闘気を感じた所、この中でわたしが1番弱いであろう。なら、こうゆう所で活躍出来て嬉しい限りだ」
ナナリアは白い歯を見せてニカッと笑った。
「操縦は自動で出来ますが、ナナリア様1人で操縦大丈夫なんですか?」
「私は1匹狼の海賊なんだぞ?大型船を1人で操縦してるからな。こんなの慣れておる。それに、自分がこの船を動かしたいと心が言ってあるからな」
「貴方、良い人間ですね。気に入りました」
アテナが舞い降りた。先程からの言動や心構えを聞いていて、ナナリアの事を物凄く気に入ったようだった。
「貴方は誰だ?」
「それはすみません。私はアテナと申します」
「ほーう、アテナか...見た所あの大女神様と似ており名前までにであるのか」
「いえ、私は本物ですよ?」
アテナは2メートル近くある六つの翼を出した。神族にとって翼の数強さを表していた、一番多いと言われてるゼウスは8つだと言われている。
アテナは言うには、アリアにももうすぐ4の翼が生える資格があるがまだ足りないと言う。もし、成功すれば伝説と言われ天使から神族のハーフの天神族になると言っていた。
「ワハハ、まさかあの女神まで居るのか!この、海賊の人為はおかしな奴らばかりだ、本当に魔王の娘や龍王の娘までおるのか?」
「何なら貴方の船長は、時期龍王と魔王ですよ?」
「いや、俺は認めてないから!」
シンヤは訂正しようとしたが、アリアはスルーした。
どうやら、アリアは面白がって自分が困る顔を見たいと最近ドSの様な心が芽生えていた。
本当、やめて欲しい...こっちが、目覚めたらどうする!
「こりゃ、驚いた。私の船長はそれ程の人物だとは...私の主人として相応わしいのか?」
「逆に俺がこんな魅力的なナナリアの船長で相応わしいのかこっちが疑いたいよ?」
シンヤは純粋に思った言葉を聞いて、ナナリアは口をパクパクしながら少しフリーズしてしまった。
「...むむ?私口説かれたのか?」
ゴン!
「ゴフッ」
横から脇腹を強くアリアが何故か肘打ちをされたのだ。
「まだ、私の自身の事を知っていないのに、次の女に手を出すのですか?シンヤ様...」
「な、なんの事だ」
シンヤは震えた声で、脇腹を抑えていた。
それから、彼女達が全員一箇所に集まって自己紹介を始めた。何故か女性陣からジト目で見てくるのが謎だ。
「それでは、そろそろ出発するか」
シンヤの合図にアイが出船する準備をしようとした瞬間、ナナリアが止めに入った。
「この船の名前を決めないのか?」
出航する前に船の名前を決める会議が始まったのだった。




