女神降臨!
「あらあら、稲妻の聖女様わざわざ自分で来たのですか?やはり、聖女とはこの神聖な場所の方が居心地が良いでしょう」
シンヤが来るまで教会で待っていると、入口から嬉しそうに老婆が入ってきた。
「すみませんね?私にとって居心地が良い場所はシンヤ君の隣に立っているのと、家族と一緒にいる事なんです。だから、貴方からのお誘いは謹んでお断り致します」
「んなっ!」
アリアは天使族と聖女だと分かって、絶対に聖国を選ぶと確信していたが、アリアにとって天使や神関係に関してはどうでも良かったのだ。
いや、逆に嫌っている事を大聖女は知らなかったのだ。
「何故ですか?!あんな男の何が良いのですか?!あんな男の為に聖女としての人生を棒に振るのですか?!」
「あんな男ね...貴方達が信仰する神は誰ですか?」
「そんなの女神アテナ様ですよ?」
「それだけ、聞けて満足ですよ」
するも、教会の扉が開く音が聞こえた。
外から中に入ってくる一つの人影があった。その正体はシンヤだったのだ。
「貴様は!私の十二騎士が相手をしてたはず?!何故ここに居る?!」
「あんたの十二騎士は、大した事なかったよ」
「奴らはどうしたんだ?!」
「殺してはないよ、今頃外で仲良く寝てんじゃねぇの?」
「貴様ァァ!!」
「そう、叫ぶなって。早死するぞ?悪いがテメェには用がねぇ。あいつと合流して、この国をある程度観光してから消えさせてもらうよ」
大聖女を無視して、教会の奥にある大きなアテナ像の前に立った。
アテナ像に手を触れると、シンヤの魔力を吸収すると黄金の様に光出した。
「なっ?!」
大聖女はアテナ像が光り出したことに、驚きの声を漏らしていた。
光の中から、階段から降りてくる様に一つの人影が見えてくる。
「久しぶりだな...」
「お、」
「お?」
「お久しぶりですよ!!シンヤ様♡!」
「グヘッ!」
突進するか様に、アテナはシンヤに抱きついてきた。シンヤは膨大に後ろに倒れ込みアテナの顔がシンヤの顔をスリスリしてきた。
シンヤはハイハイっと、アテナの頭を撫でていたのだ。
「えへへ、やっと会ってくれましたね」
「ごめんって、忙しくて会えなかったんだよ。けっして忘れてた訳じゃないぞ?」
「嘘だ!」
っと、信じない顔でヒナタに確認した。
「アテナ様、ダーリン嘘ついてます」
「ほらぁ!もう。それにしても、ヒナタ様も久しぶりね。幸せな姿を見られて嬉しい限りだわ」
「お久しぶりです。この世界に連れてもらって感謝しております」
「そんな堅苦しいのダメよ?肩の力を抜いて、私は女神だけど、貴方にとっては家族に当たるから」
「分かりま..分かったわ。アテナ様」
「様も要らないわよ」
「なら、私の様も要りません」
「ふふ、分かったわよ。ヒナタ」
「ちょっとお待ち下さい!!え?、大女神アテナ様でしょうか?そんな...何故」
大聖女は目の前に、自分達が信仰してる女神のアテナがいきなり下界に降りてきたことに、混乱状態になっていた。
「あら?貴方はどなたかしら?」
「いや、自分を信仰してる代表の奴ぐらい覚えろよ...」
シンヤは小声でツッコミを入れていた。
「わ、私は!大聖女のアリティン=サティアです。貴方は本当に大女神アテナ様何ですか?」
「そうよ?」
「なら、何故獣や男などと...」
どうやら、アリティン達にとってアテナは人族を愛し、男性や魔族や獣人種族を嫌ってる事になっていた。だから、この国では獣人族など一人も見かけなかった。
「あら?何故私が獣人族を嫌ってる事になったかは知りませんが、男性の方は確かに嫌いですね。シンヤ様以外の話しですが」
「女神様が...獣などと」
「あら?そんなに私が獣人族と一緒に居るのが嫌なのかしら?なら、ルティナ、レヴィ少し来てくれるかしら?」
ルティナとレヴィは少し警戒しつつ、近づいて行った。そんな警戒しなくても良いわよとアテナは笑ってた事に、アテナに対する警戒をといたのだ。
「この子は魔族で魔王の娘でもあるのよ?それに、こっちの子は悪魔族の中で強力な七つの大罪でもあるし。私はね、他の種族と交友関係になりたいと思ってる女神ですからね,アリティン=サティア」
自分が思い描いていたアテナと全然違った事に、余計にアリティンは混乱する。
「ん?サティア?」
アイはサティアと言う名に反応した。かつて共に戦った大聖女サティアと同じ名前だったからだ。




