特急冒険者表彰
「ふー、スー筋は良くなってるぞ」
「うぃ〜」
大人版のスーに閻魔と雷電の振り方を教えている。
激しい修行にアイが作った修行部屋にヒビが入っていたが、本人の二人は気付いて居なかった。
「雷電弐ノ太刀・神速雷電虎」
「修羅参ノ太刀・昇天炎龍」
スーの素早い黄色い稲妻の虎の攻撃に、シンヤは下から龍の黒い炎で防いだ。
シンヤの刀をコピー出来ても、神雷と獄炎まではコピーが出来なかった。
「威力が足りないな、影針!」
イヴより威力が劣ってるが、イヴと似た影の針を飛ばしたがシンヤは投げナイフで全て弾き落とした。
ちなみに同じコピー系のリンは影までは真似できないが、炎で同じ奴を放つ事が出来る。
それから激しい攻防が続いた、手を動かしながら二人は会話をして居た。
「スー!そろそろ休憩しないか?」
「んー、そうだね。そろそろ、このモードも切れそうだし。最後に本気で打つよ、修羅肆ノ太刀・炎天地変!」
「修羅陸の太うおおお!!」
バァァン!!!
シンヤがスーの技を防ぐ為に、自分も技を使うと地面が崩れて下の階に落ちてしまった。
下の階でアリアが薬を調合してた様で、シンヤがいきなり上から落ちてきた事に驚いて居た。
「何してるのですか!」
「イテテ、」
「マスター、大丈夫ですか?」
爆発音が聞こえ異常が起きたのか、アイがすぐに駆けつけた。
アイは穴が空いた天井を見て、あららと声を漏らして居た。
「耐えきれなかったのでしょうか?うーん、少しアップグレードが必要ですね」
「すまぬ〜」
壊れたものは仕方ないので、強くなったシンヤ達に耐え切れるように強化に入った。
「あ、マスター。一階のテーブルにマスター達に関しての記事がありますよ」
「また?〜えー」
シンヤはまた勝手に自分達が記事にされてる事に、面倒ごとに巻き込まないように祈った。
記事を見る前に先に汗を流す為にシャワー室に向かってから降りて行ったのだ。
「あ!お兄ちゃん」
下に降りるとマナが盾の手入れをしているのだ。
ポンポンと頭を撫でて、机の上にある記事を読んだ。
再び鴉、魔法都市ルヴェルシドタウンで大暴れ!!
先日、魔法都市ルヴェルシドタウンで謎の集団がギルド長と裏で違法な事をしてると発覚致しました。
ギルド長は逮捕され、副ギルド長がギルド長になった事が分かりました。
「...おお、あの老害逮捕されたか、副ギルド長ってあの女か?」
そして、謎の集団をハーレムパーティが圧倒的な力、隙もない連携で見事に撃破!!
「...ハーレムパーティって...まぁ、間違ってはないか」
それに加え、冥帝様と死神様のランクアップは確実との本部からの発表も分かりました。
っと、大きくルシフェルの次元とアスモディースの黒い箱から出てきたばかりの、シンヤとクロカの写真を大きく貼られて居た。
「許可ぐらいとって欲しいな...」
そして、鴉のリーダーでもある稲妻の聖女が天使族だとの報告も受けております。
「...アイいるか?」
「はい、御用でしょうか。マイマスター」
少し埃を被ったアイがシンヤの後ろに現れた。
「この記事を作ってる場所ってどこにある?」
「潰すのでしょうか?」
「正解」
「では、ここからですと...早くても3週間以上はかかりますね」
「分かっ「分かったじゃないですよ!」
ソファからアリアの顔がピョコっと現れた。
「何つぶそうとしてるのですか!」
「アリアが天使族って勝手に世間に公表してるだぞ?そんな勝手な奴らは先に潰すのは後々楽だ」
「ダメです。私は大丈夫なので」
「...アリアがそう言うなら」
シンヤは再び記事を読み始めた。
最後に冥帝様及び、鴉のパーティ内に3人に特級冒険者表彰が与えられました。
「特急冒険者表彰??なにそれ?」
「特急冒険者表彰とはーーーー」
アイの説明によると、特急冒険者表彰とはギルド貢献値というものが設定される。
この値を見れば、その人物がどれぐらいギルドに貢献しているのか確認出来る。
戦闘能力なども、ここで現れる。
「俺らって、ギルドに貢献してるっけ?」
「「...してないですね」」
ギルド本部大丈夫か?っと心配な気持ちになりながら記事を読み続けた。
SSランク『冥帝』シンヤ 貢献額1億ギル
SSランク『死神』クロカ 貢献額8000万ギル
Sランク『稲妻の聖女』アリア 貢献額3000万ギル
Sランク『黒鉄の魔女』アイ
Sランク『黒霧』ルティナ
Sランク『氷結の魔女』サラ
Aランク『紅蓮剣』リン
Aランク『動く要塞』マナフィール=ルヴァナルト
Aランク『魔弾姫』ルナ=エドヴェーズ
Aランク『月姫』カノン
Aランク『蒼星の龍騎士』メイリア=ガージェスド・ロドロフ
Aランク『残虐の道化師』ヒナタ=ヒメノサキ
Bランク『影の執行者』イヴ
Cランク キース=ホシルヴァ
従魔Sランク『大食らい』スー
変わってない者や、ランクが上がった者がいるな。サラは二つランク上がってるし、キースもCまで上がってる。
アリアは天使族だからって、高く評価されていると本人が語った。
ちなみにアイから聞いた事だが、冒険者SSランクはシンヤとクロカがなる前は、31人しかいないだとさ。
「レヴィちゃんも、冒険者登録しないとな」
レヴィは結局は着いてくる事になった、だがまだキースのことでまだ思ってる事があり、馬車の屋根で一人で座っている。
「ちょっと話に行ってくるよ」
「分かりました、私は引き続き訓練所をアップグレード致します」
「私は誰かさんに壊された、植物達を整理いたしますよ」
「本当すみません」
シンヤは馬車から出てるとキースがベンチの上で座っていた、シンヤはそのまま屋根の上に飛び上がった。すると、レヴィが寂しそうに周りの風景を眺めていた。
「よっ、」
「何よ?」
「中入らないのか?」
「...外が良いのよ」
「そう、なら俺も隣良いか?」
「勝手にすれば」
シンヤはレヴィの隣に座り込んだ。
シンヤは下でずっとベンチに座っているキースにも呼びかけた。
「キースも来ないか?」
シンヤに呼ばれたので、キースも上がってきたが二人は気まずそうな顔でシンヤを挟み座り込んだ。
「「...」」
「何か喋ろうよ?」
「無理だっつうの、何話せば良いんだよ」
「ねぇ、レヴィ...」
「何だよ」
気まずい空気を、先にキースが喋り始めた。
「貴方の事を教えてよ」
「あたしの事?はぁ、あたしは始祖の吸血鬼だよ」
「他には?どこで生まれたの?」
「はぁー、ならあんたの事も教えてよ?あたしだけ質問させるのもね?」
「うん、分かった。何でもーー」
良かった、どうやら二人の事は大丈夫そうだな。っとシンヤは二人の会話を聞いて、最初から自分は必要ないなとおもい、会話を邪魔しないようにそっと馬車の中に戻っていった。
「レヴィは従僕と関係進めないの?」
「はぁ?!知らないわよ。そんなの」
「ふーん、手伝ってあげようか?」
キースはニヤニヤと手伝うと言ったが、レヴィは少し想像したら顔を赤くして顔が俯く。
「...うるさい」
「可愛い...」
そして、もうすぐ聖国エルガルディに着くのだった。




