シンヤとクロカの出会い
何年前だったんだろう、子供の時。ボクの友達はリン1人だけだった。
他の連中はボクの魔力目当てに近づく者が多くてうんざりしてた。
リンだけが、ちゃんとボクの事を見ていた。
ボクにとってリンは、大切な親友。彼女が居るから今のボクが壊れなかった。
だが、ある日ボクはシンヤと言う名の男の子に出会った。この時からボクの運命は変わった。
リンやマナの様に助けて貰った事でもないし、アリアは何で惚れたから知らないな?
でも、他の幼馴染と比べてボクがシンヤに惚れた理由はちっぽけだと思う。
リンが家族と出かける時、ボクは暇そうに森の近くで本を読んでいた。
「おい、ここで一人で居るの危ないぞ?」
ボクが本を読んでる時、木の上から一人の男がボクを見ていた。
女の子一人が森の近くに居るのが危ないと注意してくれたのかな?でも、ボクは強いから大丈夫なのに。
「ボク...強い。魔物に襲われても...大丈夫」
「いや、危ないから帰れ」
信じてくれなかった。
「君も一人じゃん」
「...確かに、でも女の子一人の方が危ないぞ?」
男の子も一人だと言われ何も言う事が出来なくなかったが、性別で対抗してきた。
「むっ、女性だから差別は...酷い」
「...ごめん、そうだな。じゃ」
男の子は木の上から降りて、ボクの隣に座った。
「何?」
「一人でいるより、安全だろ?」
「そう、勝手に...してて、ボクの邪魔だけはしないでね」
ボクは男の子を無視して、本に再び集中した。
「なぁ、何読んでるの?」
「...魔法」
「え!魔法使えるのか!」
言わなければ良かった、この年で魔法を使える子供なんてボクぐらい。この子もボクに怖がったり、魔法目当てで近づくのかな?
「なぁなぁ、俺に魔法撃ってくれないか?」
まさかの予想外の回答だった。
魔法を見せてくれは言われた事はあるが、魔法を撃ってくれは、リンと同じタイプだ
リンと同じ回答に、ボクは少しだけこの子に興味を抱いた。
「良いよ...でも、怪我しても知らないよ?」
「ハハハ、本気で来い」
男の子は腰にさしてた、ボロボロの剣抜いて構えた。
本気で撃ったら、怖がらせしまうのに。少し興味抱いたけど、ボクの魔法の威力で怖がってしまうな。勿体ない。
「良いよ、ファイヤーボールを撃つね」
「お!父さんの見たことあるぞ。連続で撃てる?」
「連続?簡単」
「なら、連続で来て」
「...分かった。ファイヤーボール3連」
ボクは普通のファイヤーボールの少し強めのを3連放った。
一応、男の子が危なくない様にシールド魔法を構えたが、ボクのファイヤーボールを意図も容易く切った。
「おー、これが魔法か!良いな!」
男の子はボクの魔法ではしゃいでいた、ボクはこの子に興味を抱いてしまったのだろう。
そのあと、ボクと男の子で夕方まで楽しく話した。リンと同じぐらい楽しかった。
「そろそろ帰らないとな」
時間が経つの早いなあ...もっとこの子と話したい。
「うん....そう言えば、名前何?」
「あ、名乗ってなかったな。俺はシンヤ」
「シンヤ...シンちゃん。宜しくね!ボクはクロカ」
「クロカね、宜しくね。村まで送るよ」
ボクとシンヤと肩を並べて村の入り口まで一緒に帰ったのだ。シンヤはそのあと、また森に戻ってしまい、少し寂しい思いをした。
もしかして、ボク惚れちゃった?ボクの魔法を斬った時に惚れちゃったのかな?
そう考えると顔が熱くなってきたよ。
「クロ〜」
リンが家族の用事で帰ってきた様だ。
「ごめんね、今日一人にしちゃって」
「ううん、大丈夫。知り合った男の子と遊んでた」
「へ!珍しい。どんな人?!」
「ボクの初恋相手かな?」
「わーー!今度紹介してよ!」
「かっこいいよ...」
リンはボクが好きな人が出来たと聞くと、自分以上に嬉しそうに笑ってた。
シンヤと再び再会したのは、リンがシンちゃんに惚れた時だった。
その後に、シンちゃんと家が隣同士だと知った時はすごく嬉しかったな。
「...懐かしいの思い出した」
クロカは真っ暗な空間に、立ってある。
アスモディースの魔法に黒い箱に閉じ込められてしまった。我ながら情けない、敵の前なのに油断してしまったよ。
「...シンちゃん?」
箱の外からシンヤの魔力を感じた。
怒ってる?何で?誰が、シンちゃんを困らせてる?誰が?誰が?誰が?ボクの大好きなシンちゃんを困らせる?誰が怒らせた?誰?あの女?あの男?殺す殺す、シンちゃんを困らせる奴は全員殺す。
シンヤの怒りの魔力を感じて、誰かがシンヤを困らせてる事に、クロカは心の底から怒りが込み上がって来る。
ビリッ
黒い空間から、ヒビの様なものが現れた。
ビリ、ビリ
「シンちゃん...今向かうからね」
アスモディースは、箱が震えてる事にやっと気付いた。
「え、」
黒い箱にヒビが入り、ヒビの隙間から膨大な魔力を感じた。
「やばい、やばい。爆発する!」
爆発すると感じたのか、遠くに飛ばした。
バリンっ、バァァン!!!!!
黒い箱が爆発した。炎の中から膨大な魔力を放出してる、クロカが立って居たのだ。
クロカはすぐにシンヤの方を向くと、ボロボロの姿に怒りを覚えた。
「誰?...ボクのシンちゃんに怪我させた愚か者は...」
シンヤは黒い箱から出てきたクロカに、クロカの身に何が怒ったのか、察した。
「誰だ?クロカを封じ込めた、ゴミクズは?」
ルシフェル達は、絶対に怒らせては行けない二人をいっぺんに怒らせてしまった事に、地獄を見るのだった。
「「あぁ、」」
「萌えない」
「徹底的に殺す」




