鴉対七つの大罪 8
東チーム視点〜〜〜
「はぁはぁ、死ぬ」
レヴィは2人の攻撃を全力に避けたり、防いだりしてるのが精一杯だった。
反撃してくれる隙もなく、絶対絶命の状況だったのだ。
(馬鹿シンヤの血があれば、行けると思うけどな。あいつの血、採集すればよかったかな)
「図太いですね。流石に吸血鬼って所ですね」
(血闘死術さえ、使えればあんた達なんて敵じゃないのに、クソー!何か腹立つ!)
レヴィの今の実力じゃ、シンヤの血が無ければ血闘死術を使えない状況だった。
アリアの煽りの言葉で、苛立って居たのだ。
(はぁ、あの金髪女厄介だな。雷を雇ってるせいで近づいたら、こっちが爆発しちゃうな)
アリアの雷天神化は、体中の電気で近づく者の血を沸騰される程の電気力がある。
それに加えて、イヴを超えるスピードもあるのでレヴィは手こずって居た。
南チーム視点〜〜〜
「フハハハ、やはり人族と精霊族は魔法が無いと脆いな。竜人族の娘が厄介だな」
(あいつ絶対、余の事竜人族って勘違いしてるよね?まぁ、良いけど)
メイはコマの様に大剣をクルクルと振り回して、周りのサイクロプスをぶった斬っていた。
ヒナタはギリギリ、レイピアで倒せる程度だが、魔法で強化されてないので、いつもより硬く感じる。
「おい、吸血鬼。妾をただの精霊族だと思うなよ?魔法が使えなくても、戦えるぞ?」
サラは鎖でサイクロプスを縛り上げ、そのまま締め殺していた。
「脆いのは、お主の魔物ではないのか?」
「ちっ、うざいな」
サラの挑発に、ベルフィンは苛立っていた。
「吸血鬼として、誇りはないのか?後ろでビクビクしてるお主を見てると、笑えてくるぞ?」
「おい、精霊。口には気をつけろよ?俺が本気出してないと思ってるのか?」
すると、後ろから三体のケンタウロスが現れた。普通のケンタウロスと違って、持ってる斧が一級品物で、立派な鎧をつけている。
「俺を怒らせた事を後悔させてやるよ?」
「フハハ、安い挑発に引っかかりやがって。お主ら吸血鬼は心が脆い」
「てめぇ!!」
ズシッ
「ぁぁ」
ベルフィンの心臓に一本の矢が刺さって居た。
「ルナよ遅いぞ?」
「すみません。魔力が使えなかった物で普通に走ってきました」
「てめぇ!!やれ!ケンタウロス」
っと命令がしたが、ケンタウロスは動く事がなかった。
「この牛なら、もう死んでるよ?」
「はぁ?」
三体のケンタウロスの間に、血のついた二本の短剣を持ってたイヴが立って居た。
「どうする?お前が選ぶ道は死ぬ事だけだよ?」
イヴは短剣を、ベルフィンの首に突きつけた。
すると、上からファイヤーボールがイヴを襲った。
イヴは、ファイヤーボールから距離を取り、上の人物を見上げた。そこに居たのはアスモディースだった。
「あらあら?ベルフィン、ボコボコね?」
「アスモディース、助かった」
「ふふ、お礼は後でで良いわよ?それに見て頂戴、すごい魔力量持ちの女の子を捕まえたわ」
(すごい、魔力量の女の子?)
「あそこにクロカが居る」
サラは黒い箱の中にクロカが入ってると予想した。
「ベルフィン、部が悪いわ。ルシフェルが帰ってきた時はすぐに撤退よ」
「阿呆が逃す訳がなかろう。まず、クロカを返して貰う」
「あら、この子の事知り合いかしら?それなら、もう一つ良い報告があるわよ。貴方達の仲間の男の子も確保してるわ」
シンヤが捕まった?!とみんなは心の中で驚いて居た。だが、すぐにあの男は簡単にやられないと思い出し、冷静さを取り戻す。
「ほーう、シンヤが捕まったか。面白い冗談だな」
「冗談じゃないわよ?ルシフェルの固有魔法の世界に入れば最後死あるのみだからね」
バリンっ!!
「ほぉーら、噂をすれば」
天がガラスの様に割れた。
「「「「っ?!!!」」」」
割れ目から漏れてる魔力を感じて、ルシフェルの物じゃないとすぐに気付いた。
凶々しい魔力に、ベルフィン、アスモディース、遠くに居るレヴィやベルセボネに危険信号の様な物が知らせる感覚が来た。
「ふっ、そうだな。噂をすればな」
サラはその魔力に見覚えがあり、嬉しそうに笑った。
割れた次元から、1人の長髪の男が降ってきた。
「ルシフェル!!」
ボロボロのルシフェルだったのだ、地面に落ちる前にアスモディースがキャッチした。
「ガハッ、化け物が」
ルシフェルが割れた次元のを指すと、1人人影が立っていた。所々燃えて居て、火傷の跡がある。殺意丸出しのシンヤが立って居た。
「おい、クロカの魔力が感じないぞ?」
すると、アスモディースが持ってた黒い箱にヒビが入ったが、シンヤの殺気にそれに気づく事が出来なかった。




