イヴとセリア
部屋に誰か入ってきた音が聴こえてシンヤは目を覚めるた。隣を見るとルティナはまだ寝ていた。
「おはようございます。マイマスター」
「おはよう、アイ」
シンヤが起き上がったると、ルティナも目から覚めたようだ。
「ティナ、おはよう」
「んはよ〜」
少し寝ぼけているようだった。
頭を撫でて、シンヤはベッドから起き上がった。
ルティナは自分の首を調べるように触っていた。
「どうしたの?」
「ん〜、何もないのじゃ」
噛み跡残っちゃったかな?
結構強く噛んでしまって、噛み跡が残ったのかと反省したシンヤだった。ルティナは何か思い詰めた表情になっていた。
(血を吸われた感覚があったのじゃがな。気のせいか?)
昨夜、首を噛まれだ時。自分の血を吸われた感覚をしていたが噛み跡もなく気のせいだと思った。
シンヤは、少し疲れと目眩がして壁に寄りかかっていた
「小僧、どうしたのじゃ。大丈夫か?」
「いや、分かんない。最近多くてな、ちょっと疲れてるだけだ。ごめん、やっぱりまだ寝る。アイも俺も待たずに先に朝食取ってきな」
「わかりました」
シンヤは辛そうにベッドに飛び込み、再び眠りについた。
ルティナとアイはシンヤを気にかけてながら、部屋を後にした。
「あれ?お兄ちゃんは?」
「また、二度寝じゃ。最近小僧は具合が悪いのじゃ」
「そうね、最近シンヤ君具合悪いよね」
アリア達も、最近のシンヤは具合が悪かった事に気づいていた。ルティナは先程の疑問をみんなに話した。
「なぁ、最近小僧に血を吸われてる感覚がするのじゃ」
「あ、分かる!」
リンもシンヤから、血を吸われてる感覚があった。
周りを見ると、まだシンヤと一つになっていない。スー、サラ、イヴ、キース以外はウンウンと頷いていた。
「旦那様、最近噛む事躊躇なくなったけど。なんか気持ちんだよね」
「え、カノンさん目覚めちゃったのですか?!」
「ルナと一緒にしないで」
「チクっとする感覚あったけど。首を見ると噛み跡無いし」
メイが言った通り、少しチクッと噛まれる感覚はするが噛み跡が無かったのだ。
ルティナは、みんなの話を聞いているとある事をボソリと呟いた。
「まるで、吸血鬼みたいじゃ」
「吸血鬼?確か首を噛んで、仲間を増やすんだよね」
日本では吸血鬼はいないが、ヒナタは吸血鬼漫画である程度の知識があった。人が考えた設定なので、異世界では本当はどんな感じなのかは知らないが。
「それは、始祖の吸血鬼じゃな。仲間を増やすってより、人を吸血鬼にさせるのじゃ。まぁ、始祖の吸血鬼は数が少ないがな」
「成る程ね」
「まぁ、始祖の吸血鬼に吸血鬼になっても下位吸血鬼になるのじゃな」
ルティナは、吸血鬼だったので。吸血鬼の知識はある程度あったのだ。
「この世界で、吸血鬼は何の目的で血を吸うの?」
「うーん、主に回復じゃ。自分自身も強化出来るが、まぁ殆どの吸血鬼は回復の為に吸うのじゃ」
「へぇ〜、じゃシンヤ君は違うね、逆に悪くなってるしね」
「なぁ、アリア達に聞きたいが、小僧は昔から血を飲むことはあったのか?」
幼馴染でもある、アリア、リン、クロカ、マナにシンヤは子供の時から血を吸う行為していたのかと気になっていた。
「一度もないですね。そもそも、首を噛む行為をした事無かったです」
「...そうか、なら大丈夫じゃろ」
(みんなが知らない間、小僧が始祖の吸血鬼だったら子供の時から血を吸わないと死んでしまうからのう。我の勘違いじゃ」
吸血鬼は、個人差によるが血を定期的に吸わないと飢餓状態に入り、無意識で近くにいる者を襲う習性がある、特に始祖の吸血鬼は。
ルティナは、シンヤは本当は始祖の吸血鬼だと予想していだが子供の時は血を吸ってないと言われ違うと断言した。
なぜ、ルティナはシンヤを始祖の吸血鬼と疑ったかと言うと、始祖の吸血鬼は自分の大切な者に他の吸血鬼に狙われないように、血を吸ってマーキングするのだ。
それが、シンヤと重なって始祖の吸血鬼と疑っていた。
「おっはよ〜」
すると、シンヤが階段から降りてきた。
降りてくるシンヤに向かって、スーが飛び込んで抱きついてきた
「パパ〜おはよう〜」
「ご主人様、おはよう」
「スーとイヴ、おはよう」
シンヤ達は、朝食をとり今日は優雅に暮らし魔法都市ルヴェルシドタウン向かっていた。次の日の夜に、シンヤの周りをグルグルと回って何か言いたげそうな雰囲気だった。
*********
「イ、イヴ?どうしの?」
「ご、ご主人様!私の交尾してください!」
「...お、おう。そうか」
いきなりの告白に、2人は顔を赤らめて無言な状態が続いてしまった。このままだと無言が続くとアイは気付いて、2人を部屋まで連れて行った。
こんな展開初めてじゃないのに、まだ慣れていない事に
本当ごめんなさい、ヘタレでごめんなさい。
シンヤは心の中で、ひたすら自分の惨めさに自分自身に謝っていた。
「...イヴ?さっきから静かだけど、大丈夫?」
「...うん、ちゃんとご主人様を満足させます」
「うーん、初めてなんだよね?なら、主人も奴隷じゃかく。対等な関係でやりたいな」
「...分かった、シンヤ」
「うん、しっくり来るよ。セリア」
この時間だけ、イヴは奴隷としてじゃなく。本来の自分のセリアに戻ったのだ。
「シンヤ、助けてくれて本当にありがとう。必ず恩は返すから」
「もう、セリアからいっぱい貰ってるよ。セリアと一緒に居るだけで、俺はそれだけで助けられててるよ」
「大好きシンヤ」
「ああ、俺もだ」
2人の夜は、影が重なり。愛し合ったのだ。




