世界樹 3
シンヤと老婆は激しいと攻防を続けて居た。
だが、老婆の方が優勢だった。
守れなかった。サラを守れなかった...
俺は何の為に強くなって来た、愛する人を大切な人を守る為に強くなろうとした。
でも、守れなかった。1人の女を守れなかった。
ああ、憎い憎い。あいつが憎い、俺が憎い
「ちっ、その悪魔が邪魔してるな。『精霊の強制解除』」
老婆は魔法を発動させて、シンヤに触れようとしたが一瞬で老婆の腕は吹き飛んだのだ。
「ちっ、何て速さだ。失敗した、先にその状態を解いてから殺すべきだ。何て強さなんだ」
うるさい、もう、良いよ。俺は何をすればよかった。
何を間違えた、何故サラを死なせた。
そんなの簡単だ、俺が弱いからだ。阿修羅や武甕槌から力を貰っても俺は弱かった。
力が足りなかった、俺にもっと力が有ればサラを守れた。
「はぁ〜、ばぁさん。少しは手伝う」
「そんな霊体で何が出来る!」
シンヤと老婆の激しい攻防中、ハルが老婆の後ろに周り混んで話しかけた。
「私がシンヤの注意を引きつける、その隙にバァさんは触れて。失敗したら貴方は死ぬ。おーけ?」
「分かった!!」
ハルは超スピードでシンヤに近づいて殺気を込めて攻撃した。シンヤはそれを避けてハルに攻撃しようとしたが、すり抜けた。
「何?鏡花水月?」
「違うよ、確かに使えるけど。私は霊体、シンヤは触れられないよ」
「ちっ、」
シンヤは触れられないと知って、ハルを無視して。
老婆を探した。老婆が消えて周りを見渡すと。
地面から一つの手が現れたのだ。
「とった!!『精霊の強制解除』」
シンヤの足を掴もうと瞬間、シンヤは後ろに飛び距離を取ったのだ。ハルは触れられ無かった事に怒った。
「バァさん!!何やってるの!」
「いや、成功だ。私の爪で引っ掻いた、まさか面倒でほったらかしにした長くなった爪が此処で活用するとは」
「うわ、完全に老ぼれてるじゃん。汚」
「うるさいわい!」
ハルと老婆がいがみ合ってる時に、シンヤはその場でガッカリと膝から落ちたのだ。
みるみると、体に広がってる呪印が右肩に戻って行ったのだ。
「ふー、サクラよ。良い作戦だった」
「...」
「サクラ?」
老婆がハルの名を呼んでも、無視して居た。
すると、先程言っていた事を思い出して
「ハルよ、良い作戦だ」
「そう、」
「そう、怒るではない。名前を間違えたぐらいで」
「いや、確かにそれに関しても少しは怒ってるけど。1番の理由は私の前でシンヤを悲しませて、私に攻撃させた事よ?霊体じゃ無かったら今頃貴方を殺してたかも知れないよ」
「なっ?!攻撃したのはお前だろ!それに、私がやって居るのは世界の為。邪神を倒す為だろ!」
「あっそ」
何も出来なかく、悔しがっていたシンヤは、2人の会話を黙ってて聞いていた。
世界の為にサラを殺したのか?俺にとって世界はどうでも良いのに。俺はサラが、サラ達が全てなんだ。
世界のせいでサラが死んだ?ならいっその事世界を滅ぼせば良い。
すると、シンヤの前に世界樹の枝にぶら下がっていた、黄金のリンゴが降って来た。
ハルと老婆はいがみ合って居た為、世界樹がシンヤにリンゴを食べさせて居る事に気付けて居なかった。
シンヤは世界樹の意志を感じ取ったのか
「何だよこれ、食えば良いのか?食えば世界が滅ぼせるのか?良いよ、食ってやるよ。堕ちたって構わない、力が入るなら何だってする」
シンヤはカブりと、かじった。
シンヤの魔力が暴走し始めた事に、やっと2人は何かシンヤが口にした事に気付いた。
「ばぁさん!あのリンゴは何?!」
「知らない!!私は精霊王として長年この世界樹に住んで居たが、あんなの初めて見た」
シンヤの左顔に新たに模様が現れた、左の背中に赤く少し半透明な翼の様なギザギザが生えてきて。
鬼のよう長いツノに、頭の上にはギザギザの輪っかが宙に浮いて居た。
「サク、ハルよ。あれが本来の神化、いや鬼神化だ。お前がたどり着け無かった。本来の神化の姿だ」
「何よあれ!!貴方倒せるの!!」
「む、無理だと思う。全盛期の時も少しキツイぞ。あれは?」
すると、老婆はやばいも感じたのか。シンヤの攻撃を反射的に避けた。
老婆は後ろを振り返ると、その威力に驚愕して居た。
シンヤはただ、刀を軽く下から上と振り上げただけなのに。空が天が割れたのだ。
「くそっ!まさか、本格的に神になるとは思わなかったぞ!」
老婆は魔法を自分に付与して、超スピードでシンヤに近づき攻撃しようとしたが、自分の高速移動みたいな速さで移動したのに、シンヤの視線はずっと老婆に向けられて居た。
「遅い...」
「何?!その眼は!!」
軽く避けられて、老婆は距離を取ったのだ。
シンヤの左目が黄金に光ってた事に、その目の正体を知って居て酷く驚いて居た。
「神眼か...
ありゃ、私と攻撃通らないぞ?」
「何それ?」
「神眼は一部の神族しか、使えない眼だ。いわゆる、魔眼の上位に当たるものだ。あれは、360度見渡せて。筋肉の動き魔力の動きを透き通るように見える事も可能だ」
「そんなの、貴方ぐらいなら。何とかなるでしょ?!」
「そうだが、やつの..シンヤのは黄金に光っておる。もう一つ能力がある、それが厄介なのだ」
「勿体ぶらず早く言って!!」
「はぁ〜、周りの動きを100分の1遅く見えるのだよ。あれは勝てない、神族の王やその右腕にしか持たないと言われる黄金の神眼だからな、無理だ無理。あれを止めてくれ、サラ」
「ほえ?!妾生きてる?」
生きて居た事に驚いてサラは人生で出した事ない可愛いらしい声を出してしまった、サラの死体が消えて。
目の前に生きてるサラが現れた事に、敵の前なのにシンヤは思わず走って強く抱きしめた。
「サラなのか?」
「う、うむ」
「良かった。本当に良かった、ごめん、ごめん。守れなくてごめん、俺が弱くてごめん」
「シンヤ...妾もお主を悲しませてしまって..うう」
サラが生きてた事、またシンヤと話せた事にあまり泣かない2人が涙をこぼしてしまった。
その感動の再会に老婆は思わず泣いたしまって、拍手をして居た。
空気を読めなかった老婆に対してハルは呆れて頭を抱えて居た。
「大精霊王様、何故シンヤに危害を加えた?」
サラは自分の子を守る様にシンヤを抱きしめ、シンヤを傷つけた老婆及び大精霊王に睨みつけた。
シンヤも、今の状態で刀を握りしめた事を見たのか、大精霊王は慌てて謝罪した。
「待て待て!もう、私は戦う気は無い。サラを殺した風に見せたのも全て幻術だ!実際殺してないし、そもそも私が同種族を殺す訳ないだろ」
「信じられん」
「シンヤ、別にこんな年寄りの言う事は信じなくても良いわよ。彼女良い加減な所があるし」
「サク、ハルまで」
また、名前を間違えそうになった時ハルは再び睨みつけた。
そう言ってる、ハルも今回の一件で警戒して居た。
「あんたもだよ、ハル。俺に何を隠してる?サクラって何だよ」
警戒されてる事に気付いたのか、ショックで膝から落ちてしまった。すると、サラが落ち着かせようとシンヤの頭を撫でてやった
「シンヤ、あの人はお主にとって味方だぞ、大丈夫、彼女はお主に手を出さない。妾が保証する」
「サラ知り合いなのか?」
「まぁ、昔会った事があってのう」
「サラちゃん、ありがとう!!」
サラがハルの事を信じられる相手だとシンヤに訂正してくれた事によって嬉しくなり思わず抱きしめた。
「辞めてくれ、妾は子供ではない」
「ふふ、確かに年齢的は私より上だね。でも、まさか貴方がシンヤとくっつく何てあの時誰が思ったのでしょうね」
「あの時はお前らがしつこかったんだ」
「ごめんね、私たち勘違いしてたからね」
2人は昔のできごとを思い出しながら、楽しく語って居た。
本当に知り合いなんだなっと、シンヤは思って居た。
「あ、そろそろ消えそうね。サラちゃん、シンヤを頼むよ」
「うむ、言われるまでも無い」
「他の嫁ちゃんにも会いたいな、特に幼馴染4人だね。シンヤを昔から見ててくれて感謝しないと、アリアちゃんにもね」
最後にハルはシンヤに耳打ちで話しかけた。
「シンヤ、アテナからの伝言ね。貴方なかなかギルドカード見ないからあの子悲しんでいたよ」
「あ、忘れてた」
「ふふ、まぁ良いわ。ここから真面目な話をするよ、一部の天使と神は貴方の存在に気付いちゃったよ。だから、もっともっと強くなりなさい、そしてアリアちゃんを絶対に守り通すのよ。彼女の家族は厄介だからね」
「なっ!ハルなんでそれを」
ハルが、アリアの事情を知ってた事に驚いて居た。
話を聞こうとした時に、ハルの周りが光出した。
「最後にアテナちゃん、下界に降りてくるからね。カードちゃんと確認して向かいに行ってあげなよ。バイバイ、シンヤ愛してるよ」
ハルはその場から消えてしまった。
左顔の模様は、フェアリーテイルのジェラールみたいな感じと思って下さい。




