エルフの親子 2
3本目
「カノンさん、メイさん、スーさん私はどうしたら良いのかな?私馬鹿だから、どうしたら良いのか分からないのです」
屋敷の隅の部屋で、体育座りで丸くなって座って居た。
「ルナがやりたい事を、やれば良いんだよ。ルナは本当はどうしたい?家族との縁を切る?」
「...あんな姿、見たら。私、私」
ルナは、家族の縁を切ると言った時本気で悲しんで居たシェラードを見て、自分がとった選択は合っているのか分からなくなって居る。スーは、シンヤみたいにルナの頭を優しく撫でた。
「お〜泣け泣け〜心の中に溜まってるものを全て吐き出した方が楽よ〜」
スーの温かい手の温もりに、我慢して居た涙が溢れて出ていく。
スーはそれでも微笑みながら撫でるのをやめない。
「よしよし〜私、親とか知らないけど〜少しでも縁を切りたくない気持ちがあるなら〜切らなくても良いんじゃない?〜」
「そうだね、私の時は本気で嫌って居たけど、ルナちゃんは本当は嫌ってる訳ではないよね。本当に家族の縁を切っちゃうと後悔するよ」
「...」
ルナは、このままで良いのかと心の中で迷って居た。
メイは微笑みながら、ルナの頭をスーと一緒に撫でた。
「ここだけの話だけど、裏でシー君家族を切る事反対してたよ」
「え?」
「シー君ね、ルナちゃんが本当に自分の父親を嫌ってる訳じゃ無いと気付いて居たんだよ。本当はシー君はね、止めようとしてたの。このまま縁を切ってしまって家族と離れ離れになってしまったら、ルナは本当に心から笑えるのかって悩んで居たの」
「心から笑う...」
「旦那様は、少し酔ってる時ルナの1番好きな所は笑顔って、溢してたよ」
前にみんなでお酒を飲んでる時の話をして居た。
カノンはしゃがみルナの背中を優しくさすった。
「そんな事言ってたのですか」
「うん、ルナが酔い潰れてる時頭を撫でながら。ルナの心からの笑顔が大好きって言ってた」
「そうなんですか...」
ルナは俯いてしまった、ルナは嬉しそうに口角を少し上がってた事に3人は見逃さなかった。
「だから、もう一度家族として見てあげたら?」
「はい、私もあんな事言ってしまった事に謝りに向かいます」
元気を取り戻したルナを見て、3人はルナの頭を嬉しそうにわしゃわしゃと撫でた。
ルナは嬉しそうな表情で居た
「や、やめて下さい。髪が、み、乱れちゃいます」
「お?何だ何だ。3人の美女が1人の美女をいじめるな」
シンヤは襖からスッと頭を出して、4人に茶化す様に言った。
「お〜パパ」
スーは、スライム状に戻りシンヤの頭に飛び上がった。
ルナは髪を整えて立ち上がった。
「シンヤさん、私今から謝りに行こうと思います」
「そうか、俺的にはそっちが良いな」
「はい」
そして、ルナ達は再び先程の部屋に戻り。
先にルナが襖を開けて部屋に入った。
「父上、先程はすみ、ウグッ」
「ルナ、すまなかった!」
ルナが、言い終える前にシェラードがルナに走り抱きしめた。
シェラードの啜り泣きを聴こえたのか、ルナも優しく抱きしめ返した。
「すまなかった、ルナの事をよく見ずに傷付けてしまった」
「私もごめんなさい。家族の縁を切るって軽々と言ってしまって」
「こんな不甲斐ない父親でも、ルナを愛する資格を再び与えてくれるか?」
「うん、」
ルナは涙を流して、強くギュッと抱きしめた。
シンヤ達はその温かい光景を、見て仲直りが出来たと良かったと安心する。
これで一件落着だな




