龍王と魔王
「あの〜メディ..お義母さん?龍王ってなんの事?」
メディシアさんと呼ぼうとした瞬間、強く睨みつけられたので、仕方なくお義母さんと呼んだ
シンヤは無罪と言い渡されてから、2日の月日が経った。
メディシアから、また嫁が増えたと指摘されたのでイヴとキースの事を色々と説明した。
グレアは何故か羨ましそうな目で見てきた。
ちなみにブルーノとスルスは、龍王が里を留守にしてる時に代わりにあの二人が管理をしてると言っていた。
進展はあまりないらしい。
今度あったら、俺がキューピットになろかな
シンヤは二人の進展を支える役をやろうとしたが、内心はただイジりたいだけだ。
「龍王ってのは、竜人族と龍人族と龍神人の王よ」
「いや、そっちの意味で聞いたんじゃなくて。そもそも、俺は人族なんだぞ?」
「龍神化使えるじゃん」
龍王、そんな軽い奴で良いのか?
「それに、メイリアの夫になるのよ?メイリアは龍王になる気ないし、何処の馬の骨が龍王を継ぐなら、シー君に継がした方が何百倍マシよ...いや、馬の骨より龍の骨かしら?ふふ」
「いや、面白くないから」
メディシアが上手い事を言ったつもりなのか、自分で笑ってしまった事にシンヤはツッコミを入れた
「なら、メイに兄弟とか居ないのか?」
「...いや〜」
「?」
メディシアが途端にあまり言いたくなさそうな表情に変わって行った、するとメイがシンヤの問いに変わりに答えた
「余に1人だけ兄が居たのよ」
「え?!兄居たの?!」
まさかのメイに本当に兄が居た事に驚いた
「まぁ、その兄は昔父上が破門にしてしまって。いまは行方知らずなの」
「本当、私が家を留守してる時にあいつは...」
「本当、あいつクズだな」
メディシアは悔しそうな表情を浮かべた、メディシアが居ない時にゲララレルドが自分勝手な行動に気付かず、子供達を嫌な思いをさせてしまい、心から悔やんでいた。
すると、メディシアがシンヤに向かって頭を下げた。
「お、おい。どうしたんだ?」
「ごめんなさい、シー君の約束を守れなくて。ゲララレルド達を私の不注意で脱獄しちゃいました。探索はしたけど、見つからず。本当にごめんなさい」
達って事は、名前忘れたけど、やたらメイに絡んで居た奴もか
「何で、お義母さんが謝るんだ?別にあいつらの為に頭を下げなくても...」
「多分、あやつらはシー君達に復讐をする為に、迷惑を掛けると思う。シー君と、貴方達の目の前に現せないでと約束したのに」
「え?何か違くね?」
「え?」
「俺が言ったのは、メイの視界に入れるなってだけだよ。そうか、脱獄したのか...本当にあいつらは俺に復讐をする為に現れるかな?」
シンヤは龍王の3人にそう、問いかけた。
その、問いにまずはテフィが答えたのだ。
「十中八九、現れるだろうな。あやつの目は完全に復讐の目をしてあったぞ」
「我は分かんないな〜」
グレアは相変わらずだな
「兵からの聴いた話だと、ずっとシー君の名前を連呼してたのよ」
「うわ、キモいな」
ゲララレルドが牢屋の中でずっとシンヤの名前を連呼してると聞いたシンヤはうわ〜っと嫌な感覚が走って居た。
「そうか、脱獄しちゃったか。もし、俺らの目の前に現れたら捕まえるべきか?」
「極力捕まえて欲しい。だが、殺しても構わない。もう、奴は捕まっても死刑は免れないからな」
「...そうか」
「シー君?」
「シン坊、お前」
シンヤはニヤリと不敵な笑みを溢してしまった、メディシアとテフィはその笑みの理由に気づいたのだ。
本来なら、メイを悲しませたゲララレルドを生かす価値何てこれぽっちも思っておらず、自分の手で殺したい程と思っていた、その機会が現れた事に好都合だった。
「あ、シー君」
「ん?」
横に居た、メイに肩をトントン叩かれ呼ばれた。
「父上...いや、ゲララレルドは余に任せて欲しい」
「え?メイは良いのか?」
「うん、余はあいつに対しての恐怖心を克服しないと。これ以上強くなれなと思うの。そうなったら、シー君達を足を引っ張ってしまう」
メイはゲララレルドとの過去で、恐怖の鎖で囚われてる自分を克服をすると、過去との自分を決別すると決心していた。その、メイの覚悟の眼差しを見て、シンヤは思わず抱きしめた
「無理だけはするな。だが、今のメイなら克服出来る。俺は信じてるからな。だって、俺が愛した奴だからな」
「シー君...余は心の底からシー君を愛してる」
2人がキスをしようとした瞬間、見てられなかったのかメディシアは咳払いをし出した
「コホンっ、夫婦のイチャつきは、誰も居ない所でやって。見てて恥ずかしい」
「「あ、」」
お互い自分達の世界に入ったせいか周りを見ていたなかった。公共の場でイチャついた事に2人は真っ赤になってしまった。メディシアは呆れた顔になり話を進めた。
「まぁ、そう言う所だから。次の龍王宜しくね」
「ちょっと、待て!!」
「じゃー、貴方が捕まった時助けたのは誰かな〜?あーあー、シー君って恩を仇で返す人なんだな」
「おい!ズル!あー!分かったよ!龍王になれば良いんだろ」
「よろしい」
「そもそも、他の奴らは良いのか?こんな見ず知らずの奴が次期龍王って」
グレア「あー、会議の時その女の提案に反対してた奴を全て力でねじ伏せて居たぞ」
「初代様、それ以上言ったらオヤツ抜きにしますよ?」
グレアはオヤツを抜きと言われ、口を強く閉めてだんまりとしてしまった。
子供か!!
「よし、龍王の事はもう良いや。次は魔王の話だな」
シンヤはルティナを見ながら言った。
「すまんのじゃ、我もそれの事は知らないのじゃ。今度父上の所に行って詳しく聞いてくれ」
「そうだよな〜、そもそも龍王は俺が龍神化使えるから龍王になれると言ってたけど。魔王は俺魔族でも無いぞ?」
「多分、その魔眼じゃ?それが有れば魔王としてなれるのじゃないか?」
「えー、魔王も軽いな。ルティナはやらないのか?」
「魔王か...前にお主にジグルドより、魔王の器があると言って居たが、正直我は興味無いのじゃ」
「お前もかよ...」
メイもルティナも次期、龍王と魔王は興味が無かったのだ。
シンヤは天井を見ながら、憂鬱のそうに深いため息を吐いた。




