リンとシンヤの過去 2
2本目
「馬鹿が!!何故森の奥まで走っていった!!誰にも見つからなからず死んで居たかも知れなかったんだぞ!!」
「うるさい!!私は貴方より強くなるの!!だから!」
「ちっ、話は後だ」
ゴブリンの集団が近づいてくる事に気づき、シンヤは倒れてるゴブリンから剣を奪って構えた。リンはシンヤの背中を見て驚愕して居た。そう、一本の矢が突き刺さって居たのだった。
「シンヤ...貴方」
「大丈夫だ、先にあいつらを片付ける」
シンヤはゴブリンの集団に突っ込んだ、前2匹を回転で斬った。そして、倒れたゴブリンのナイフを奪って、矢を此方に向けてるゴブリンに投げて命中した。
ゴブリンの集団を瞬殺してる、シンヤの姿にリンは釘付けだった。自分が倒せなかった相手をあんなにあっさりと、そして、何よりかっこよかった。
「シンヤ!!」
「グッ、」
リンがそう叫ぶと、シンヤの後ろに肩に矢が命中した、ゴブリンは命中した事によってニヤリと笑った。
シンヤは持ってた剣をゴブリンの頭に投げた。
「やり返しだ、クソが」
そして、最後の1匹の腹を蹴って馬乗りに乗り横にあった石を持ち上げゴブリンの頭を何発か当てて倒した。
「ふゅ〜終わった終わった」
「シンヤ!!」
戦いが終わって、リンがシンヤに駆け付けた。
シンヤはリンの説教を続けた。
「おい!リン!!お前何で1人でこの森に入ろうとした!!」
「シンヤだって、そうじゃん」
「...」
シンヤも1人で森に入ってる事を指摘され、少し黙ってしまった。
リンはシンヤの最中に突き刺さってる矢を見て、深く頭を下げた。
「ごめんなさい、私のせいで。貴方に怪我を負わせちゃって。ごめんなさい」
「ん?ああ、これか?こんなの慣れてるから良いよ」
慣れてる?
リンがシンヤが怪我する事を慣れてると言われ、疑問を抱いて居た。シンヤはそっとリンの頭を撫でた。
「何でそんなに強くなりたいのかは知らないけど、前にさリンが、リンと俺が何が違うのって聞いて来たじゃん?俺頑張って考えたのよ」
「え?」
2週間前、リンはシンヤに聞いた質問の答えをずっと考えて居たのだった。
「俺的に考えると、全部違うよ。俺は剣だけなんだよ、だがお前は違うだろ?剣だけじゃない、この2週間で気付いたんだよ、槍も弓も全部使えこなして居た、リンの凄い所は全てを使えこなせる所だよ。それがリンってじゃないの?」
「私は剣では貴方に勝てない」
「別に剣一つで勝てって言ってるんじゃ無いよ?俺は剣しか無いから剣一本で集中してるけど、リンは全てを使いこなして、悪い部分を他の良い部分で補ってるじゃ無いか?それがリンって事じゃ無いの?」
「悪い部分を他の良い部分で、補ってる?」
「ああ、うーん何て説明すれば良いんだろう?1+1が2になるんじゃなくて、4や6になるって感じだよ」
「あはは、何それ?」
シンヤの、例えが少し分かりづらくリンは笑ってしまった。
シンヤも自分の例えが少し分かりずらいと思い少し恥ずかしくなってしまって居た。
「まぁ、俺はリンが頑張ってる姿を見るのが好きだよ。良いじゃないか、目標があって俺を超えるか、楽しみだな。いつかはお前と肩を並べたいな」
「え?...」
「ん?」
リンはシンヤが好きって言われ顔を赤くなってしまい、慌てて立ち上がり、シンヤの手を引っ張った。
「馬鹿じゃ無いの!ほら、もう戻るよ、早く治療しないと」
「待て待て、そんな引っ張るな。痛いから」
2人は村に戻って行った、リンはサンにこっ酷く怒られリンは反省をして再びシンヤに感謝をして謝った。
シンヤは今村の病院のベッドの上でうつ伏せで休んで居た。
「本当ごめんなさい」
「良いって良いって」
シンヤは笑顔でリンの頭を撫でた、リンは頬を赤くしてシンヤの顔を見つめて居た。その光景を見てたサンとコリーナはニヤリと笑って居た。
「あらあら?リンもしかして攻略されちゃった?シンヤ君なら安心だわ」
「シンヤ...やっぱり女タラシだった」
すると、扉を強く開いた。入って来たのは3人の少女だった。
「シンヤ君!!」「お兄ちゃん!!」
「リン!!」
アリアとマナは心配しそうに、シンヤの所に行って。クロカはリンの所に行った。
「聞いたよ...リン1人で..森に入ったって...何でそんな事したの?」
「ごめん、クロ」
「あれ?クロカだよね?久しぶりだね?リンの知り合いだったの?」
「ん?...え?..シンちゃん?」
シンヤがクロカと顔見知りだったようだ、リンを助けた相手がシンヤだと知らず、病室の中でシンヤと再会した。
シンヤは何週間ぶりに、クロカと会った事に頭を優しく撫でた。クロカは嬉しそうに頬を赤らませて居た。
リンはその光景を見て驚いて居た。
「ちょっと、クロ来て!」
「ん?...」
リンはクロカを部屋の外まで引っ張った。
「ねぇ、前クロが気になってる男が出来たって言ってたじゃん?もしかして、彼の事?」
「...リン..シンちゃんに惚れちゃった?」
「...え?そんな訳無いじゃん!」
「やっぱり...」
リンが顔を赤くして慌てて否定した事に、クロカはリンがシンヤに好意がある事に気付いた。
クロカはフッと笑みをこぼした。
「まさか...親友がライバルになるとは...」
「だから、私は」
「リン...正直に言わないと...口聞かないよ?」
「ぐぬぬ、卑怯よ。うん、多分好きになっちゃったのかな?」
リンは恥ずかしそうに自分の胸に手を添えて、クロカの質問に答えた。
そんな可愛らしいリンに、クロカはニコニコと宣言した。
「なら...ボク達は今日から...ライバルだ」
「やだよ、クロとは争いたく無い」
「じゃ...」
クロカはリンにある提案を出した
「一夫多妻制...私達一緒に...シンちゃんと...結婚すれば良い」
「クロ!そうだね!!そうした方がみんなハッピー!」
「でも...まだ...ライバルは居る」
「え?あー」
リンとクロカは、シンヤの方向を向いた。シンヤに説教をしてるアリアと、泣きながらシンヤに抱きついてるマナが居た。リンとクロカは、噂では聞いた事があるがあの2人とは話した事が無かったのだ。
「なら、あの2人も説得すれば良い」
「あまり...嫁が..多いのはやだけど...あの2人の方が...多分先にシンちゃんに惚れてるから...ライバルにするよりは...ハーレムにした方が平和」
「ふふ、そうだね。じゃ、あの2人に挨拶しないとね」
「ん...」
私もクロみたいに、シンヤの事をあだ名で呼びたいな。思い切って呼んでみようかな?
「シン!!!」
リンは部屋の中に戻り、シンヤの名をあだ名で呼んだ。
シンヤは反応して、女性陣4人が自己紹介をした。
この日からシンヤ達は5人は仲良くなったのだ。
「おい!試合中に何を考え事をしてる!!」
「別に」
コヌーは考え事をしてたリンに向かって斜めに剣を振った。リンはその攻撃を剣で受け止めて、コヌーの腹に向かって蹴りを一撃入った。
「ガハッ」
コヌーは遠くに飛ばされ、受け身を取り立ち上がった。
だが、リンはずっと迷って居た。
昔の事を思い出したせいか、今の自分がまた大切なあの人に迷惑かけるんじゃないかと頭の中がそれで一杯だった。
リンは迷ってる中戦ってるせいで、戦いの思考が遅れて居たのだった。
リンが無鉄砲でコヌーに近づこうとした時、リンが最も愛してる男の声が町中に響き渡って居た。
『リン!!!!!!!!!!!!』
「え?」
その声に会場中が驚きザワザワと声の場所を探って居た。




