リンとシンヤの過去
あれから、2週間の月日が経った。ずっと、シンヤの後をリンは追っていた。
今は2人は朝から素振りをして居た。
「俺この後1人で行きたい所あるから、お前はここで残ってくれないか?」
「やっ!どうせ、隠れて1人で強くなろうとしてるのでしょ?」
「そんな事しないって...うん、良いよ着いて来ても」
シンヤは諦めてリンも連れて行こうとした、シンヤは念押しにリンの耳元で呟いた。
「これから行く所は母さん達には内緒だよ?」
「どこに行くのよ?」
「森の中だ」
「森?モンスターが居て危険じゃない!子供だけで行くって」
「そんな奥には行かないよ」
勝手に家から剣を取り出し腰につけて、リンとシンヤは2人だけで森の中に入って行った。
シンヤ達と出会したのは、ボーンラビットだった。
ボーンラビットが、シンヤ達の姿を見るといきなり突進して来たのだった。
「ふん!」
シンヤはボーンラビットの頭を切り落とした。
「ねぇ、あんた何やってんの?」
「ん?こうやって実戦を経験してるんだ。修行ばっかりだと、つまらないじゃん」
「いつも、こんな事してるの?」
「いや、バレたら怒られるからな。月に一度ぐらい隠れてやってるよ」
「ふーん」
そう言って、お互いはホーンラビットを倒してその場で調理して食べて村に帰ったのだった。
次の日、リンの母親でもあるサンが家にやって来たのだった。
コリーナは部屋にいるシンヤを呼び出した。
「ねぇ、シンヤ。ちょっと来て」
「ん〜?」
シンヤは部屋に出ると、サンとコリーナの深刻そうな顔で見て来たのだった。
「ねぇ、シンヤ君最近うちのリンと仲良いよね?」
「え?そうだね?」
まぁ、仲良いって訳じゃないけどね
「今朝からリンの姿が見えないのよ。どこか行ったか分からない?」
「何も聞いてないな」
「そう...」
サンは自分の娘がどこに行ったのか心配になり、コリーナと2人で探しに行ったのだった。
シンヤは部屋に戻り再び寝ようとした瞬間、ふと嫌な考えをしてしまった。
あいつって俺の修行方法を真似るって言ってたよな?まさか?
シンヤは立ち上がり、森の方に向かって行った。もしかしたらリンはシンヤが時々森の中で修行した事を聞いて自分も真似ようとしてるんじゃないかと心配になり、走って行った。
私は今森の中に居る、あいつがコソコソ隠れてこんな修行してたなんて、私もあいつより強いモンスターを狩ってけばあいつより強くなれるよね
リンは古くて少し刃こぼれしてる剣を握って、森の中を探索した。ホーンラビットを、見つけて後ろから襲った。
「おらぁ!やった!」
ホーンラビットは見事に倒して、リンははしゃいで居たのだった。足音がする方向を見た、茂みから緑色の肌が現れたのだった。
「あれってゴブリン!!あれを倒せば」
リンは構えて、ゴブリンに攻撃した。
いきなり襲われたゴブリンは驚いきながら、リンの攻撃を避けた。
「クソー!これなら」
リンは尻もちをついたゴブリンが体制を直してる隙に顔目掛けて剣で突き刺した。
「ガァァ」
「やった!!勝った!勝った!この調子だ...え?」
ゴブリンの断末魔が森中ひびき渡っており、仲間が駆けつけたその数なんと9匹だった。
リンは数の多さに手が震え出した。
「だ、大丈夫。私なら勝てる」
リンは前にいたゴブリンを襲った、ゴブリンは軽くリンの剣筋を弾き返し剣を飛ばされてしまった。
リンはやばいと感じて、後ろに回り込んで走って逃げた。
リンはがむしゃらに走った、ゴブリン達は諦めずずっと追いかけていた。
「何やっての...私が逃げる?そんなのありえない」
リンはいきなり立ち止まり、ゴブリン達の方向に振り向いた。落ちてた木の棒を拾って構えた。
「私が逃げたりしない、逃げたらあいつを追い抜く事さえ出来なくなる」
リンはゴブリンの集団と戦う決心をついた、1匹のゴブリンがリンに剣を振りかざした、その攻撃を避けて木の棒で思いっきりゴブリンの後頭部にヒットした、後ろにいた弓を持ってたゴブリンが矢を放った。
リンは目を瞑ってしまい
やばいやばい、死んじゃう
すると、誰かが自分の腕を引っ張ったのだった。
グサッ
リンは目を開けると、目の前に居たのは1人の男だった。
男はリンの両肩を掴み、怒鳴ったのだった。
「馬鹿が!!何故森の奥まで走っていった!!誰にも見つからなからず死んで居たかも知れなかったんだぞ!!」
その男の正体は、溢れる才能を妬んで居た人物シンヤだった。




