案外いい奴かも知れない
「てか、何でついて来てるのよ?」
「俺もそっちなんだよ」
「そう、別に一緒に居るのは良いけど。馴れ馴れしくしない事ね。私達は敵同士、今でも貴方を殺したいって思うぐらいよ」
「別に一緒に居たいとは思ってないけど...」
シンヤとレヴィは行く所までの道が同じだったので、仕方なく肩を並べて街の中を歩いていた、
「そういえば、ツノは?」
「あんなの街中で生やしてみなさいよ。私の魔力を感知して馬鹿どもに襲わられるに決まってるでしょ?少しは考えなさい!アホなの?」
「へいへい、すんませんでした」
シンヤは悪魔族の事をあまり知らないかったから純粋に質問しただけなのに、レヴィにアホ呼ばわりされて少し落ち込んでしまった。叱られたので適当に謝った。
「んで、お前の名前は?」
「ん?そういえば名乗ってなかったな。俺はシンヤだ、お前は?」
「は?私名乗ったわよね?」
「忘れた、てか聞いてなかった」
「はぁ〜私はレヴィよ、もう忘れないでね。馬鹿シンヤ」
おい、馬鹿は要らないだろ!
「ああ、レヴィちゃん」
シンヤは馬鹿呼ばわりされたので、お返しにちゃん付けで呼んだ。
「キモッ!」
いきなり、シンヤにちゃん付けされた事にレヴィは引いてしまって居た。
「んで、レヴィちゃんは何しにこの街に?」
「そのちゃんは取らないんだ。まぁ良いわ。私はただこの街に通りすがっただけよ」
「ふーん、なぁ七つの大罪って何だ?」
「何でそんな事を教えなくちゃいけないのよ?自分で調べれば良いじゃん。あと馴れ馴れしすぎ!喋りかけないで」
「分かった」
シンヤは黙ってしまって、お互い無言で歩いていた、その無言の空気にレヴィは耐えきれなくなってしまった。
「七つの大罪は「七つの死に至る罪」って言えば良いのかな。生物を罪に導く可能性があると見做されてきた欲望や感情のことを指すものよ。悪魔族の王を従えて、最も強いとする7人にあのお方から与えられる称号みたいなものよ」
「へぇ〜」
「私は嫉妬で、他には傲慢、憤怒、怠惰、強欲、暴食、色欲があって、それぞれ特殊な能力があるって感じよ」
「レヴィちゃんって7人の中に入るぐらい強いって事なのか?」
「昔はね。神族との戦争で敗れて力を失ってるだけなのよ。本来の力さえあれば馬鹿シンヤを瞬殺するぐらい強いからね」
「そういえばあのお方って誰なんだ?」
「私達の悪魔の王よ。生き残りの悪魔族、特に七つの大罪は力を取り戻してあのお方を復活させるのよ。それが必要なのは死体や強力なモンスターの魔石なのよ」
「だから、レヴィちゃん魔石を欲しがっていたのか」
「まぁ、私はあのお方ってより私の力を取り戻す方が優先だけどね。あのお方の復活はついでって事よ。私にとってあのお方はあまり思い入れが無いからね」
「ふーん、じゃ。レヴィちゃんは自分の為にお嬢を苦しめたのか」
それを聞いたレヴィの顔を少し暗くなって、下を向いてしまった。
「正直悪いと思ってるわよ」
顔見ればすぐ分かった。まさかレヴィに罪悪感があると分かったシンヤは少し感心してしまっていた。
シンヤはレヴィの頭の上に手を置いた
「何だ、お前でも悪いって思う気持ちはあるんだな。見直しちゃったな」
「うるさい、触らないで汚れる」
レヴィはシンヤの手をはらって、シンヤより先に前を歩いた。棒付きキャンディを取り出して、舐め始めた。
すると、目の前で泣いてる少女が居た。レヴィはその少女の所に向かって行った。
「貴方どうしたの?」
「うえええん、風船が飛んじゃったの」
「風船?」
「あそこ」
「あれね、分かった」
少女は飛んでいった風船に指を指した、レヴィはその風船を見つけて、高くジャンプして風船の紐を掴んだ。
地面に着地して少女に風船を渡した。
「今度は飛ばさないようね」
「ありがとう!お姉ちゃん」
少女は風船が戻って来た事に嬉しそうに笑って、トコトコと走って行った。その光景を見てたシンヤは思わず笑ってしまってた。
「ぷっはは、悪魔が人助けか」
「何?悪い?悪魔が人助けしちゃ行けないの?」
「いや、悪く無いよ。お前って案外良いやつかも知らないな」
「ふん、あまり気を許さない方が良いわよ。一応私は貴方の大切な人を殺そうとしてたのよ」
「へいへい、そうだっな」
レヴィはツンっとなってシンヤから目を逸らした。
「ん?」
シンヤは空に、また先程の赤い風船が飛んでる事に気付いた。
「あらら、また離しちゃったのかな?」
「本当、迷惑かけるわね。人族って言うのは」
少女が走って行った先を見ると、少女が再び泣いていた。馬に乗っていた3人組の男達に連れ去られていた。
「誘拐か」
「おい、馬鹿シンヤ。助けに行くわよ」
「わぁってる」
シンヤとレヴィは連れ去れた少女を追いかけた。




