ダンジョンボス
「お嬢、俺が渡した水晶いつでも割れる様に持っていろ」
「わ、分かった」
シンヤはその影から漏れてる闘気を感じて、やばいと思っていた。キースはいつでも水晶を割れる様に手に持っていた。
パチパチパチパチ
部屋の奥から手を叩く音が聞こえて来た
「諸君!30階層到達おめでとう!」
奥から男の声が聞こえてくるが、姿は現さなかった。
「お前がダンジョンマスターか?」
「ほーう、ダンジョンマスターを知ってるのですか。まぁ、良いでしょう。本当はダンジョンマスターが挑戦者の前に現れるのはルール違反ですが、貴方もズルしてるので良いですよね?」
「ズル?あー」
シンヤはダンジョンを降りる時地面を壊して近道をして居た事をズルだと言っていた、
「貴方達の最後の試練です。30階層のボスナイトメアを倒しせば南のダンジョンは攻略となります」
「ナイトメア!!」
ナイトメアの名を聞いてキースは驚愕をして居た。
「あんな怪物実在してたの!」
「知ってるのか?」
「ええ、ナイトメアは初代魔王を護るために作られた伝説上のモンスターよ!見た目は騎士だけどめちゃくちゃ強いって書かれていたわ」
「ふーん、ならあいつを倒せばお嬢の呪いは消えるんだよね?」
「無理よ!あれはやばい!ここから逃げましょう!」
「...ちっ、それもそうだな。あれと今の状態で戦うのは勝てる見込みがないな」
「おや?逃げるのですか?どうやって?ドアは閉まって居ますよ?」
シンヤ達が入って来た扉は閉まって居て逃げれる訳がないとダンジョンマスターは思っていた。
「悪いなダンジョンマスターさんよ、こっちには知り合いのダンジョンマスターが居てよ、もしもの時に作ってくれた物があるんだ。お嬢割ってくれ」
「うん!」
キースは最初を割った
「ほーう、それはダンジョンから転移帰還させるアイテムですね?」
アイから渡された水晶はダンジョンの入り口に転移できる代物だった。
シンヤは微笑みながら、キースの頭を撫でた
「お嬢、一つ嘘ついちまったよ」
「え?」
「それは、一人様なんだ。帰還様の水晶一つしか無かったからお嬢は逃げてくれ。俺は必ず帰ってくるからな」
キースの周りは光り出した
「ねぇ!馬鹿従僕!!どう意味よ!」
「約束しちまったからよ、お嬢を生きて返すって」
「馬鹿!馬鹿!私も残るに決まってる!これどうやって中断するのよ!」
「無理だよ。一度発動したら途中から辞められない」
「あれに一人で立ち向かうの?!そんなの君が死んじゃうよ」
「あはは、俺は死なないよ。俺の帰りを待ってくれる人達が居るんだ。勝手に死ぬ訳ないだろ」
「まっt」
シンヤの前からキースの姿が消えた
「これで、存分にお前と戦えるぞ。ナイトメアやっけ?」
「あははは、お前面白いね!仲間を守る為に自分を犠牲になるとは」
「犠牲になった訳じゃねよ」
「ほーう、まだ逃げれると思うのですか?次は逃しませんよ?」
「なんで、俺が逃げる前提で話すんだ?ナイトメアを倒して帰るに決まってるだろ」
「一人でナイトメアを倒すのですか?そりゃ出来るならやってみて下さいよ!さあ、ナイトメア傲慢な愚かな奴を殺してしまいなさい」
ナイトメアの目は赤く光り出して、影から自分と同じぐらいの長さの剣を取り出した、ナイトメアは3メートルぐらいあるだろう。
ナイトメアは超スピードでシンヤに近づき、シンヤに攻撃した。
「なっ?!」
シンヤは刀で防御したが、そのまま壁に吹っ飛ばされてしまった。
「くそ、はぁ、今ので骨いっちまったか?なんで力だよ」
「グハハハ、ナイトメアの攻撃を受け止める馬鹿が居るか!ナイトメアの力はドラゴンを軽く片手で吹っ飛ばすぐらいだぞ!」
シンヤは全身に<気>を纏わせて、呪印を最大まで広げた。
「お?何か強くなったが。そんぐらい強くなってもナイトメアには勝てないよ」
「それはどうかなっ!」
シンヤは超スピードでナイトメアに近づき阿修羅道丸で攻撃した、ナイトメアは剣で防いだ。
「さっきのお返しだ!!」
ナイトメアは遠くに吹っ飛ばされて行った。
飛ばされたナイトメアは受け身を取り、シンヤに超スピードで近づいて行った。
「修羅壱ノ太刀・双不知火」
二つの炎の剣筋はナイトメアを襲った。ナイトメアは片方の攻撃は止められたが、もう片方は食らってしまった。
「かってぇ〜。傷一つつかねぇのかよ、こりゃ勝ち目あるのか?」
「グハハハ!ないよない!!お前がナイトメアに勝てる訳がない」
ナイトメアは無数の黒い球体を出して、シンヤに放った。
シンヤは飛んできた球体を全て避けたり、斬ったりした。
「やべっ」
ナイトメアはシンヤの後ろに回り込んで剣を振り下ろした。
「おや?それはどんな魔法ですかね?」
シンヤは歪む様に真っ二つにされたが、ダンジョンマスターはシンヤから血は出て来なかった事に対して偽物と分かった。
「修羅伍ノ太刀・ねじれ火車」
ナイトメアは後ろに回り込んだシンヤに気付いて後ろに剣を振り回したが、シンヤは先に技を繰り広げた。
炎を纏わせながら回転を加えつつ切り上げているよう斬った。
シンヤは瞬時に閻魔を鞘にしまって、雷電の柄を強く握りしめて、上に吹っ飛んだナイトメアに飛んだ
「雷電壱ノ太刀・一道稲妻」
居合でナイトメアを斬った。ナイトメアの首は地面に落ちて行った。
「まだ終わってないよ?」
ダンジョンマスターがそう言い放った瞬間ナイトメアの頭は宙に浮かび自分の体に戻って行った。
「ちっ、ゴーレムと同じ魔石を狙わないと行けなかったのか」
「正解だよ!!ナイトメアは魔石を壊さないと死なないのです。まぁ、魔石はナイトメア本体より物凄く硬いですけどね。どうするのですか?!勝てるのですか!ハハハハ」
シンヤはダンジョンマスターの笑い声に苛立って来た様だった。
「次は殺す。テメェごとだ」
そして、ナイトメアとシンヤは高速移動しながら、激しい攻防を繰り返した。




