シンヤ対執事
「なら!私も着いていく!」
「え、いや俺1人でやる」
「自分の事は自分でやるから。ただ何もしないで待ってるのは嫌だ!!だから私もダンジョンに潜る!」
「キース!それはダメだ!」
キースがシンヤと一緒にダンジョンに潜る事をベドュは反対した。
「キース!お前には危険すぎる!!ダンジョンに強いモンスターがいるんだぞ!」
「私も戦える!」
「今は無理だろ!」
キースが自分の事は自分で処理したい気持ちにシンヤは答えようとした。
「ベドュさん、お嬢は俺が守るから一緒にダンジョンに潜らせてくれないか?」
「だが...」
「ベドュ、シンヤ君ならもしかしたら成し遂げるかもしれないよ」
「ダンジョンの最深部なんて...そんなの誰が到達するんだ」
「俺だよ」
シンヤがベドュの前に立ち名乗り出た。
キレシュはシンヤ達の功績を思い出して、一つの希望となった。
「ベドュ、シンヤ君を信じましょう」
「例え一つの国と対等に渡り合える実力とは言えダンジョンを攻略するなんて」
「可能よ!シンヤ君なら。だって、彼は北のダンジョンの攻略者でもあるのよ!」
「北のダンジョンの攻略者?」
ベドュはシンヤが他のダンジョンを攻略したと聞いて目を見開いてキレシュを見ていた。
「俺が必ずお嬢を守りながら、南のダンジョンを攻略してみせるよ」
シンヤはキースの頭に手をポンっと置いて言った、ベドュはシンヤの本気の眼差しを見て信じてみようと決意した。
「分かった、ダンジョンは攻略しなくても良い。だが、キースは必ず守ってくれ」
「ああ、第一はお嬢を守る事を優先する。お嬢は今から支度してくれ、外で待ってる」
シンヤはキースの支度を待つ為に、先に執事と外に向かって行った。一緒に歩いてると執事に呼ばれた。
「シンヤ様、私と模擬戦しませんか?」
「ん?」
「シンヤ様が強いとは分かります。ですが、お嬢様を守りながらダンジョンを攻略出来るとは信じられません。なので、私に貴方の実力を教えて下さい」
「成る程」
執事はキースの事を我が娘だと思うほど大切だった、それを危険なダンジョンに今日出会ったばかりの男に本当にたくせるのか、迷っていた
「お嬢が来るからな、最初から本気で来い」
「望む所です」
お互い構えた。執事は拳を握りしめて居たので格闘家系のタイプだとシンヤは思った。
「刀は抜かないですか?」
「へぇ〜これが刀って知ってるんだ」
「昔に、何回か見た事ありますからね。はっ!」
執事が仕掛けて来た、執事はシンヤに殴りを入れたがそれを避けて執事を掴もうとしたが、執事が煙の様になり触らなかった。すると、シンヤの目の前に執事の拳が飛んできて、反射的に防御して回し蹴りで執事に反撃した。
「素晴らしい、今のは初見殺しだったですがね...反撃までされたとは」
「どう言うカラクリだ?触ったと思ったがな」
「私は昔黒髪なんですよ。今は年寄りで白になっちゃいましたが。私は日の国である道場で修行してた身なのです。今のは鏡花水月、認識をずらして発生した幻影で相手を惑わすのですよ。触ったと思ったら実際は触って無いのですよ。これはカグヤザカ家の秘術です、私は才能が無かったので真の力まで発揮出来ませんが」
また、カグヤザカ家か...でも、何でだろう。鏡花水月か..俺でも使えそうだな
「お話はこれで終わりです。決着を付けさせて頂きます」
執事は再びシンヤに超スピードで近づいた、シンヤは構えるのをやめてそのまま立って居た事に少し驚いたが執事は攻撃を止めなかった
「はっ!」
執事はシンヤの体目掛けて攻撃を入れたが手応えがなかった、執事はシンヤの体を見ると歪んで居た。人の体を貫く程の攻撃では無いはずなのに、執事の拳はシンヤの体を貫いて居た。
「なっ!」
執事は殺してしまったのかと慌てたが、後ろから足払いをされて執事はその場で倒れた。執事は後ろを見たらシンヤが立って居た。貫いて居たはずのシンヤはその場に居なくなって居た。
「いつの間に?今の技って..まるで」
「これが、鏡花水月か。なかなか良いな」
「私の見様見真似でしかも1発で成功させた?それに、私より性能は良かった...貴方は化け物ですか?」
シンヤは秘術と言われてる、鏡花水月を1発で成功させた事に執事はすごく驚いて居た。
シンヤはもっと執事からカグヤザカを知りたいと思った。
「そう言えば、あんた名前を聞いてなかったな」
「すみません、名乗るのを送れました。私はクロタロウ=カグヤザカです。カグヤザカは師匠から頂いた家名でございます」




