シュワシュワした黒い奴
「マスター、目の前の馬車が襲われています」
南のダンジョンにあとちょっと着く頃に、目の前の2台の馬車がモンスターに襲われてるのを確認した。
馬車の護衛だと思う、冒険者達は武装したゴブリンと交戦中だった。
その報告を受けた、サラからマッサージ中の上半身裸のシンヤはあまり興味無さそうだった。
「どうするの?」
「ヒナタが、助けたいなら助けに行くよ」
「うーん、本当は自分達が解決するのが当たり前だけど、見捨てるのも気が引けるし、私は助けに行くよ」
「なら、助けに向かうか」
シンヤは立ち上がり、ジャケットを羽織った。
「良いよ、私一人で行くから」
「分かった。後ろで見てるだけにするよ」
シンヤが向こうとした瞬間、ヒナタが一人でやると止められた。シンヤは何もしなくても良いと言われたのでついて行くだけだった。
冒険者の人数は8人、それに対して武装したゴブリンは40体近く居た。
馬車に降りてヒナタは、鞘からレイピアは抜いてゴブリンと交戦中の冒険者に近づいて行った。
「助けは必要かしら?」
「え?冒険者か?!助けてくれるなら助かる!」
「分かった」
目の前に居たゴブリンの頭をレイピアで貫いた。
「速い...」
冒険者はヒナタのあまりにも速かった動きに驚いていた。
ヒナタは次々と武装したゴブリンの鎧の間を1発で貫いて殺して回った。
シンヤはナックルの穴に指を通してクルクルと回しながら見ていた。
あっという間に、1分もしないうちに武装したゴブリンは全滅した。
護衛の冒険者達は40体近く居たゴブリンを1人の女の子が瞬殺した事に目を見開いて驚いていた。1人の青年が代表してお礼を言った。
「ありがとう。君のお陰で助かったよ、俺のお金だ」
男はお金が入った袋をヒナタに渡そうとしたが断った。
「私が勝手に助けたから要らないよ」
「君も冒険者なのかい?1人なのか?もし、良かったら俺達と近くの国まで一緒に来て欲しい」
「私1人じゃないよ」
「よっ!」
「うおっ!」
冒険者の後ろにいきなりシンヤが挨拶して来た。冒険者達はシンヤが近づいて来た事に全然気付いて無かった。
「いつの間に...」
「ヒナタおつかれさん」
「ダーリン戻ろう」
「おう」
シンヤ達が馬車に戻ろうとした瞬間にヒナタに1番最初に話しかけて来た冒険者が呼び止めた。
「ちょっと!待ってくれ!」
「ん?」
「君はその子の仲間かな?ここから近くの国は遠い。もし良かったら俺らと来るか?」
冒険者達が使ってる馬車に誘われた。シンヤ達の馬車が遠くに待機していたので、シンヤ達が歩きだと勘違いしていた。
「良いよ、俺ら馬車あるし」
すると、遠くから馬が走ってくる音が聞こえて来た。どんどん黒い物体が近づいて冒険者達は少し驚いていた。
「ほら」
「それは残念だった。俺はBランクのマルクだ。宜しく。俺は借りを返したい助けたお礼を是非したい。俺が出来る事なら是非言って欲しい」
マルクはヒナタを見た言った、ヒナタは見返りが欲しくて助けた訳じゃなかったので、お礼がしたいと言われ少し困って居た。ヒナタは少し考えた。
「マルク君だっけ?南のダンジョンがある国は詳しい方?」
「ああ、何回か行った事あるからな」
「じゃーお礼に、その国のお勧めなものってあるかな?」
「それで良いのか?サートュ国のおすすめなものと言えば、コーラだな」
「え?!」
ヒナタは目をキラキラにさせた
「コーラってあのシュワシュワした黒い奴の事?!」
「それだぞ」
「え!!ダーリン早く行こう!!コーラだって!」
「何だそれ?」
「飲み物だよ!めちゃくちゃ美味しい奴!」
「へー、ヒナタが美味しいって思う飲み物か気になるな」
その2人の会話を見たマルクは2人の関係に気になったのか聞いて来た。
「一つ聞きたいが君達の関係は?」
「ん?俺のヒナタとは夫婦だな」
「そう!結婚前提としてお付き合いしてるの」
「そうか」
マルクは2人の関係を聞いて落ち込んでいた
「んじゃ、コーラの件教えてくれてありがとな」
「バイバイ」
シンヤとヒナタは馬車に入り出発した。落ち込んでるマルクに他の冒険者が集まり肩をポンっと置いた。
「マルク一目惚れだったのか?」
「...うん」
「あれは美しかったよな。俺でも見惚れちまったよ、マルクサートュ国に着いたら一杯奢ってやるよ」
「ラマクそんな気遣い要らない」
すると、馬車の中から8歳ぐらいの少女が出てきた
「マルク!ゴブリンは倒したのか」
「カトレア様外は危険です。馬車の中にお戻り下さい、ゴブリンはある女性が倒しました」
「むっ、女性?」
カトレアはマルクの口から女性と聞いてほっぺを膨らませていた。それを見てたラマクは大笑いをした。
「あははは、マルクお前には元から相手ががいるぞ」
「何言ってんだ?」




