再び二つ名
「おおお!懐かしいですね」
「8ヶ月前ぐらいか?」
ルナは外の景色を見る為に窓から顔を出していた。
そして、門の前で検問を行う為に門番に止められた。
「貴族様でしょうか?この街に何しに来たんですか?」
馬車からシンヤが降りて来た
「久しぶりだね」
「ん?その顔は..おお!あの時奴か!噂は聞いてるぞ。最近暴れてるらしいじゃねぇか」
「あはは」
「君は前も検問した事あるからカード提出は良いよ」
「それはありがたい」
「それで、この街には何しに来たんだ?」
「ん?ああ。近いうちにスタンピードが起こる。この街が危ないからね。守るに来た?って言えば良いのか?」
「...ん?スタンピード?それは本当か?」
「ああ、だから気を付けろよ」
シンヤ達は門番に挨拶を交わして、冒険者ギルドに向かって行った。
シンヤ達はギルドの中に入った時他の冒険者に注目された。美女の集団が入って来たと。騒いで居たがすぐにシンヤを見た。
だが、いつもと違う反応だった。いつもなら、誰かがちょっかいかけてくるが今回は誰もかけてこない
そして、見覚えある猫獣人の受付嬢に向かった
「いらっしゃいせニャ、依頼ですニャ?ん?おーシンヤ様じゃ無いか」
「久しぶり...タコさん?」
「猫さん!!自分がつけた名前ぐらい覚えて下さいニャ!てか、私の名前ネコじゃ無かったニャ」
「すまんすまん、俺人の名前覚えるの苦手でさ」
「酷いニャ、まぁそれは良いニャ。この何も無い街に戻って来たのはどうしてニャ?」
自分が住んでいる所を、何も無いって言うのか
「スタンピードが起こるから、それを止めに来た」
「...シンヤ様達が来ると騒がしくなるニャな、シンヤ様が言うなら本当だと思うからニャ。一応冒険者達に伝えるニャ」
「あー、良いよそれは。街の中に待機させて、スタンピードは俺達が止めるから」
「自分達の街は自分達で守りたかったが、シンヤ様達ならむしろ私達が邪魔ですニャね。分かったニャ」
「別にそこまでは言って無いけど」
ネコさんはシンヤが思ってる事を見抜いていた
「あ、そうそう。二つ名あったんだったニャ。えっと、冥帝様」
「あはは」
「それにラストカネスで暴れた事によって、他の連中にも二つ名着いたニャ。ランクも上がってる。いや〜動画見たけど冥帝様達の活躍素晴らしかったニャ」
「え?二つ名増えてるの!」
ネコさんから今回着いた二つ名とランクを聞いた
Sランク『冥帝』シンヤ
Aランク『紅蓮剣』リン
Aランク『稲妻の聖女』アリア
Aランク『動く要塞』マナ
Aランク『月姫』カノン
Aランク『魔弾姫』ルナ
Aランク『黒鉄の魔女』アイ
Aランク『黒霧』ルティナ
Sランク『死神』クロカ
そして、新しく着いた二つ名
Aランク『蒼星の龍騎士』メイリア
Bランク『氷結の魔女』サラ
Aランク『残虐の道化師』ヒナタ
『影の執行者』謎の獣人族
Sランク『大食らい』スー
「ですね」
「ちょっと!!!」
二つ名を書き終わった瞬間ヒナタが涙目になりながら、自分の二つ名に不満があった。
「道化師は分かるよ!残虐って何!私そんな酷い事してないよ!」
「ヒナタ何言ってんだ?相手の目や、肺そして心臓まで奪ってるじゃん」
「それはそう言うルールだったから!」
ヒナタは涙目になりながらシンヤの襟を掴んだ
「てか、謎の獣人族って、イヴの事だよね?イヴの冒険者登録したいけど...イヴ、何かカード持ってる?」
「ない、私奴隷だから。必要ないよ?」
「でも、イヴも奴隷としてじゃなくて冒険者として居させたいし。1人だけパーティに入って無いのも嫌だでしょ?」
「そもそも、12人いる。どっちみち私パーティに入れない」
「...確かに」
「冥帝様、冥帝様」
ネコさんが小声でシンヤを呼んだ
ネコさんはシンヤの耳元で他の人に聞こえない様に喋った
「カードが無かったら水晶に手を翳せば作れますよ」
「え?そうなの!ならそれやるよ」
「あと、パーティに入る件ですが..」
「ん?」
ネコさんは何やら言いにくそうな顔をしていた
「あの子はその..訳ありって感じですよね?奴隷とか..」
「奴隷だと冒険者出来ないのか?」
「可能ですニャ。12人超えてもあの子なら冥帝様達のパーティに入れるニャ。ですが..奴隷枠としてですニャ。冥帝様は見た感じあの子を女の子として接してると見たニャ。多分、冥帝様嫌ですよね?」
ネコさんの言う通りだった。イヴは奴隷だが、シンヤはイヴを奴隷として扱うって事が嫌っている。
本人が自分の奴隷と名乗っているが内心複雑な気持ちだった。
「ご主人様、それで構わない」
「「おっ!」」
まさか、2人の会話を聴こえてるとは思わなくて驚いた2人だった。
「私、獣人族耳は良い」
イヴは自分の耳をピョコピョコ動かした
「イヴ良いのか?奴隷枠だぞ?他の連中が何か言って来るかも知れないぞ」
「良い、そんな奴ら言わせれば良い。ご主人様の悪口だけは許さないけど」
「イヴが良いなら」
イヴはネコさんが持ってきた水晶に手を翳して、冒険者登録を終えて。ジョーククロウに入った。
イヴはラストカネスの活躍もあり最初からCランクからスタートだった。
すると、シンヤ達はこの街に来る集団に気付いた
「思ったより早いな」




