これからどうする?
「おい、立てよ。ゴミクズまだ終わってねぇぞ」
「ガハッ!ゴホッこぼっ、クソ人族がぁぁ!!」
ユレイッツォはシンヤに向けて自分の手で胴体を貫こうとしたが、シンヤは片手で腕を掴み床に叩きつけた
「ガバァッ!」
「早く立てよ」
ユレイッツォは起き上がろうとしたが、シンヤに顔面蹴られた。
「クソがぁぁ」
「喚くな、うるせぇ」
床に這いつくばってるユレイッツォはシンヤを強く睨めつけていたが、シンヤは足をユレイッツォの頭に振り下ろした。
「アアァ!!調子に乗るな!!!」
魔王化の薬を再び一粒飲もうとしたが、シンヤはそれを許さず刀で腕を切り落とした。
ユレイッツォはシンヤに魔法を放ったが魔眼で消されてしまった。
「本当に厄介だ。何故人族のお前がその魔眼を持っている!!それは魔王様のものだ!!」
「知らねぇよ。ティナから貰ったものだ」
「..ティナ?..やはりお前はあの落ちこぼれと関係があったのか」
シンヤはルティナの事を落ちこぼれと言われた事にユレイッツォに対しての怒りが倍増した。
「もう楽に死ねると思うなよ」
「はっ!こっちのセリフだ!!」
ユレイッツォはニヤリと笑った、ユレイッツォの視線がシンヤの後ろを見た、シンヤは後ろに振り向くとそこには、角と翼の生えた真っ暗な人型が2体居た。手には盾と剣を持っていた。
「あははは!!間に合った様だな!援軍が来た様だ!!そいつらはナイトデビル!魔王様が作った兵隊だ!そいつらの強さは尋常じゃないぞ!!その2体に殺されろ!」
「あっそう」
2体のナイトデビルはシンヤに向かって剣を振り下ろした。
カキン!
武器同士のぶつかる音が響き渡った。ナイトデビルの剣を止めたのはイヴとリンだった。
「ご主人様これは私がやる」
「シン、こいつは私に任せなさい」
「頼んだぞ」
シンヤは無様に倒れているユレイッツォに向かって行った。そして、イヴとリンはナイトデビルに向かって行った。
「よぉーし!んじゃ!いっくよ!」
リンはナイトデビルの低い体勢で突っ込んで行った、近づいてくるリンに攻撃したがランはそれを軽くジャンプで避けた。
「はっ!」
リンはナイトデビルの頭目掛けて剣を振り下ろしたが、ナイトデビルは盾で塞いだ
「まだまだ!せいっ!」
リンは自分の剣に炎を纏って、右に回転してナイトデビルに再び攻撃した。ナイトデビルは盾で防御出来たが、リンの回転の勢いで盾にヒビが入った。
「そっと!」
リンは足払いをして、ナイトデビルは体勢を崩してしまった。
ナイトデビルは慌てて受け身を取ろうとしたが、リンはナイトデビルの胴体にかかと落としをして床に叩きつけた。
「終わりだよ!」
ナイトデビルの心臓に剣を放り投げた。ナイトデビルはもう動こうとしなかった。
「よし!こっちは終わったかな。このエクスカリバーを手に入れた時に新しいスキルを使う場面無かったな」
リンはイヴの所を見た、イヴは2つの短剣を握り。ナイトデビルの周りを超スピードで動いていた。イヴはナイトデビルに近づき短剣で斬りつけていた。その時ナイトデビルはイヴに攻撃しようとしたが、動きが早く剣を振り下ろした時にはその場にイヴは居なかった。
「遅い」
ナイトデビルはイヴの攻撃を盾で塞いだ、その隙にイヴ目掛けて剣で突き刺そうとした。
イヴはその攻撃をいなした。
イヴはナイトデビルの顎下に蹴りを下から入れた、その勢いで後ろに倒れ込んだ。イヴはナイトデビルの心臓に短剣を刺した。
「ご主人様終わりました」
「イヴ!おつかれさん!」
リンはイヴの所に近づいたが、イヴはリンを避ける様に逃げた。リンはまだ信用されてない事にガッカリしていた。
「ガフッ!ゴフッ!ガハッ!やめガァ!!クソゴフッ」
シンヤの右手にはナックルが装着しており。ユレイッツォの上にシンヤは馬乗りになっており、ユレイッツォの顔面をタコ殴りしていた。
「おい、吐け。なんでイヴの父親の体を好き勝手いじくった?」
「ガフッ!それはガハッ!!私が買った奴隷はゴフッ!私好みにギフッ!しただけ」
「...そうか、お前の事情の為にだけにか..」
シンヤは再生中のユレイッツォの顔をずっと殴り続けた。シンヤにはユレイッツォの飛び散る血がかかっていた。シンヤの手はユレイッツォの血で染められていた。
「もう、ゴフッ!やめてくれ」
「うるせぇ、死ぬまで殴り続ける」
シンヤはイヴを悲しませた事、ルティナを落ちこぼれと呼んだ事に対しての怒りでユレイッツォを楽に死なせる気はなかったようだ。すると、シンヤの肩に暖かい手がポンっと置かれた。
「シン、落ち着きなさい。その呪印をしまって、貴方今冷静じゃないから」
「...分かった」
リンに言われてシンヤは体半分まで伸びていた呪印をどんどん肩に戻して行った。
「よし!良い子だよ」
「リン、あまり俺を子供扱いしないでくれ。照れる」
「えへへ、シンはかっこいいし、優しい所もだけど可愛い所も好きだよ」
リンはシンヤの頭を撫でていた、シンヤは少し照れてる表情になった。
「ご主人様終わりました」
イヴも近づいて来た、何故かシンヤに頭を見せる様に少し下がっていた。
シンヤはそれを察して
「よしよし、お疲れだ。イヴ」
シンヤはイヴの頭を撫でた。嬉しそうに尻尾を振っていた
そして、シンヤは倒れてるイヴの父親フェンルートの姿を見た。
「イヴ..良かったのか?」
「..大丈夫。お父さんも殺してくれって言われたから。本当はもう会えないかと思ったけど。最後に別れの言葉を聞けただけで心が満たされた」
「...そうか、イヴが良いなら」
「あ、私名前を思い出せた。私の本当の名前はセリア」
「それは良かった。これからセリアはどうする?」
イヴは少し考えたがすぐに答えは出た様だ
「私はこれからずっと、ご主人様の奴隷として生きる。だから、セリアと言う名はもう死んだ。私はご主人様の奴隷のイヴとして生きる」
「俺は構わないが、本当に良いのか?」
「うん!私がそうしたいから」
「そうか、まぁイヴがそれ」
すると、シンヤは後ろに振り返り、飛んで来た攻撃をリンとイヴを守る様に腕で弾き飛ばした
「っ、クソ、油断した。殺してけば良かった」
「ギャハハハハ!!オマエコロス!!」
飛んで来た魔法のせいで、シンヤの左腕は骨が砕けていて、骨が見えそうになるくらいボロボロになっていた。ここまで酷かったら自動回復も治るまで時間がかかる
「一気ニ!!3コ飲ンデヤッタゼ!!モウ、私ヲ止メラレル者ハイナイ!!」




