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風呂の出来事

2本目

食事を終え、普段はリン達と一緒に風呂を済ませるがシンヤが最近体がたるんでいると思い夜遅くまで1人で修行をして居た

修行を終えた夜半にシンヤも風呂へと向かう。


シンヤは脱衣所で服を脱いで、木戸を開けた

すると、風呂の中に羽の生えた一つの影があった


「ん?え!シー君?!」


「え?あ、悪い悪い。メイが入ってる事知らなかった、今出るよ」


メイはそう言う関係じゃ無いのでメイだけは一緒に入った事はない。

シンヤは慌てて出ようとした時


「良いぞ、シー君とはもう何日も一緒のベットで寝ておるし。風呂ぐらいなら大丈夫だ」


「そうか、なら遠慮なく」


シンヤは掛け湯をして身体を軽く洗い、少し暖まった身体で湯船へと浸かる


「ああ……」


本当、アイの温泉は絶妙な湯加減だ身体の中まで染み渡る


「ふふ、シー君気持ちそうね」


「ああ、やっぱりアイの温泉はきも..」


シンヤはメイの蒼空の様な濡れた髪に気持ち良さそうに温泉に浸かってるメイに目を奪われた


「シー君どうしたの?」


メイは首を傾げた、シンヤはそのメイの姿を見て。恥ずかしくなって目を逸らした。それに気付いたメイはニヤリと笑って揶揄ってきた


「あれれ?シー君もしかして、余の裸に見惚れちゃった?」


「違うし!ちょっとのぼせただけだし!」


「今入ったばかりでしょ?」


「...そうでした」


シンヤは恥ずかしくなり、口元までお湯に浸かった


「シー君もうちょっと近くに来ていい?」


「ん?良いよ。それの方が声聞こえやすいしね」


メイはシンヤに近づき、お互いの肩が触れるぐらい近くに来た


「メイってさ、ブルーノと一緒にいる時と俺らといる時って口調が違うよね」


メイはブルーノがいる時は偉い感じの喋り方だが、シンヤ達といる時は普通の女の子みたいな感じの喋り方だった


「ん〜それはね、余を舐められない為に親からそう喋りなさいって教育されたの」


「そうか..なら、俺らには気を許したから素の喋り方って事だよね」


「うん..シー君達といると、すごく楽しい。余はずっと1人みたいな者だったの、余の周りは姫、姫、姫とうるさかった。余は本当は気を許せる友達が欲しかった」


姫か...


「メイは姫だから、里に帰らなくちゃいけないのか?」


「...うん」


メイはどこか寂しそうに答えた


「本当はどうしたい?」


「え?」


「このまま俺達と旅を続けるか、里に戻るか」


メイは考えた


「...分からない、余は何をしたいか分からない。でも余は竜神族、余は里の役目がある。本当は今余が自由に過ごしてるだけで奇跡みたいな物だ。まぁ、嘘をついてしまってるけど」


「嘘?」


「竜の里の姫は必ず、異性の専属従者を作らなければない。つまり、それは結婚って訳なの。余は勝手に父上が決めた相手の中から選べと言われたけど。余はそれが嫌だった。頑張って説得して里に居なければ、外の者を自分で選んで連れてこいって言われて」


「そうだったのか」


「最初はシー君を形だけで専属従者にしようとしたけど、シー君にはお嫁さんも旅の目的もあるから。諦めた」


「そうか、もし見つからなくて。そのまま里に帰ったら?」


「それは...父上が決めた相手と強制的に余の専属従者にさせられる」


「そっか、まぁ、ゆっくり考えて。メイがしたい事を考えれば良い。俺は全て受け止めるから。最後に2つ質問して良いか?」


「俺らと一緒に居て楽しい?」


「うん」


「里は楽しいか?」


「....つまんない」


「そっか..はい、この話は終わり」


空気が重くなったのか、シンヤは明るい空気にしようと話の話題を変えた


「前々から気になってたけど、ブルーノには翼があるのにメイにはないの?」


「余は隠してるだけだよ、ほら」


メイの背中から綺麗な黒い翼が現れた


「余の翼は真っ黒だからね、他の者にき「綺麗だな」ほえ?」


「だから、綺麗だよ。触っていいか?」


「へ?!」


メイはシンヤが自分の翼に触りたいと申した事に驚いた様子


「...いいよ」


「やった」


「優しくね本来なら軽々と他の人に触れさせる場所じゃないの」


「そうなのか?」


「うん、私の翼に触るのはシー君が初めてだよ」


「んじゃ、優しくしないとな」


シンヤはメイの翼に最初は指先を、スーっと撫でた


「ん..」


メイはくすぐったいのか、色気がある声が漏れた

そして、シンヤは軽く撫で始めた

感触は冷たく硬いが、シンヤはその感触を気に入ったのか


「綺麗だな...ずっと撫でたいぐらいだよ」


「ふぇ?!ずっと..」


メイは顔を赤くして驚いてた


「ダメか?」


「そうだよねシー君は知らないよね」


「ん?何が?」


「んん、なんでもない。良いよシー君が触りたい時に触っても良いよ」


「それは嬉しい」


シンヤはメイの翼を撫で続けた


「ねぇ、シー君」


「ん〜」


「独り言言って良いかな?」


「...良いよ。独り言なら俺は聞こえてないから、何も言わないよ」


「ありがとう...本当はずっとシー君達と居たい。シー君の所から離れたくない。里に居たくない」


「...」


メイからにはすすり泣きが微かに聞こえるが、それはあくまで独り言だからシンヤは何も返してこなかった

だが、シンヤは翼から手を離し。メイの頭に無言で撫でた



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