表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/5

不思議な出会い その5

 俺は教室でラノベを読んでいた。最近ラブコメを読み始めて絶賛ハマり中である。

 教室に入ってきたのは光世だ。朝の挨拶を交わすと俺は光世に頼み事を聞いてもらった。

 「なあ光世、桜咲の写真を俺が寝ている間に取ってきてくれないか」

 「何言ってんのお前。そんなこと出来るわけねえだろ。大体家知らないし、見つかったら捕まるぞ」

 「捕まるのは知らないが、場所なら分かる。これ買ってきたから」

 俺が光世に差し出したのはGPSだった。

 光世は俺を見下ろし、数秒間黙っていた。

 「お前本気か」

 「本気だ」

 「はあ。今度飯奢れよ」

  「ありがとう。恩に着るよ」

 そして光世は桜咲の写真を取るまいと放課後、使い捨てのカメラを買っていった。

 なぜこんなことをしてるかって?説明しよう。

 俺は桜咲の正体を知ろうと色々と考えた。そして結論は、俺が桜咲を意識すると存在が無くなってしまうということだ。

 ならどうすればいい。

 それは光世に頼んだように俺が寝ている間に写真を取るしかない。

 寝ている間は誰かを意識するなんてことは出来ない。だから桜咲の存在も残っているはずだ。だから桜咲が家に帰る前に俺は寝ないといけない。

 俺は家に帰った後、とにかく飯を食った。飯を食った後だとすごく眠たくなるからだ。約束の時間、4時半になると、俺はベッドに潜り込み、頭を空っぽにした。

 GPSの位置から、帰宅時間は大体5時だと推測される。30分前に横になり、ちょうど良い感じのタイミングになるはずだ。

 

ーーーー


 俺は夢を見ていた。それは俺が全校生徒の前でピアノを弾き、拍手喝采を浴びていた。弾いていた曲はショパンの英雄ポロネーズ。

 現実では絶対に弾けない曲だ。

 ピアノを弾き終わると俺は一躍人気者になった。休み時間にピアノを弾いてくれという声がいつも聞こえる。

 

ーーーー

 

 俺は天井を見ていた。少し右に電気が見える。俺は身体を起こし、後ろにある時計を見た。

 時刻は午後7時半。寝ぼけた脳が起きた瞬間、写真の事を思い出した。俺は携帯で光世に連絡した。

 撮影は成功したという。


 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ