12話
昨日は夜ご飯を食べずに眠ってしまったのでお腹が空いた。朝になって下へ降りると、リグルさんに似たイケメンが朝食を運んで来てくれた。
自己紹介によると彼はリグルさんの弟で、レグルさんという。厨房で料理を担当しているそうだ。兄弟揃ってイケメンとは恐れ入った。
メニューは硬い黒パン3つに大量のサラダ(ドレッシングなし)に芋と豆のスープに厚切りの肉。何より量が多い。黒パンは相変わらず硬いし、肉は変わらずシンプルな味付けだ。しかしこれは…何の肉だろうか。昨日の肉よりは柔らかくて食べやすいが。
量が多くお腹いっぱいになってしまったため、肉をまたこっそり持って帰って自室でルナに食べてもらった。ルナの美しい毛並みをわしゃわしゃして朝のもふもふを堪能してから宿を出る。あらかじめリグルさんに聞いていた生産ギルドを目指すのだ。
そこは歩いて10分ほどの場所にあった。そこには冒険者ギルド、商人ギルド、生産ギルドが3つ並んである。どれもこれも大きな建物で圧倒される。
その中の生産ギルドに入ると、まだ朝だということもあって中は閑散としていた。受付は3つほどあり、その中の1つしか人が座っていない。俺はその1つの受付に進んだ。
「あのー、ギルドに登録したいんですけど」
「あら、僕が?お父さんがお母さんの代理かな?ごめんね、本人がいないと登録できないのよ」
「いいえ、僕が登録するんです。生産ギルドには年齢制限はありませんよね?」
「え、えぇ、確かに年齢制限はないけれど…」
受付の眼鏡のお姉さん…アイリさんは困った顔をした。
「じゃあ、今すぐ卸せる現物は何かないかしら?」
「これでどうでしょうか?」
俺は昨日作ったポーションの一つをカウンターに出した。
「ちょっと鑑定するわね。…あら、良く出来たポーションじゃない。僕が作ったの?」
「そうです」
「あら、凄いわね…可愛い見た目に反してやり手なのね」
受付のお姉さんはポーションと俺を見比べて、何か品定めをするような目で見つめてくると、ポンと手を叩いた。
「分かりました、君の登録を許可します。これに名前を書いてね」
渡された書類に目を通し、言われた通りに名前を書く。
書類には簡潔に言うと以下のように書かれていた。
・作った物は基本的に生産ギルドに卸す。
・特許を取ると生産ギルドから販売され他の人に真似されることは許されない。
・生産ギルドのメンバー及び他のギルドメンバーと揉め事を起こさない。
・年間会員費小金貨3枚を納める。
そんな感じだった。今の所持金が5万ちょっとしかない現状小金貨3枚は痛い出費だが、必要経費と割り切ろう。
「それで…君はこのポーションをいくつ卸してくれるのかしら」
「今は200本あります。ここに出しますか?」
「ここじゃスペースが足りないから向こうの部屋でお願いね」
アイリさんは奥にいた他の人に受付を任せ、個室へ向かった。個室は3つほどあって、大量の物や大型の物を卸す時はここで取引するらしい。
「それじゃあ出してくれるかな」
その言葉に頷き、大きな机の上に大量のポーションを出していく。アイリさんは一つ一つに鑑定をかけていた。200本の鑑定を終えると、息を吐く間も無くアイリさんはお金を持ってくるわねと言って奥へ引っ込んだ。
「君のポーションは普通の物よりも性能がいいから、初級ポーションだけど1本800ガルディンで書いとるわ。200本で16万ガルディンね。確認してくれる?」
手渡された袋の中に大金貨1枚と小金貨6枚が入ってることを確認する。
「確かに確認しました。ありがとうございます」
「こちらこそ。また何か作ったら是非卸しに来てね」
そう言ってアイリさんは笑顔で見送ってくれた。
所持金18万1000ガルディン




